俳句の勉強
平成19年の俳句の勉強会(2)
さて、5月の句(一回目)
一つでは足らぬ欠伸や春惜しむ
若葉道赤鉛筆を拾ひをり
黒潮に突っ込むタンカー菜の花忌
風五月孫の胸元ふっくらと
「一つでは足らぬ欠伸や・・・」の句は先生に取って頂き、もう一人の方に取って頂きました。
下の三句はそれぞれ御二方に取って頂いた。
「黒潮に突っ込・・」について、先生は司馬遼太郎の「菜の花の沖」を読んでいないので、凄い句と思うが取れないとの由。
次に、
母の日に母の名の謎解けにけり
一人の方に取って頂いた。小生の句には深い思い入れがあり、説明したいが差し仕替えたい。
「真実は真実でないのが真実」とだけ言っておこう。
次は3月に投句した駄句が6月号に朗人選で「天為」に3句載りました。
「風光る果ては万里の城の道」
「いち早く恋雀とはなりにけり」
「みな開きたる花種の袋かな」
これは勉強会で、「風光る果ては万里の道あまた」と直されたが、頑張り小生の句の侭出してよかった。
また、「みな開きたる花種の袋かな」は何方にも取って戴かなかった句であるが入選致しました。
感性による句意の取り方、人生経験による意図する意味の取り方などが影響するか?小生には判らない。
更に阿部静雄先生選の課題句(課題、遠足、苗札)ですが
[遠足やバスから出る子列続く]
例により佳作に入りました。佳作では駄目ですね!入選句でないと。欲張らないようにしよう。
5月の句(二回目)
小生の句下の句1句のみでお一人の方に取って頂いた。感謝!
幾人の旅人とどめ草の笛
さて、話は前後するが、天為200号記念の入選句の3句につての高坂静生先生の評があるので紹介したい。
「質種売る七面坂に冬の雲」については[これはないない厳しい世相をズバリですね。庶民は苦しい時代なので、よろしいでしょう。「質種売る」これは驚き。「冬の雲」は寒々としてますね。「質種売る」と「冬の雲」と照応あります。]
「校長の机の上に枯芙蓉」は[省略がよく効いています。「枯芙蓉」は驚きました。「枯」が鋭い。美しい芙蓉でなく「枯」を出した処、上々。]
「蟠り捨て脚伸ばすゆず湯かな」は[何か蟠りがあって柚子湯でせいせい気分になった。よろしいでしょう。こんな風に生活の一コマに柚子湯があります。]
と言う事だそうです。
6月の句(一回目)
今回は富岡製糸場歴史散策吟行を5月29日に行いましたが、小生は都合が悪く、参加しませんでした。
従って、小生の句は5月初旬織物工場を見学していたので、これと関連させ投句致しました。
歴史散策と実際の織物工場を見学とでは差があり、歴史散策では工女の姿を想像することができず、小生の句は多少皆とは句意が深かったのか?ゴメンナサイ!!
沢山取って戴いた。感謝します。
さて、句は
工女史は繭が悲しく浮き沈み
これは五人の方に取って頂いた。
縦糸が切れて繋げる玉の汗
二人の方と先生に取って頂いた。
過疎の村積荷に一羽羽抜鶏
士族とて工女となりて夏の星
上記2句はそれぞれ二人の方に取って頂いた。
斑猫に従ひ木道河童郷
御一人の方に取って頂いた。
以上ですが、御婦人が多いためか?悲しい事に関する感性と言うか、深くジーンと来るものお好みようです。抽象的な物言いは好まれないのかな!勝手な事言いました。お叱りは覚悟。
6月末に奇跡がはもう言いません。銀座で出している「銀座百点」7月号の銀座俳句高橋睦郎撰で、小生の駄句が佳作に入りました。
一つでは足らぬ欠伸や春を待つ
です。これは勉強会には出し、先生に「足らぬ」と直して戴いた句であった。試みに高橋睦郎撰の1句は
「コーラスの口みなまろく春の空」
勉強になります。
高橋睦郎先生の句は
「あさくさの祭り古りけり舁手亦」であった。
次は4月に投句した駄句が7月号に朗人選で「天為」に4句載りました。
「石段の石の風情や竹の秋」
「過疎の村日のある限り梅匂う」
「春霞烏銜ふるゴルフ玉」
「ソムリエはビールにもあり風光る」
「石段の石の風情や竹の秋」は句会に出し、先生に「香り」を「風情」と直して戴いたものです。感謝!
「過疎の村日のある限り梅匂う」と「ソムリエはビールにもあり風光る」とは皆さんに取って戴いた句。
更に阿部静雄先生選の課題句(課題、母の日、竹の秋)ですが
[石段の石の香りや竹の秋]
例により佳作に入りました。佳作では駄目ですね!「香り」を「風情」にすれば入選句に入ったか?
6月の句(二回目)
今回の句会は取って頂いたのは次の一句のみであった。
黄昏れてゆく紫陽花や見え飽かず
一人の方に取って頂いた。
7月の句(二回目)
今回も句会は取って頂いたのは次の一句のみであっが、先生とお一方の御二人であった。
宿坊の朱塗りの屋根や苔の花
次は5月に投句した駄句が8月号に朗人選で「天為」に残念ながら、2句載りました。
「春の夢座敷わらしが踊りをり」
「母の日に母の名の謎解けにけり」
2句とも皆さんに取って戴いた句。
更に阿部静雄先生選の課題句(課題、初夏、父の日)ですが
[父の日に父の逝きたる年となり]
例により佳作に入りました。佳作では駄目ですね!
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