俳句の勉強
平成18年の俳句の勉強会
1月の句
苦言にも笑顔笑顔のお年玉
2人の方に取って戴いた。感謝!
元旦に猫の挨拶受けにけり
冬の野の二人で鳴らす愛の鐘
前句の「元旦に猫の挨拶受けにけり」は先生に直して戴いた句で「元旦に「ニャン」と挨拶受けにけり」であった。猫は「ニャン」としか言えないのだからとの御意見。有り難く頂戴!
更に「冬の野の二人で鳴らす愛の鐘」の説明を求められたが、面目のために書いておくことにする。
山中湖に行ったおり、ハープ園に愛する二人がウエディングケーキの入刀よろしく、「二人が持って鐘を打ち鳴らすと永遠の愛が叶えられる」と書いてあったので、妻が小生を誘ったものである。
その他に1句選んで戴いた。
初春に狗子佛性の擦り寄れり
1月は2回句会があり、水墨画とかち合い、投句のみであったが皆さんの選句のみ致しました。
寒梅に古希の若妻写真かな
の1句のみ。昨年暮れに兄弟より仲良くしていた友人が急去してしまった。何か空白が出来た様で、電話する相手が無くなってしまった。
今年も宜しく御願い申上げます。
2月の句
2月の第2火曜日は新年会のため、第4火曜日のみとなった。
鯉狙ふ猫の五感や水温む
この句は季語が決められていたもので、先生の撰も含めて、5人選んで戴いた。
啓蟄の微かな音色仲良くと
この句は季語が席題であったが、2人に選んで戴いた。
老猫の大欠伸して日向ぼこ
これは先生に選んで戴いたが「老猫の日向ぼこして大欠伸」を上のように修正して頂いた。
追い付かれ息切れ急ぐ浅き春
1人に選んで戴いた。今回はまぐれで成績はよかった。先生が御帰りになるとき、小さな声で「今回は良かったですね」一言。何か女性の優しさを感じ取った思いがした。有り難い。
3月の句
今回は宿題の季語を知らなかったため、変な句を出してしまった。それは宿題の季語が「長閑」であったので、予め作っておいた「蝋梅の香り残して溶けにけり」を流用して「長閑なり香り残して溶けにけり」としてしまった。早速判らない句であると先生に言われてしまった。これは我が不覚。反省。
今回は席題の句、季語「囀り」であり、
囀りや恋を刈るか語るか村雀
2人に選んで戴いた。前回に比べ成績悪し。第4火曜日に頑張ろう。
今回は成績は良かった。お蔭様で!
春の夢座敷わらしが踊りをり先生を含め、3人に選んで戴いた。
天空に揃ひて祈る白木蓮
これは2名の方に取って戴いた。
若き日の鞄に残る春の夢
4月の句
4月の1回目は余り振わず、次の2点を其々御一人の方に選んで戴いた。感謝!
花冷えに古希酒交わす会者定離
春愁や花束捧げ過去に謝す
これは先生に取って戴いた。有難う御座いました。
次回は吟行であります。風林火山のもとに行くことに為っています。
吟行に行って来ました。
小生の句は余り振わず、次の3句を各1名のかたに取って戴くに留まった。
春うらら灯篭の石幾つ
花梨咲く幹に描かる抽象画
マロニエの下に咲きたるチューリップ
マロニエの句は先生に取って戴いた。感謝!
ところで、先生の句「山門に一会の人と春惜しむ」を小生は特選として取らして戴いた。先生豪く喜ばれ、自分も良い出来と思っていたもの特選で取って呉れたと。
この発想はなかなか出て来ない先生ならではの名句である。
5月の句会は次の2点で余り振わず、1点(前者)については先生に無理を言って、修正して取って戴いた。
恥ずかしい限り。
糸屑の如き花つけ麦かがやく
青葉濃し昔見返り松惜しむ
6月の1回目の句会は2点取って戴いた。前者は先生と他の二名の方に、後者は先生に取って戴いた。
笑うなよお前同じ羽抜け鳥
自信作なりあめんぼ虫の抽象画
6月の2回目の句会は今回も振わず、1点を先生と1名の方に取って戴いた。感謝!
猫が先に食べてしまひし狸豆
これも先生に直していただいた。
7月の1回目の句会は3点取って戴いた。
桑の実を頬張る餓鬼の衣も黒しこれは先生に取って戴いた。
疲れたよ厳しき今日の水中り
赤ワイン主夏の南仏写しをり南仏ヴォルドーに行ったときのことが蘇った。40歳代の始めで未だ若かった。フランス語で友人にラブレターを書いてもらいフランス人の飛び切り美しい若い女性に読んで話掛けたことがあったが、今では30年前の話。女性には通じたかどうか知れぬが、「ムーシュ」と言った事が今でも耳に残っている。フランス語を書いてくれた友は天国に召されて、今年新盆を迎えた。歌の文句でないけれど時は川のように流れ、変わって仕舞うもののようだ。
これはそれぞれ、一人の方に取って戴いた。謝謝!
7月の2回目の句会は2点取って戴いた。
炎天下鞄の中の着信音
香水の軍団椅子を占領す
前者は4人、後者3人に取って戴いた。謝謝!
8月の1回目の句会は3点取って戴いた。
峰雲や優しき人を句敵に
3人に取って戴いた。
盛夏に逝きたる母は遠くなり
炎天下矍鑠ゴルフ卒寿かな
上の2句はそれぞれ1人の方に取って頂いた。謝謝!
8月の2回目の句会は?
2回目の句会は余り振わなかった。
1句のみで、先生とお一方に取って頂いた。謝謝!
地に深く生たる証蝉の穴
9月の1回目の句会は2点取って戴いた。
蟲鳴くやじゅげむじゅげむのヒトゲノム
独り居て雨読と伴に秋立ちぬ
其々御一人の方に取って頂いた。出来の良くない句を取って戴いて有難う御座いました。
しかし、奇跡が起きました。銀座で出している「銀座百点」10月号の銀座俳句高橋睦郎撰で、小生の駄句が佳作に入りました。
四十度猫椅子下に蕩けをり
です。これは勉強会では取って戴けなかったもので、以外であった。試みに高橋睦郎撰の1句は
「夏蟲のぼろになるまで灯打つ」
勉強になります。
高橋睦郎先生の句は
「浦々に花火の夜あり夜空あり」であった。
9月の2回目の句会は?
今回は振わず、実は何時も駄目であるが、次の二句、其々御一人の方に取って頂いた。
蟲の音にオカリナ響く花の曲
萩咲くやじゅげむじゅげむと競い合ひ
俳句の勉強も3年目に入ったが、その難しさが少し解り出したようだ。
10月の1回目の句会は?
秋気澄むクリオラ入りの毬藻かな
小生クリオラをクレオラと間違えたため、何方にも取って戴けなかった。
間違いを説明して、先生に一部修正して戴き、取って頂いた。
その他、
知床の秋波高く斜め雨
乙女なり夕に紅差す酔芙蓉
其々1名の方に取って戴いた。しかし、小生の句は頭で考えた句で、美空ヒバリの歌のように腹から出た句にして行きたい。
10月の2回目の句会は?
句会があるのを知らず、ゴルフに行き、不愉快なことがあり、後悔している。
11月の1回目の句会は?
パレットに全て色のせ秋惜しむ
の1句のみであったが、御二人の方と先生に取って頂いた。先生曰く「俳句はこのように作るのですよ」
有難く受け止めた。
11月の2回目の句会は?
残念ながら、次の2句であった。
質種売る七面坂や冬の雲
これは先生に取って頂いたが、小生「質種」という言い方を思い出せず、「質売る」としてしまった。
「質種売る七面坂の師走かな」も良いかな
もう一句は
短日の小樽運河に父の影
一人の方に取って頂いた。「影」は曖昧と思う。従って、「父偲ぶ小樽運河は凍でてをり」と換えて見た。
12月の1回目の句会は?
辛酸も佳境もありて木の葉髪
3人の方に取って頂いた。
しかし、小生は「辛酸も佳境に入りし木の葉髪」に換えたい。
遠い日の恋路もありて木の葉髪
これは先生と1人の方に取って頂いた。
風邪床に温もりける腕時計
1人の方に取って頂いた。
12月の2回目の句会は?
全て何方にも取って戴けなかった。
自信ある作であったが、ガッカリして家路に付いた。家に帰って見ると奇跡が起きました。銀座で出している「銀座百点」1月号の銀座俳句高橋睦郎撰で、小生の駄句が佳作に入りました。
浮雲はいつもおしゃべり冬の山であった。
今度の句会に出して見ようと。結果が楽しみ!!
試みに高橋睦郎撰の1句は
「金秋の七日の闇を眠りけり」百一歳を目前にして手術から蘇生されての句
勉強になります。
高橋睦郎先生の句は
「花よりも花めくやふぐの活造り」であった。
今度は一句を目指したい。
今年もこれで終わりになりました。このサイトに立ち寄られた方、良い年に成りますように。
「銀座百点」2007年1月号が突然にして、2006年、年の暮れを飾ってくれた。来年は良い年に成りそうだ。有難い。
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