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※バインダーにはさんでおいた介護のメモ書きや、新聞記事で見つけた介護記事、また、ただ今介護に奔走してらっしゃる鬼さんなどのメールなどを紹介しています。介護するほうも、介護されるほうも笑顔で向き合えるとよいですよね(渡辺京子)。
2008.9.28 緩和ケア病棟(ホスピス)の看護婦さん(テレビ番組)
9/30の夜、テレビでホスピスで働くガン専門の看護婦さんの番組があり、終末を迎える患者さんの緩和ケアが語られていて、グサリとくる内容でした。

最近耳にする「緩和ケア」。その言葉を知って以来、「緩和ケア」に興味を持っていました。最初の取っ掛かりは9/19に取り上げた緩和ケアの施設「ケアタウン小平」の記事でした。

2008.9.19 ホスピス医の経験からできた医療と介護を結んだ緩和ケアの「ケアタウン小平」

緩和ケア・・・まだまだ新しい分野の、しかも重たいテーマですよね。

ガンなど、不治の病いにかかった時、どのように残された時間を過ごすか。
これは患者さんにとっても、家族にとっても大きな課題だと思います。同時に、たくさんの患者さんを見てきた看護婦さんたちにとっても、終末を迎える患者さんにどのように接し、どのような形で患者さんたちに手を差し伸べるか、は、大きな課題だと思います。

テレビの番組では、余命を告知され、つらい現実を乗り切らなければならない患者さんに寄り添い、悔いのない人生の終末を迎える(迎えさせてあげる)ために、ホスピスと看護婦さんが重要な役割を果たす様が放映されていました。

番組の中で、覚えているところをかいつまんでお話ししますね。

まず、ホスピスに入る患者さんはその時点で痛みに襲われていますので、まずは痛みを取り除き、通常の生活ができるようにサポートします。

その上で、「何かやりたいことはありませんか?」 と、患者さんと向き合って、患者さんのやりたいことや夢などを見つけ出してあげるんです。

肝臓がんに侵されていた男性患者は、症状も重く、娘さんの結婚式には体力がもたない状態でした。でも、本人は楽観視していて、娘さんの結婚式を楽しみにしていました。
この時点で、2、3ヵ月後の結婚式に出られないと、男性患者に伝えることは、死期が迫っていることを本人に告知してしまうことになります。

やがて、男性患者の意識が混濁するようになり、看護婦さんは経験上、その男性患者の最期が近づいていることを悟ります。その時点で、患者さんの唯一の希望である娘さんの晴れ姿を見せるべく、病院内での仮の結婚式を行うことを提案します。

「結婚式に出ることは無理」と告げられた男性患者の、放心したような表情と、泣き出す家族の人たちの姿が胸を打ちました。

男性患者が重い口を開いて、病院での結婚式を承諾した時点から看護婦さんはてきぱきと結婚式の準備に取り掛かります。
小さな病院内のチャペルが急遽結婚式場に代わり、若い看護婦さんがオルガンを弾きます。
花嫁衣裳を着た娘さんの横で、ガンの苦痛と戦いながら、かすかに浮かぶ男性の口元の喜びの表情に、看護婦さんは気づきます。その数日後、男性は息を引き取りました。

死を看取り、看護婦さんは部屋へ戻ると涙を流していました。
でも、それは悲しくて泣く涙ではないんだそうです。

1時間1時間を一生懸命生きた患者さんの旅立ちを見送って、ひと区切りを終えた「涙」なのだそうです。男性の夢をかなえることができて、一つの仕事を終えた、充実した「涙」なんだそうです。

涙をぬぐった看護婦さんは、さっそく他の患者さんの病室へ飛んでいき、笑顔でまた他の患者さんと向き合ってました。

死と直面した人に対して、どのように手を差し伸べたらよいのか、この看護婦さんの行動からたくさんのことを学ぶことができました。
でも、このような行動には、とてつもない強靭な精神力が必要だということもわかりました。そんな強靭な精神力は・・・たくさんの患者さんを看取った彼女だからこそ、培われたものなのでしょう。

自分自身の身に置き換えて・・・、自分だったら、家族だったら、知人だったら・・・でも、いつも思うんですけど、例え、理想通りには行動できなかったにせよ、少なくとも「知識として理解している」ことは大切だと思います。

気持ちがあれば、行動が伴わなくても、きっと相手の心に届くと思いますので。
ただできることなら、理想通りに行動できると、よいですのですが・・・。

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