私はアマチュアの将棋指しですが、年間に公式トーナメント戦５回くらい出場しております。その中で地区予選を勝ち抜き、さらに全国大会を勝ち抜くというのは実に大変なことであります。
そうした中にあって私は、この４年間の間に一度は全日本大会で優勝し、さらに先ごろは権威ある中国名人の座に就くことができました。これだけの実績は普通なかなか残せるものでなく、今風に申し上げますと、”超スゴイ”あるいは”超々スゴすぎる”ということになってしまいます。そういうことでありますので、この広島県予選ではいつも圧倒的な優勝候補とされています。
いやいや、自慢ばかりで誠にすみません。こうした調子で自慢話をするのが本項の目的ではなく、本題は実はここからが始まりです。
上記の通り、その圧倒的に強すぎて格好いい私が、この田舎っぺの地区予選に参加しては、さぞや勝ちまくって、いつも県の代表になっているんだろう、と誰からも思われるんですが、現実は全く違います。優勝候補といわれているのは確かに間違いないんだが、対局ではポロポロと取りこぼしの負けを喫して、いつも代表を逃し、過去４年間でまともに県代表になれたのは、前記大会のたった２回だけなのであります。（２００３年５月）　それでいながら、全国大会では１番になっているんだから、これは考えようによっては誠に恐ろしい記録だといえましょう。
ボロボロ負けるのが真実の自分の棋力なのか、それとも全国制覇を成し遂げる自分が本当なのかといえば、恐らく足して２で割ったくらい、５割くらい県代表になって、全国大会では２回戦以内に負けるのが本当なのではないかと感じています。それがなぜ、わけのわからん劇的な実績になって表れるのか・・・

一般的には信じない人も多いのですが、私はこの世の中には目に見えない霊的な力が働いていると考えています。そして、それがあるのならば積極的に原理を研究し、なにかしら自分の人生の足しになるような上手い生き方がないかと探っているのです。

その結果は、将棋の対局においては、はっきりしたことが分かっていますので、ここに述べたいと思います。

私はよく勝ちもするが、よく負けもする。特によく負ける相手、というのはどちらかというと執念深い悔しがりやさんに多い気がする。６段の私に対して３段の棋力でも互角の勝負になるわけだ。技術的問題よりもこの執念の念、恨みの念、負けて悔しい怨念の念が私にまとわりついてくるのである。それに負けるというのではない。負けてあげて、相手の無念さをやわらげてあげる、その成仏できぬ生霊の念を御祓いするわけである。こうしておくと神道でいうところのミソギハラヒとなり、いざという時にきれいな身体で対局に臨め、奇跡的な活躍につながったりするのである！これは確信を持っていえる真実である。この勝ち方は実に筋のいい勝ち方であって自分の運命を曇らせることがない。常にフィフティーフィフティーのバランス感覚なのである。負けながら同時に運のパワーも貯めているのだ。（注：かといってわざと負けているのではない。）
ならば一方で、勝つためにのみ非常な執念を燃やし、極悪非道に相手の生霊の念さえ押さえ込んで勝ちまくっていったらどうなるか・・・確かに勝つことは自分の念エネルギーによって可能だろう。だが、例外なく運命的な損もするはずだ。何事か悲惨な人生上の試練が待ち構えているに違いない。証拠に、偉大な勝負師に幸多い老後の話はあまり聞かない。あるのかもしれないが、そうした人は間違いなくなんらかの霊的手立てを打っているか、なんらかの徳積みをしているはずである。

以上、私の将棋対局における霊的研究である。文中、わざと負けているのではない、と紛らわしく書いているが、実際に負けたくないから、と頑張っていても（霊的存在に）負けさせられるという意味だ。平素から慎み深い？霊的生き方を心がけていると、私の場合は自然にそう導かれてしまうらしい。

対局について講釈を述べましたが、この原理はあらゆることにあてはまるはずです。人には恨まれているより感謝されているほうがいい。霊的に考えるとしみじみとそう思われる。特に女性はおぞましく恐ろしいので・・・
私が書いたことは、霊的世界のほんの序の口であり、奥深い問題は各人が探求してもらいたいが、せっかくだから一つだけ、分かりやすいところでもう一つだけ講釈を垂れさせてもらうと、やむなく恨まれてしまった場合は、その念を打ち消すべく、心をこめて真剣にお詫びの念を送るべきである。形にならねば気持ちだけでも真剣にお詫びするとそれなりに効く！相手が理不尽でも問答無用に、そのオゾマシイ怨念を打ち消すべくお詫びの念を送る。あとは天が見届けてくださり、運命が上向くという寸法である。
いやはや、これは奥義の一つであった…

（平成１４年の記）







運命研究資料（政木和三博士の言説　拾い読み）



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