CSN 2010年4月27日
ヴュルツブルク 国際アピール

情報源:Chemical Sensitivity Network, April 27, 2010
Environmental Medicine: International Appeal From Wurzburg
http://www.csn-deutschland.de/blog/en/environmental-medicine-international-appeal-from-wurzburg/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma, Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年4月28日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/sick_school/cs_kaigai/CSN/100425_CSN_International_Appeal_Wuerzburg.html


 2010年4月23-25日にドイツのヴュルツブルクで開催された欧州環境医学アカデミー(European Academy for Environmental Medicine)主催の医学会議には、環境健康、毒性学、免疫学、神経学、ヒト遺伝学分野の多くの名声ある国内及び国外の科学者、開業医師、歯科医師、その他健康分野従事者、及び患者・支援団体の代表が出席した。この国際医学会議のテーマは、”科学が実践を満たす(Science Meets Practice)”であった。そこでは特に神経内分泌学、免疫学、及びそれらの環境医学における重要性に関する問題が論じられた。

 参加者は、多種化学物質過敏症(MCS)、慢性疲労症候群(CFS)、線維筋痛症 (FMS)、心臓血管系疾患、代謝症候群、神経変性疾患、自己免疫疾患、がんなどの慢性多系疾病が広く増加していることに大きな懸念述べた。

 会議では、病理学的メカニズムがこれらの慢性疾患の原因であることが深い感銘をもって示された。そのメカニズムは、共通の慢性炎症プロセス、環境要因(汚染)が関与する化学物質、生物学(感染性作用因子)、及び引き金となり得る物理学(電磁界)である。

 慢性疾患は長期の患者をもたらし医療費が高くなることを意味する。このことはしばしば影響を受けた人々が社会的に排除されることを意味する。

 ヨーロッパの、特に公衆保健分野のますますの財政的圧迫、及び公衆保健制度の崩壊についての深刻な報告があるにもかかわらず、慢性疾患はますます増加しており、このような状況は改善しなくてはならない。一方的な対症指向の医学からコスト効果のある一次予防に目を向けた原因指向の医学を優先するよう変えていくことの必要性が確認された。

 会議の参加者らは欧州の環境及び保健大臣に、欧州委員会に、欧州議会に、各国政府に、そして公的及び民間の保険機関に対し、彼らがこれらの事実を真剣に考慮して展開するよう、すなわち、まず第一に予防を強調してそれに投資を行い、次に、これらの慢性環境関連疾患のための検診を行い、可能な限り早期の発見と診断をするよう求める緊急のアピールを行なった。

 欧州各国政府は、2004年にブダペストで開催された第4回 ヨーロッパ健康と環境大臣会議(The Fourth Ministerial Conference on Environment and Health )(訳注)の決議を批准し、行動に移すことが求めらている。

 このアピールは会議参加者の大部分により、満場一致で採択された。

ヴュルツブルク 2010年4月25日

For the Board of EUROPAEM
Jean Huss, Vice-Chairman
Dr. Kurt E. Muller, Chairman
Dr. Peter Ohnsorge, Managing Chairman
Dr. Hans-Peter Donate, Press, Responsible

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Translation: Christi Howarth for CSN. Thank you Christi!

訳注


化学物質問題市民研究会
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