カナリア・レポート/スージー・コリンズ 2008年12月25日
ドイツ 多種化学物質過敏症ガイドラインから
身体表現性病因を削除


情報源:The Canary Report
Germany strikes psychosomatic cause from Multiple Chemical Sensitivity guidelines
December 25, 2008 by Susie Collins
http://www.thecanaryreport.org/2008/12/25/
germany-strikes-psychosomatic-cause-from-multiple-chemical-sensitivity-guidelines/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
Translated by Takeshi Yasuma, Citizens Against Chemicals Pollution (CACP)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年2月20日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
sick_school/cs_kaigai/081225_Germany_strikes_psychosomatic_cause.html

訳注:当ウェブサイトで本年2月8日に、アメリカン・クロニクル 2009年1月21日の記事を「ドイツ 世界で初めて多種化学物質過敏症(MCS)を身体的疾病として認める」として紹介しました(訳注1)。その後、この記事に関連があると思われる情報を掲載したカナダのブログ記事(2008年12月25日)を紹介してくださる方がありましたので、日本語にして紹介します。


 ドイツの労働社会省は、”多種化学物質過敏症は身体表現性障害(a somatoform (psychological) )(訳注2)である”と述べていた政府の障害ガイドラインからこの記述を削除する(removes)。

 これは、世界中のMCSの人々にとってすばらしいニュースである。ドイツ政府はこの病気は身体表現性であると述べているMCSガイドラインからこの記述を削除した(has struck out)。このことは、MCSが化学物質傷害(chemical injury)によって引き起こされる身体的疾病としての認定が全世界に広がる非常に重要なステップとして世界中のMCSの人々を勇気づけるものである。

 下記は世界認定キャンペーン(Global Recognition Campaign)のカナダ支部経由で受けたドイツからの電子メールの翻訳である。

MCS患者の皆さんへ、メリークリスマス
シルビア・ミューラがクリスマスイブに書く:

 最高のメッセージがあります。ドイツ政府の疾病所管省は社会労働省(The Ministerium fur Arbeit und Soziales)です。障害(disability)について、・・・医師、法廷、当局によって使用されているガイドラインがいくつかあります。
 私たちの障害ガイドライン(disability guidelines )の中で、MCSは身体的疾病です。私たちはどこにでも行くことができるというわけではないので、それは運動障害(movement disorders)の一部として登録されています。
 このガイドラインの中に、私たちの症状を拒否し、私たちは身体表現性障害(psychosomatic cases)症状であると主張する反対派によって妨害され利用されたひとつの文章がありました。それは、MCSは身体表現性障害(somatoform disorder)であると述べていました。CSN の私の知人の一人が社会労働省に手紙を書き、この不快な文章をガイドラインから削除するよう求めました。
 今、MCSは身体的疾病以外の何者でもありません。私たちにはまた、MCSは身体的疾病であると述べているICD-10もあります。この2つがあれば、もはや誰も私たちを差別することはできません。
 それは勝利です。私たち、化学物質過敏症の人々のためのクリスマスです。私たちはこの情報と政府の手紙をCSの人々へ今日、プレゼントとして差し上げます。私たちはオンライン・パーティーを開始しました。このパーティーの趣旨は、ひとりぼっちの人のことを思い、詩を書き、ユーチューブビデオにリンクを張り、楽しいことを書き、挨拶し・・・。もしあなたが何かを送りたいなら、私は掲載することができ、人々はそれを喜ぶでしょう。
CSNブログへのリンク:
http://www.csn-deutschland.de/blog/2008/12/24/willkommen-zur-csn-christmas-party-2008/

 リー博士(訳注3)やそのほかの誰も懸念すべきではありません。 彼ら(訳注:反対派)は化学物質過敏症を止めることも私たちは気が狂っていると言うこともできません。私たちはそれを、"列車は走り出している"と呼んでいます。
 多くのことが起き、そして世界中の人々の結束は非常に強いのです。医師はますます多くのことを発見しています。そして私たち全ては、そのことについて考えることをやめないでしょう。彼らはもはや、私たちを黙らせることはできないでしょう。

Bonita Poulin
Canadian Coordinator
GLOBAL RECOGNITION CAMPAIGN
Multiple Chemical Sensitivity and other Chemically Induced Illnesses, Diseases and Injury affecting civilians and military personnel

MCS Global


訳注1:アメリカン・クロニクル 2009年1月21日の記事
ドイツ 世界で初めて多種化学物質過敏症(MCS)を身体的疾病として認める

訳注2:身体表現性障害
http://www.oak.dti.ne.jp/~xkana/psycho/clinical/clinical_21/index.html
 上記ウェブによれば、”身体表現性障害とは、痛みや吐き気、痺れなどの自覚的な身体症状があり、日常生活を妨げられているものの、それを説明するような一般の身体疾患、何らかの薬物の影響、他の精神疾患などが認められず、むしろ心理社会的要因によって説明される障害である”。

訳注3:リー博士(Dr.REA)
AEHF(アメリカ環境健康財団)とDr.REAの紹介
 上記ウェブによれば、”Dr.REAはアメリカ.ダラスにECU(環境コントロール施設)のあるクリニックを持ちCS(化学物質過敏症)の診断と診療で国際的に著名です。"Chemical Sensitivity"4巻の著者で世界的に有名な医師です”。



化学物質問題市民研究会
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