EWG プレスリリース 2007年3月5日
缶詰食品中から出生障害に関連する化学物質ビスフェノールAを 安全レベルを超えて検出 プラスチック化合物がスープ、パスタ、赤ちゃん用粉ミルク中で特に高濃度 情報源:EWG Press Release, March 5, 2007 Chemical Linked to Birth Defects Found at Unsafe Levels in Canned Food Plastics Compound Highest in Soup, Pasta, Baby Formula http://www.ewg.org/reports/bisphenola/newsrelease.php 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2007年3月21日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ewg/07_03_05_ewg_BPA_Canned_Food.html 【ワシントン 3月5日】 本日発表されたエンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)の報告書によれば、独立系研究所が実施した食品缶詰のライニングに使用されている化学物質についてのアメリカにおける最も包括的なテストは、スーパーマーケットから購入した缶詰の果物、野菜、ソーダ、及び赤ちゃん用粉ミルクのサンプルの半分以上から出生障害に関連する化学物質を検出した。 A Survey of Bisphenol A in U.S. Canned Foods March 5, 2007 EWGが委託したラボテストは、カリフォルニア州、コネティカット州、ジョージア州の大手スーパーマーケット・チェーンで購入した食品缶詰97個のうち55個からビスフェノールA(BPA)を検出した。同研究所は27の全国的な銘柄と3つのストア・ブランドをテストした。
BPA は、プラスチック及び食品用缶詰のライニングに用いられるエポキシ・レジン中に含まれる化学成分である。低用量の BPA は、動物実験でオスとメスの生殖系の出生障害を含む広範な健康問題を引き起こすことが知られている。人へのリスクの証拠が高まるにもかかわらず、缶詰のライニングに供される BPA の量に制限はない。 今回のテストによれば、ある缶詰食品の1回分の量を食べただけで妊娠女性と幼児は BPA の安全用量を超える暴露を受ける。今回テストされた妊娠可能年齢の女性が最もよく食べる缶詰食品の多くを含む食品中で BPAレベルが最も高かったのは缶詰パスタとスープであった。缶詰の乳幼児用粉ミルクもまた BPA レベルが高かった。これらの BPA レベルの食品は1〜3回の使用で妊婦または幼児に有害 なBPA 用量に達した。 ”BPA のテストは我々の化学物質安全システムが如何にひどく損なわれているかを示す事例研究のようなものである”と EWG の研究担当副代表のジェーン・ハウリハンは述べた。”我々はそれが有害であることを75年間知っていた。それはほとんど全てのアメリカ人の体を汚染しているが、我々は妊婦や幼児の安全にマージンを残さないレベルで食品中に存在することを許している。” 科学者らは BPA をヨーロッパ、北アメリカ、及びアジアの少なくとも2,200人の母乳、血液、唾液、尿、羊水、さい帯血から検出している。疾病予防管理センターの研究者らは最近、約400人のアメリカの成人及び子どもの95%から BPA を検出した。 最近の低用量研究の包括的なレビューは、115の研究中94という圧倒的多数の研究が低用量暴露における BPA の有毒性を確認していることを見出した。そのような低用量で一貫して有害性を示す化学物質は少ない。 |