EWG ブリーフィング・メモ 2005/08/16
テフロン化学物質に関する ペンシルベニア大学研究者の研究結果について ティム・クロップ博士、ジェーン・ホウリハン 情報源:Environmental Working Group Briefing Memorandum on August 16, 2005 Findings by U Penn Researcher on Teflon Chemical Dr. Tim Kropp, Jane Houlihan / Environmental Working Group http://www.ewg.org/issues/pfcs/20050816/index.php Environmental Working Group: http://www.ewg.org/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2005年8月21日 このページへのリンク http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ewg/05_08_ewg_briefing_memorandum.html 昨晩(2005年8月15日)、ペンシルベニア大学のエドワード・エメット博士がオハイオ州ビンセントでの地域集会で新たに完成した378人のオハイオ州住民に関する調査結果を発表した。ビンセントはオハイオ州の東南部にあり、デュポンのパーカースブルグ・ウェストバージニア工場の操業でテフロン化学物質で水道水を汚染されたいくつかの町のひとつである。テフロン化学物質で水道水を汚染された他の地域は、オハイオ州のベルプレ、リトル・ホッキング、カットラー、及びビンセント、ジョージア州のコロンブス、及びミネソタ州のオークデールである。 本日のチャールストン・ガゼット紙(訳注1)で報じられたとおり、調査結果の第一にあげられる点は、C8(PFOA)として知られるテフロン化学物質が子どもたちの体内に蓄積しており、人々の血中の濃度は水道水中の濃度より106倍高いということが判明したので、人々はこのテフロン化学物質によりppbレベルで汚染された水道水は飲まないようにすべきとする点である。この研究調査の著者は特に両親は乳幼児用ミルクを処方する時にはこの汚染した水道水を避けるよう勧告し、彼が見出した子どもたちの血液中でのPFOAレベルは”公衆の健康の観点から全く好ましくない”と述べた。 訳注1 チャールストン・ガゼット紙2005年8月16日報道記事 「PFOA (C8)汚染の飲料水は避けよ」 米研究者が警告 THE CHARLESTON GAZETTE Published: 08/16/2005 / AVOID C8 WATER, RESEARCHER SAYS エメット博士の研究結果は、オハイオ州の住民がテフロン化学物質で汚染された水道水を飲むとPFOAが体内に、特に子どもたちに高いレベルで蓄積することを示した。研究結果の一部は下記の通りである。
この調査研究が、ラボ調査においてはこのテフロン化学物質に関連する最も問題ある影響−がんと発達障害−につていて評価していないということに留意することが重要である。アメリカ環境保護局(EPA)はこれらの点について最も懸念しており、また最近、EPA独立科学委員会はPFOAを”ヒト発がん性であるらしい”とし勧告している(訳注2)。これらの健康影響は、この研究の調査母集団がこれらの影響を見出すためには小さすぎたので、この新たな研究調査ではこれらについて実施していない。 訳注2: テフロン化学物質 PFOA は”ヒト発がん性であるらしい”EPA独立科学委員会がEPAに報告書(当研究会訳) 地域の人々はボトル詰め飲料水を使用するよう勧告したことに加えて、エメット博士は、ウェストバージニア州は同州の議論ある水道水安全基準を再評価するよう勧告した。同州の安全基準はデュポン社と密接に協力して作られたもので、デュポン社の従業員のための当初の水道水安全基準より150倍高いものである(150ppb対デュポン社安全基準1ppb)。 テフロン化学物質PFOAは、EPAの優先安全性検証物質として現在検証されているが、それはPFOAが有毒性と残留性−環境中で決して分解しない−という特性を有するからである。この化学物質はアメリカ国民の90%以上の血液を汚染しているが、それは食品容器、カーペット、家具などの製品にコーティングされている撥水・防汚剤に曝露するためである。 EPAは、デュポン社がオハイオ州の水道水汚染の調査、及び、同社のパーカースブルグ工場の女性従業員に生まれた先天性障害を持った赤ちゃんの臍帯血中にPFOAが存在したことを示す調査を隠したことで訴えている。このペンシルベニア大学の新たな研究調査はこのテフロン化学物質が人々の血液中に懸念あるレベルで蓄積する能力があることを更に確認するものである。 関連ドキュメント:Summary of Community C8 Study (C8調査の要約) |