EHP Focus | News 2015年3月
お下がりの危険:
廃棄された発泡材製品中の難燃剤

ケリン・ベッツ
Kellyn S. Betts writes about environmental contaminants, hazards, and technology
for solving environmental problems for publications including EHP and Environmental Science & Technology.


情報源:Environmental Health Perspectives, Focus | News, 3 March 2015
Hand-Me-Down Hazard: Flame Retardants in Discarded Foam Products
Kellyn S. Betts
http://ehp.niehs.nih.gov/123-A56/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2015年3月17日
最終更新日:2015年4月1日
このページへのリンク
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/research/ehp/15_03_ehp_Hand-Me-Down_Hazard.html

内容
カリフォルニア州の新たな難燃剤表示規則

 2015年1月1日、カリフォルニア州は、ポリウレタンフォームを含むある製品は化学的難燃剤を含むかどうかを明らかにするための表示を義務付けるアメリカで初めての規則を実施した(参照1)。家具産業専門家らは、難燃剤を使用しないソファー、椅子、及びその他の家具類と製品は消費者や大口購入者に評判となることを期待しており(参照2)、またかつてカリフォルニア州の可燃性基準が他の州だけでなく世界のある国々にすら難燃剤の使用を促進したように、SB 1019 として知られる新たな表示規則(参照1)も、州の境界を越えて影響を及ぼすであろうと予測されている(参照3)。伝えられるところによれば、家具メーカの中でもクレート・アンド・バレル、イケア、レイジーボーイは、難燃剤を添加していない家具を提供している、あるいは提供するつもりであるとしている(参照4)。

 この記事についてインタビューを受けた環境化学者、科学者、そして公衆健康専門家らは、新たな表示規則は消費者にとって大躍進であるということに同意している。”消費者は、それらが商品であろうと食品であろうと、あるいはその他の何であろうとも、彼らの製品中に何が含まれているのかを知る権利を常に持っているはずである”と、国立環境健康科学研究所(NIEHS)のディレクター、リンダ・バーンバウムは述べた。

 カリフォルニアの新たな表示規則、及び TB117-2013 として知られるそれを支える更新された可燃性基準(訳注1)は、火災安全を保持しつつ、難燃剤への広範な暴露というアメリカの問題に対するひとつの市場原理に基づく解決をもたらす。これらの新たな規則により、難燃剤を避けたいと望む消費者らはそうすることができるひとつの選択肢を持つことになる。時の経過とともに、この規則はポリウレタンフォーム中で使用されている難燃剤への人の暴露により及ぼされる健康リスクをゆっくりと低減することが期待される(参照5)。

 しかし、その便益は、全ての人々に等しく行きわたらないかもしれない。すなわち、処分された家具やその他の発泡材製品が取り扱われる方法は、恵まれない環境の人々に不釣り合いに難燃剤暴露と健康影響を及ぼすかもしれない。さらに、これらの品目がどの様に扱われるかは、環境に漏れだす難燃剤の量にも影響を与え得る。

 カリフォルニア州水源管理局、有害物質管理局、及びリサイクル機関である CalRecycle の担当者らによれば、現在までのところ、これらの問題に対応する規則や要求はアメリカ全土又はカリフォルニア州にはない。屋外環境での難燃剤の監視又は管理は、調査地域外の多くの人々には及ばないと、バージニア海洋科学研究所の上席環境科学者マーク・ラガーディアは述べている。しかしこの記事についてインタビューを受けた彼と他の人々は、全ての人々に及ぶべきであると主張している。

火災安全の必要性

 ポリウレタンフォームは、クッション機能を必要とする製品にとって魅力あるものにする多くの特性を持っている。それは軽く、穏やかであり、臭いが弱く、カビやその他の一般的なアレルギー 原因物質に耐性があり、容易に成形や切断ができる(参照6)。

 しかし、ポリウレタンフォームは可燃性である(参照7)。ほぼ40年近く、家具製造者らは、カリフォルニアの最初の難燃性基準である TB117 によって求められる裸火テストに通るよう難燃剤をポリウレタンフォームに加えていた(参照8)(訳注2)。1970年から2004年の数十年間に、ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDEs)の商業用混合物であるペンタ BDE 約46,000トンがアメリカとカナダで主に家具用に使用された(参照9)。テストを実施したデューク大学環境分析化学者ヒーサー・スタプレトンによれば、20年以上前の古いソファー中のペンタ BDE 難燃剤は、ソファーからとりだされたサンプルで重量比約4%を占めるほど大量に使用されていた。

カリフォルニア州可燃性基準

 カリフォルニア州の初期の可燃性基準は、発泡材は12秒間裸火に耐えることを求めていた。改訂された基準 TB117-2013 は、家具の要素は更新されたくすぶり火テストを通過することを求めている。このテストでは、火のついたタバコがテストされる材料の表面に置かれる。もし複数のサンプルで1.8インチ以上の黒焦げが起きれば失格である。

 新たな基準の眼目は、内部の発泡材の燃焼を防ぐために外部材質の着火を止めることである。TB117-2013 は化学的難燃剤の使用を禁止していない。しかし、難燃剤はテストに通るために必要ではない。家具張り生地に適切な多くの織物は本質的にくすぶり耐性があるか、又は製造者らは家具張り生地と発泡材との間にくすぶり耐性材を入れることができる。

ペンタ BDE 成分に関連する有害影響についての懸念が高まったので、アメリカでは 2014年に商業用製品の製造は産業界により自主的に廃止され(参照10)、欧州連合では同じ年に禁止された(参照11)。2009年には、アメリカ政府は署名はしたがまだ批准していない残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約により禁止された(参照12)。

 他の発見は、添加された難燃剤は結局想定された安全レベルを満たさないかもしれないことを示している。消費者製品安全委員会による最近のテストは、難燃剤は火災の広がり抑止の能力に一貫性がないことを発見した(参照13参照14)。シカゴトリビューン紙の記者マイケル・ホーソルンの受賞した一連の記事は化学的難燃剤の使用を支持するために用いられた主張のあるものは正当性がなかったことを明らかにした(参照15)(訳注3)。

 TB117 は、クッションは裸火及びくすぶりの両方のテストに耐えることを求めたが、TB117-2013 は更新されたくすぶりテストに耐える家具張り生地の能力に焦点を当てている。製造者らは化学的難燃剤を使用することなくこの新たな基準を満たすことができるが、もし難燃剤が使用されているなら、そのことは製品ラベル上で宣言されなくてはならない(参照1)。

 新たな基準はまた、テストを免除される−言い換えれば難燃性を立証する必要がない子ども用製品の数を増やした。新たな基準の下では、ほろ付き乳母車、補助いす、自動車の座席、おむつ替えパッド、プレー マット、 幼児用高椅子、幼児用高椅子パッド、幼児用の揺れ椅子、マットレス、マットレスパッド、幼児用椅子、幼児用ブランコ、歩行器、授乳パッド、授乳枕、ベビーサークル、遊び場、可搬式フックオンチェア、ベビーカー等は現在テストを免除される(参照16)。このことは、カリフォルニア州内の40の子ども保育施設で最近行われた調査が、ある子どもたちはペンタ BDE およびその他の難燃剤に同州が安全であるとみなす一日当たりの摂取量を越えるレベルで暴露していたことを示したので、有意義である(参照17)。

 時間がたてば、新たな基準がどのように火災発生と生存者数に影響を与えるかがわかるであろう。しかし、住宅の火災の主要原因である喫煙の人気が下がり続けており、また現在は火のついたタバコがもし放置されていれば消えるよう設計されている(参照18参照19参照20)。

難燃剤暴露

 難燃剤を含んだ数億の家具類が現在、アメリカの市場に出ていると、グリーン科学政策研究所のアーレン・ブルムは見積っている。その見積もりには、もっと多くの既に埋立地で処分された数億以上の家具類は含まれていない。ブルムと彼女の組織は、カリフォルニア州の可燃性基準を変えるよう求めるキャンペーンに8年間を費やしているが、一方、難燃剤処理をした発泡材を含む古い家具類を処分する良い方法を見つけるよう議員らを促している。

 難燃剤は化学的に発泡材に結合しているわけではないので、それらは周囲の環境に漏れだすことができる(参照21)。したがって屋内空気と埃は、難燃剤のあるものへの主要な暴露源である(参照22)。米国国家毒性プログラム(NTP)は現在、特定のペンタBDE コンジェナー類の発がん性を評価しており(参照23)、2015年6月までピアレビューが計画されている。アメリカの多くの出生コホート研究が、体内のPBDE汚染負荷が10倍増える毎に知能指数(IQ)が4.5 ポイントから5.5 ポイント減少することを報告したる(参照24参照25参照26)。もっと新しい家具に見出されるその他の難燃剤には、トリス(1,3-ジクロロ-2-プロピル)リン酸塩(TDCPP)があるが、これは、発がん性又は生殖毒性を持つことが知られる物質のためのカリフォルニア州法「プロポジション65」 リストに掲載されている(参照27訳注4)。ファイヤーマスター550 として知られるもう一つの難燃剤混合物は、生体外及び動物研究で、肥満、不安、及び発達障害と関連していた(参照28参照29)、(訳注5)。難燃剤として発泡剤中でいまだに使用されているもうひとつの化学物質[2,2-ビス(クロロメチル)-1,3-プロパンジイル]ビスオキシビスホスホン酸テトラキス(2-クロロエチル)の利用可能な毒性情報はほとんどない。

 これらの難燃剤の要素は、家庭、車、そして赤ちゃん用品から採取した発泡材サンプル中で見いだされている(参照30参照31)。いくつかの研究は、子どもは成人に比べてより大きい暴露をすることを示唆しており、ある研究は子どもの TDCPP の主要な代謝物を母親より5倍近く高いレベルで検出している(参照26参照32参照33)。米国全国健康栄養調査(NHANES)を通じて得られたデータは、ペンタBDE コジェナー類は、事実上全てのアメリカ人の血液中に存在し、成人よりも子どもの方が高いことを示している(参照34参照35)。

 北アメリカ人のペンタBDE コジェナー類のレベルは、ヨーロッパやアジアのレベルより著しく高いが、その理由の多くは、国内市場が製品の TB117 への準拠を求めたので、(難燃剤を大量に含む)そのような製品は本質的には北アメリカでだけ製造され使用されたということによる(参照36)。北アメリカにおけるサンプリング結果は、カリフォルニア州の人々の家庭内及び体内の PBDEs 平均濃度が最も高いことを示唆しているが、このこともまた恐らく同州の可燃性基準の結果であろう(参照37)。

 過去10年間にわたり実施された研究は、社会経済的に恵まれない地域と有色人種は不均衡に屋内で難燃剤に暴露しているかもしれないことを示している。国を代表している NHANES データに基づくこれらの研究は、貧困レベル以下で生活する非白人のカリフォルニア人は、最も高いレベルのペンタBDE コンジェナー類を持っていることを示した(参照37参照38参照39参照40)。もっと最近、アメリカの反対側でそれぞれ行われた研究は、母親の学歴が低く(カリフォルニア州)、社会経済的状態が低い(ノースカロライナ)と、子どもたちのペンタBDE コンジェナー類とその他の難燃剤のレベルが高いという関連性を報告した(参照41参照42)。その他の研究は、カリフォルニアとオハイオの多様な人種構成からなる 6歳〜8歳の少女の PBDEs 体内汚染が低いことと保護者の学歴が高いこととを関連付けた(参照43)。この研究もまた最も高い体内負荷は黒人の少女たちに見出されることを示した。研究者らはまた、低所得者の住宅は、埃の中の難燃剤のレベルが高い傾向があることを見出した(参照44)。低所得層の体内又は家の中のもっと新しい難燃剤のレベルに関しては、ほとんど発表されていない。

 難燃剤暴露におけるこれらの不均衡を説明する信頼性あるデータは存在しないと、ジョージ・ワシントン大学の環境労働衛生学部准教授アミ・ゾータは述べている。低所得層の家でよりしばしば見られる古い又は安い家具中の難燃剤処理された発泡剤の物理的な風化又は劣化が屋内環境により多くの難燃剤を放出するかもしれないという可能性がある(参照45)。家屋の品質、換気量、及び床面積当たりの居住者数もまたある役割をはたしているかもしれないと、ゾータは述べている。

 今日までの研究は、10年前のペンタ BDE の市場からの撤退が、この化学物質の体内負荷を軽減しているというよい影響をを与えていることを示唆している。2011年に発表された 36人のカリフォルニアの妊婦についての研究は、彼女たちのペンタ BDE の脂質中の平均濃度は、それより3年早い時期に同様のグループで測定されたペンタ BDE の平均脂質濃度より 39%低いことを示した(参照5)。両グループとも、主に低所得者層向けの同じクリニックで募集されたが、早い時期のグループのレベルはかつて報告された妊婦の中で最も高いものであったと、研究著者であるゾータは述べている。

 しかし、ある研究者らは、家具及び赤ちゃん用品からの難燃剤の除去に対する市場に基づくアプローチの恩恵が経済的に恵まれない人々に滴り落ちる(trickle down)速度は非常にゆっくりであるとし、彼らの体内汚染の低減はさらに遅れることを懸念している。”難燃剤への暴露を長期的に見れば、収入が少ない人々は新しい家具を買うことも少なく、(難燃剤を含んだ)好ましくない古い家具を使い続ける可能性がある”と、カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学部の環境健康科学者アサ、ブラッドマンは述べている。彼は、これらの全く異なる暴露が、屋外汚染物質、住宅地近くの排水処理施設や埋立地からの汚染物質への暴露、さらには貧困に関連する高いストレスに輪をかけると、指摘する(参照17参照46)。

その他の暴露源

 元ボストン大学公衆衛生学部のコートニー・カリグナンは、エリート体操選手はトレーニング器具を通じて高いレベルの難燃剤に暴露する可能性があること示したあるプロジェクトの主研究者であった(参照61)。例えば、体操選手が練習中に軟着地するのに使う”フォームピット”は、ポリウレタン塊がむき出しに詰められており、布(革)張り家具より速く難燃剤が漏れだすかもしれない。フォームピットを使用しているのは体操選手だけではなく、スキー選手、スノーボード選手、その他の運動選手らもまた、それらを使用していると、カリグナンは述べている。”フォームピットはまた、全米で人気上昇中の多くの屋内トランポリン場でみられるようになった(参照62)。

 難燃剤は多くの理由により体操界における環境正義の問題であるとカリガンは言う。お金がないジムや学校ほど、新たな高価な特別器具を買い替えることは難しく、落下防止のために中古の器具を使用する傾向があると、彼女は説明する。カリンガンは、非営利の”体育専門家難燃剤共同取組み”を設立し、それを通じてウェブサイトとテスト・プログラムを運営し、体操選手とジムの所有者の意識向上を図っている(参照63)。

 バージニア海洋科学研究所のマーク・ラガーディアは最近、4か所の体操スタジオからの空気サンプル分析を終わらせたが、彼はそこで 1996年のオリンピックにまでさかのぼる器具を見つけた(参照64)。彼のテストは、ジムの屋内空気中の難燃剤のレベルは、ジムで働くコーチの家のものより数倍高いことを示した。”スタジオの所有者は、器具が難燃剤を含んでいたことを知らず、おそらく今後何年もの間、それらを取り換えないであろう”とラガーディア述べている。

 発泡材中の難燃剤に不均衡に曝露する可能性のあるその他の人々のグループには、絨毯施工者(参照65)、回収発泡剤を取り扱う人々(参照65)、消防士(燃焼する製品からの煙に暴露)(参照66)、そして廃棄された電子機器を解体し回収する人々(参照67参照68)がいる。


難燃剤処理された製品の処分

 家具産業と製造者の情報によれば、家具類には平均して3代の所有者がおり、それぞれが10〜15年間使用するとブルムは言う。このことは、ペンタBDE とその他の難燃剤を含むソファーは数十年間、使用されるであろうことを示唆している。 カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生部門の環境研究子ども健康センターのディレクターであるブレンダ・エスケナジは、彼女が詰め物入り家具を中古品店に寄付したら将来それはどうなるのかという懸念が彼女を倫理的板挟みに追い込むと述べている。

 ”私は汚染されているソファーにまだ座っている”と彼女は言う。もし彼女が化学的難燃剤を含む完全な良品を(中古品として)寄付したら、”それを使おうとする人は、新しいソファーを買うことができない人ではないか?”と彼女は問う。

 ブルムも同じような懸念を持つ。”この問題に取り組んできた8年の間中、私は、我々がこれらの有毒なソファーの全てをどうしようてしているのかを問うている”と彼女は言う。

 ラガーディアは、ソファーのような大型ごみが自治体により処理される方法は、引き渡すための人々の動機に影響を与えるかもしれないと述べている。”古いソファーを市のゴミ捨て場まで運搬するのに料金を請求する自治体があるが、慈善団体はそれらを無料で引き取り販売する”と彼は言う。埋立地にそれらを運ぶことに関わるコストはまた、人々が古い家具を違法に投棄することを助長する。

   現在、古い家具やその他の詰め物製品の処分のための主な選択肢は埋立である。米・環境保護庁(EPA)によれば(参照47)、アメリカのゴミの50%以上は埋立であり、2012年には推定1億3,500万トンに達するが、これらの場所は既に、アメリカにおける難燃剤のための主要な貯蔵場所となっている。

 カリフォルニア州は、家具の処分を埋立で行うことに何ら制限をしていない。 PBDEs は有害廃棄物であるとみなされていないので、それらが有害廃棄物埋立地で処分されるべき義務はなく、同州有害物質規制局はそれらの処分を監視していないと、同局の報道官ラス・エドモンドソンは述べている。この記事についてインタビューしたカリフォルニア州当局者によれば、難燃剤の存在について埋立地から放出される空気や水をテストする要求もない。

漏れだす難燃剤

 埋立関連の有毒曝露が、どの程度人々に有害な健康影響を及ぼしているのかについてはわかっていない(参照48)。しかし、難燃剤が確かに埋立地から漏れだしている証拠がある。ヨーロッパでは、埋立地の近くの大気中で、高いレベルの難燃剤やその他の残留性化合物が測定され(参照49)、ニカラグアでは埋立地の近くに住み、埋立地で働く人々に関する調査が、 PBDEs への非常に高い暴露を示している(参照50)。ある調査はまた、ペンタ BDE のコンジナー(同属体)は、漏出液を通じて埋立地から漏れ出すことができることを示している(参照51)。

 インディアナ大学公衆環境校の研究者らにより五大湖周辺の遠隔地から採取された大気サンプル中で、ペンタBDE のコンジナーのレベルを高めていると疑われている発生源は、埋立地である(参照52)。シカゴ及びクリーブランド周辺の難燃剤のレベルは、遠隔地の濃度が増大しているように見えた期間中、低下した。インディアナ大学の研究チームリーダー、ロン・ハイテスは濃度が本当に増大しているのかどうか確認するために、彼のグループはもっと多くのデータを必要としていることを強調している。もしこの傾向が確認されれば、埋立地は調査に値する潜在的な暴露源であろうと、彼は述べている。

 TDCPP 及びファイヤーマスター550のある成分のようなポリウレタンフォームに使用されている他の難燃剤は、これらが代替した(参照30)、ペンタBDE より揮発性が高いので、埋立地からもっと多く移動するかもしれないと、チューリッヒ工科大学のマーティン・シェリンガーは述べている。TDCPP はまた、ペンタ BDE の主要な成分である BDE-47 より少なくとも 1,000 倍、水溶性が高い(参照27参照53)。

 これら全ての分野でもっと多くの研究が必要であることに、この記事についてインタビューを受けた研究者らは同意している。バージニア海洋科学研究所のロブ・ヘイルは、ポリウレタンを含んで異なるポリマーからの難燃剤が水に溶けだすかもしれない条件を調査するために、EPA 及び米国海洋大気庁から資金を受けている。これは埋立地の内側で何が起きているのかについての洞察を提供するかもしれないと、彼は述べている。

 数十年にわたる監視は、PBDEs と似た化学的特性を持つ農薬 DDT やポリ塩化ビフェニル類のような化合物は、たとえそれらの高い分子量が仮説上はそれらの移動を制限し、静止させようとしても、動き回り、時には長距離を移動することができることを示していると、シェリンガーは述べている(参照54参照55参照56)。このことは、埋立地に加えられたペンタBDE とその他の難燃剤のうちある割合が漏れ出すであろうと彼は言う。たとえそれはわずかでも、使用されたこれらの化学物質の総量を考えれば、遊離する総計は相当な量かもしれないということに、シェリンガーと、スウェーデン毒性学科学研究センター及びストックホルム大学のアケ・バーグマンは同意する。埋立地の近く又は風下に住んでいる人々の潜在的なもう一つの暴露経路は、家庭で育てられる食物を摂取することによる暴露である。

 ポリウレタンフォームを含む製品の不適切な処分は、難燃剤が環境中に放出されるもうひとつの経路となる。廃棄された家具の一部は、地域の環境への難燃剤のかなりの放出源かもしれないとヘイルは言う。”もし、それが捨てられ、フォーム(発泡剤)が分解し、難燃剤を含んでいれば、それが局地的に放出される可能性ははかり知れない”と、彼は言う。”もしそれがまだ使える良い状態であり、すぐに、数日以内に誰かが拾えば大きな暴露源とはならないであろう”。

 バーグマンは、難燃剤と他の化学物質が大気中及び水中に放出される程度を確かめるために埋立地を監視することに賛成であると強く主張している。しかし、彼は埋立地からの放出のレベルは、家具内で使用されている難燃剤の屋内放出レベルよりはるかに低く(参照9)、したがって直接的な健康への脅威も小さいらしいことを認めている。

消費者のための他の選択肢

 比較的新しい選択肢が、表示のない家具やその他の発泡剤製品中の難燃剤の存在に懸念する人々に利用可能である。第一にデューク大学の無料発泡剤テストサービスを通じて、誰でも自分の家具を”生体検査”し、それが何を含んでいるのか知ることができる(参照59)。それにより、各人はその家具を保持するか廃棄するかを決めることができる。

 グリーン科学政策研究所は、サンフランシスコ湾地域で第二の選択肢を立ち上げた。2014年に同研究所は、Safer Sofa Foam Exchange(より安全なソファー発泡剤交換)として知られるパイロット・プログラムを開始したが、このプログラムで、消費者は古い家具の発泡剤を難燃剤を含まない新しい発泡材と交換することができる。ブルムは、現在までに交換された古いクッションは、発泡材の責任ある処分に関する研究プロジェクトのための倉庫に保管されていると、述べている。

 交換の費用は、クッション当たり、推定45〜95ドルである(参照60)。”それは、ペンタ BDE がもたらす子どもの知能指数低下、がん、不妊、そして免疫障害による潜在的な健康コストに比べれば非常にわずかな額である。しかし、健康コストは数式で表すことはできない”とブルムは述べている。彼女は、そのような発泡材交換サービスを低所得者コミュニティに安いコストで提供する戦略を開発するために助成金を申請している。しかしこのプログラムを中古家具を売る店に広げることは、”非常に複雑な結果”となるとブルムは述べ、彼女のその地域での取り組みは難しい状況に追い込まれている。


解決に向けて

 アメリカ国立科学財団(NSF)は、発泡剤及びプラスチック中の難燃剤の処分及び分解の方法を特定することを目指して今年後半に開催が予定されているあるワークショップに補助金を出す。カリフォルニア大学バークレー校と、近くにある科学と政策のための組織であるグリーン科学政策研究所は現在、このイベントを計画中であるが、そのワークショップは、そのような手法を開発した、又は開発中の科学者、規制官、及び会社を含むであろう。

 現時点において既に知られている選択肢は多くは存在しないと、このワークショップの計画を支援しているローレンス・バークレー国立研究所のドン・ルーカスは述べている。彼は、焼却又は他の熱技術に基づく技術が最善の代替であること証明するかもしれないが、望まぬ副産物を回避するよう注意深く管理されなくてはならないと、述べている。バーグマンは、焼却は彼の母国スウェーデンでもヨーロパのどこでも自治体個体廃棄物を管理するのに広く使用されているということを指摘している。

 もちろん現状は、ほとんどのアメリカ人の家、車、そして職場は、難燃剤を複雑な混合物としてまだ、含んでいる。しかし、頻繁に手を洗うことがペンタ BaDE コンジナーとその他の難燃剤への人の暴露を削減するかもしれないことを研究が示している(参照32参照57)。

   シンシナティ大学医学環境健康カレッジの疫学者アイミン・チェンは、将来の母親及びその他の懸念する個人は、暴露を低減するために、 HEPA フィルターで吸着し、家具の埃を湿った布でふき取ることを示唆している。非営利団体であるエンバイロンメンタル・ワーキング・グループは、型崩れし、壊れた発泡剤製品は取り換えること、それらにカバーをかけて手を触れないこと、そして保護布中に完全に包まれていない古い発泡材製品は避けること等の更なる推奨を示すガイドを開発した(参照58)。

 これらの戦略の全てが難燃剤への暴露を低減するのに決定的に役立つことを示しているわけではない。しかし、たとえそうであっても、捨てられる洗浄水、真空バッグ、そして雑巾はやはり、ペンタ BaDE や他の難燃剤を家庭から廃棄物処理系へ、そして最終的には環境に放出するであろう。バーンバウム、ブルム、そしてこの特集記事のためにインタビューを受けた多くの人々は、人の暴露の可能性がある家具やその他の用途において、より安全な化学物質の使用を目指すよう製造者らを促している。


参照

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訳注1
米国カリフォルニア州、柔らかいマットレス家具の可燃性新基準TB 117-2013 を正式に発布 (2013 年11 月21 日)/島津(広州)検測技術有限公司ウェブ

訳注2
Chicago Tribune Watchdog 2012年5月6日 難燃処理発泡材はなんら火災安全の便益をもたらさない

訳注3
Chicago Tribune 2013年3月5日トリビューンによる炎の連載記事がゴールドスミス賞を獲得

訳注4
Chicago Tribune 2012年12月6日 カリフォルニアの小売業者 難燃剤の有害性を警告していないことについて告訴される

訳注5
EHP 科学セレクション 2014年11月 脂肪がもっと付き、骨はもっと弱くなるか? 難燃剤はダブルパンチを加えるかもしれないる



化学物質問題市民研究会
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