レイト・レッスンズ 14の事例から学ぶ予防原則 欧州環境庁 編

レイト・レッスンズ
14の事例から学ぶ予防原則

European Environment Agency
Late lessons from early warnings: the precautionary principle 1896-2000
http://www.eea.europa.eu/publications/environmental_issue_report_2001_22

欧州環境庁 編
松崎早苗 監訳
水野玲子・安間武・山室真澄 訳
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/publish/late_lessons.html

定価 2800円+税
A5版 並製 376頁
ISBN ISBN4-8228-0508-5
発行:七つ森書館
2005年9月
〒 113-0033 東京都文京区本郷 3-13-3 三富ビル
Tel 03-3818-9311 Fax 03-3818-9312
e-mail:nanatsumori_mail@pen.co.jp
ウェブ http://www.pen.co.jp/

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【目次】

まえがき
謝辞

第1章■序
早期警告からの遅ればせの教訓:歴史から学ぶ取組み/予防原則とは何か/早い段階での予防原則の適用:ロンドン、1854/災害を見越す:科学と公共政策の統合/参照

第2章■漁業:資源の評価
早期警告/19世紀の英国における漁業/1920年代から1942年のカリフォルニア産イワシ漁/ニューファンドランドのタラ/予防が明示的になる/生態系からのアプローチ/遅ればせの教訓/参照

第3章■放射線:早期警告・遅れて出る影響
X線/放射能と放射性物質/被曝管理に向けての初期の動き/戦後の転回:線量の正当化、最適化、限度設定/結論/参照

第4章■ベンゼン:米国と欧州の労働規準設定についての歴史的考察
早期警告/行動を起こすことと起こさないこと/考察/結論と将来のための教訓/参照

第5章■アスベスト:魔法の鉱物から悪魔の鉱物へ
はじめに/最初のアスベストの“早期警告”と反応/アスベストがんについての早期警告/中皮腫についての痛烈な早期警告/規制当局などが実施したこととしなかったこと/措置をとった場合ととらない場合の損失と利益/アスベストの教訓は何か?/参照

第6章■PCBと予防原則
はじめに/残留性、環境中の存在、および毒性の証拠が増加する/1970年代における工業界と政府のとった措置/科学的理解がより詳細になる/1980年代と1990年代における政府の行動/環境からの曝露経路/最近のPCB事故/結論/参照

第7章■ハロカーボン、オゾン層、予防原則
概観/初期の歴史/1930年代――CFC工業の誕生/1970年代――疑問のたね/モントリオール議定書とオゾンホール/遅ればせの教訓/参照

第8章■DES物語:出生前曝露の長期的影響
はじめに/はじめは楽観論/悲劇的な結果/DESに流産防止効果はなかった/被害の範囲を評価する/DES物語からの教訓/参照

第9章■成長促進剤としての抗生物質:常識への抵抗
はじめに/最初の早期警告/その後の行動、あるいは、行動しなかったこと/成長促進剤使用の利点と欠点/結論と将来のための教訓/参照

第10章■二酸化硫黄:ヒトの肺の保護から遠い湖の回復まで
魚は死に森は枯れた/1985年のCLRTAP議定書とさらなる前進/遅ればせの教訓/参照

第11章■鉛の代替としてガソリンに入れられたMTBE
はじめに/ガソリン中の鉛/MTBEの事例/MTBEの利点/MTBEの悪影響/反応/現在の傾向/予防原則に関連する考察/結論/参照

第12章■予防原則と五大湖の化学汚染に関する早期警告
最初の重要な早期警告/その後とられた行動ととられなかった行動の時期とその内容/公共機関による対応の結果/費用と便益/結論と未来のための教訓/参照

第13章■トリブチルスズ(TBT)防汚剤:船、巻貝、そしてインポセックスの物語
はじめに/TBT問題の出現/アルカション湾/英国の湾と海岸水域/地球規模の汚染/小型船に対する規制の有効性/海上船舶の重大さ/全地球規模の使用停止に向けての進展/代替品についての問題/TBT物語から引き出される遅ればせの教訓/結論:予防か、それとも、後追いの行動か?/参照

第14章■成長促進剤としてのホルモン:予防原則かそれとも政治的リスクアセスメントか?
はじめに/エストロゲン様物質の野生生物への悪影響/エストロゲン様成長促進剤使用によるヒト健康への影響の不確実性は何だったか/欧州委員会により適用された方法は正しいと証明されたのか/全般的結論/参照

第15章■「狂牛病」1980年代から2000年にかけて:安全の強調がいかに予防を妨げたか
はじめに/新たな畜牛の病気/当初の決定/専門家の助言と法的規則/砂上の楼閣/MAFF政策の失敗と最終的な破綻/結論/参照

第16章■事例から学ぶ12の遅ればせの教訓
はじめに/12の遅ればせの教訓
  1. 不確実性のみならず、無知にも配慮すること
  2. “早期警告”のための研究と観測・追跡
  3. 学的知識にある「盲点」と欠落を見つけ出して指摘する
  4. 異なる分野間で学び合うための障害を特定し、減らす
  5. 現実の世界の状況が完全に考慮されることを保証する
  6. 主張されている“是”と“非”の内容を系統的に検証し正当性を判断する  
  7. 代替案を吟味し、堅実で、多様性があって適用可能な解を推進する 
  8. 関係する全分野の専門家のみならず、“普通の人”と地域の知識をも用いる
  9. より広い社会的利益と社会的価値を考慮する
  10. 経済的政治的利益から規制の独立を保つ
  11. 調査と行動に対する制度的障害を特定し、減らす
  12. 分析による麻痺に陥らないようにする
予防のもつより広い意味/参照

第17章■結論
早期警告からの遅ればせの教訓

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