欧州環境庁(EEA)2013年1月 レイト・レッスンズ II
8. 塩化ビニル:秘密の出来事 (概要編)
Morando Soffritti, Jennifer Beth Sass, Barry Castleman and David Gee
情報源:European Environment Agency
EEA Report No 1/2013 Part A Summary
8 Vinyl chloride: a saga of secrecy
Morando Soffritti, Jennifer Beth Sass, Barry Castleman and David Gee
http://www.eea.europa.eu/publications/late-lessons-2/late-lessons-chapters/late-lessons-ii-chapter-8

紹介:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico
掲載日:2013年2月21日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/precautionary/LL_II/08_Vinyl_chloride__summary.html


 本章は、作業者の皮膚及び骨、及び実験動物の肝臓への塩化ビニル(VC)の短期的有害性に関する1950年代と1960年代の早期の警告が、当初、他の作業者と規制者にどのように隠されたかに関するものである。これは、その助言が当初雇用主により無視された会社の専門家の初期のある不安があったにもかかわらずのことであった。このパターンは後に作業者のまれな肝臓がんというもっと壊滅的なニュースが長期的動物研究及び注意深く関心を持つ会社の医師らによって明らかにされるまで繰り返された。

 しかし、他の多くの歴史とは異なり、この物語は肝臓がんの証拠の発表に対する化学産業の非常に迅速な対応と、がんのテストへの資金提供及びその後の許容曝露限界の大幅な削減への遵守を含む対応を特徴としている。このケースはまた塩化ビニルモノマー(VCM)の生殖影響の早期の証拠を提供している。

 この物語の他の特徴は、より厳格な汚染基準を遵守するための予想コストの著しく誇張された見積り;商工会と多くのもっと進歩的な会員会社との間のしばしばある不適合;しかし公衆、NGO、及び規制の圧力に対する比較的迅速な会社の対応を含んで、公衆の高まる意識と非政府組織(NGOs)及び労働組合からの圧力に対する、そ後の、そして企業社会の共通の対応の前兆にある。

 本章はまた、法的な側面を特徴としている。それはアメリカではもっと一般的であるがヨーロッパには貴重である。第一は、規制的提案の司法のレビューは会社の行動について社会的判断を提供することができるという潜在的に積極的な役割である。これは単に倫理的判断だけでなく、科学の状態と社会がそれで何をすべきかについての判断である。

 第二は、法的補償裁判に置ける文書の発見が、それまで秘密であった会社の真実の行動を明らかにすることができるという役割である。間違いのない管理的手はずを通じての環境と健康の危害の被害者のための正義を促進するためのどのような提案も、会社の行動についての情報を抽出するための他の措置を伴う必要がある。

 本章の後に、発がん性を特定するための動物テストの価値についてのパネルの分析がある。



化学物質問題市民研究会
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