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英国環境庁 2008年5月19日
非固定カーボン・ナノチューブを
含む廃棄物に関する暫定勧告


情報源:ENVIRONMENT AGENCY INTERIM ADVICE
on Wastes containing unbound Carbon Nanotubes - 19 May 2008
https://nanotech.law.asu.edu/Documents/2009/08/nano-waste_199_5154.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年6月20日
この頁へのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/uk/UK_EA__CNT_Wastes.html


 この説明書の目的は非固定(すなわち基盤に固定されておらず吸入が可能)カーボン・ナノチューブ(CNT)を含む又は構成する廃棄物の分類と取り扱いについて周知を喚起することである。それは特にカーボン・ナノチューブの製造又は使用に関わる人々又は生成される廃棄物の管理に関わる人々に関連する。

重要な点

 カーボン・ナノチューブ(CNT)はナノ粒子のひとつの特定なタイプである。現在、一般的にナノ粒子の、特にCNTのヒトへの健康影響及び環境へのインパクトに関する情報は限られている。CNTを含む廃棄物が発生する場所では、その廃棄物の生成者又は保有者はこの廃棄物を正しく分類し正しく管理されることを確実にする義務がある。廃棄物表では、カーボン・ナノチューブの適切な分類は、有害物質を含む無機廃棄物 16 03 03 (有害分類)、又は 16 03 03 以外の無機廃棄物 16 03 04 (非有害分類)である。入手可能な情報に基づけば、カーボン・ナノチューブを含む廃棄物は、刺激性 (H4)1又は有毒性 (H6)2 又は発がん性 (H7)3のいづれかの特性を示すかもしれない。したがって我々は、予防的アプローチが取られ、CNが非固定なCN廃棄物は廃棄物リストの有害物質を含む無機廃棄物 16 03 03*として有害廃棄物に分類されるべきであると考える。もしこの物質が本質的にアスベストと同様な病理学的特性を示すなら、0.1%(重量/重量)の閾値が適切であると思われる。我々はレビューにおいてこの立場を維持するであろう。このことは人々と環境のための高いレベルの保護を確実にするためになされた。

処分方法

 入手可能な情報から、廃棄物は、物質を有毒にしているナノ次元の構造を破壊するような方法として少なくとも2秒間850℃以上の高温に曝して焼却するか又は化学的に処理することで安全にすることができる。現在の知見に基づけば、我々は有害廃棄物焼却炉における高温焼却が推奨される処分方法であると考えるが、もちろん他の技術もこの廃棄物を安全に処理できることが示されるなら適切であろう。我々は廃棄物生成者は廃棄物を送り込む前に高温焼却炉の運転担当に連絡を取ることを提案する。

脚注
1 http://www.cheaptubesinc.com/cntmaterialsafetydatasheet.htm
2 http://toxsci.oxfordjournals.org/cgi/reprint/kfg243v1.pdf
3 http://www.advisorybodies.doh.gov.uk/pdfs/mut0515.pdf


訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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