Bergeson & Campbell, P.C., 2015年3月4日
カナダ DSL 上のナノスケール物質に対応するために
提案されたアプローチに対するコメントを求める

リン・バーガソン

情報源:Bergeson & Campbell, P.C., March 4, 2015
Canada Seeks Comment on Proposed Approach to Address Nanoscale Substances on the DSL
by Lynn L. Bergeson
http://nanotech.lawbc.com/2015/03/articles/legalregulatory-issues/
canada-seeks-comment-on-proposed-approach-to-address-nanoscale-substances-on-the-dsl/


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2015年3月12日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/
150304_BC_Canada_proposed_approach_to_naano_substances_on_DSL.html


 カナダ環境省とカナダ保健省は、『国内物質リスト(DSL) 上のナノスケール形状物質に対応するために提案されたアプローチ』と題する2015年2月付けパブリックコメント用文書を発表した。

 カナダ環境省とカナダ保健省は、国内物質リスト(DSL)(訳注1) 上のナノスケール形状物質に対応するために段階的なアプローチを提案している。
  1. カナダにおける既存ナノ物質リストの確立。
  2. 実施のための既存ナノ物質の優先順位づけ。
  3. 今後の作業のために特定された物質への行動。
 既存ナノ物質を定義するための提案される基準は下記を含むが、これに限定されない。
  • その物質は、すでに DSL にリストされているバルク物質と全く同一の化学的成分を持ち;かつ、
  • その物質は、年間100kg以上の量がカナダで上市されており;かつ、
  • その物質は、少なくともひとつの外部次元がナノスケール又はそれ以内であるか、又はナノスケールの内部構造又は表面構造を持っているか;又は、
  • その物質は、全ての次元がナノスケールより小さいか又は大きく、かつひとつ又はそれ以上のナノスケール特性/現象を示す。
 もし、それらがひとつ又はそれ以上のナノスケール特性/現象を示すよう意図的に製造されていないなら、除外されるべき物質のための提案される基準は下記を含むが、これに限定されない。
  • ポリマー
  • 有機又は有機金属系の顔料及び染料
  • 自然発生又は付随的に製造されるナノ物質
  • デオキシリボ核酸(DNA)、リボ核酸、タンパク質、ペプチド、リポソーム、抗体、ウィルス又はウィルス様粒子、オルガネラ(細胞小器官)、又は生物学的物質
 利害関係者への質問は下記を含む。

 既存のナノ物質のリスト
  • この文書の Appendix A に示されるナノ物質のリストは、カナダにおける既存ナノ物質の適切な予備的参照リストか?
  • 既存のナノ物質を特定するためにどのような追加的基準が考え得るか?
  • もっと包括的なリストを開発するための、又はカナダで上市されている既存ナノ物質に関する情報を確認するための情報を収集するために、どのような方法が使用され得るか?
  • カナダにおける既存ナノ物質の商業状況を調べるために、どのような他の情報源が利用可能か?
  • カナダにおける既存ナノ物質に関する情報を入手する/提供することに対してどのような障害があるか?
 ナノ物質の優先付け
  • カナダ環境省とカナダ保健省は、ナノ物質を優先付ける時に、どのような要素を考慮すべきか?
  • カナダ環境省とカナダ保健省は、ナノ物質を優先付ける時に、どのような結果を考慮すべきか?
 コメントの締め切りは、パブリックコメント用文書がカナダ環境保護法(CEPA)環境登録(訳注:CEPA Environmental Registry)に掲載されてから60日後である。2015年6月には、カナダ環境省とカナダ保健省は、情報収集調査を実施したのち、提案されるアプローチと情報収集調査について討論する利害関係者ワークショップを開催する予定である。


訳注1:関連情報


化学物質問題市民研究会
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