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2012年6月30日 INC4本会議 IPENの発言
「供給と貿易」
ユーユン・イスマワティ(BaliFokus/インドネシア)
日本語版pdf

オリジナル:IPEN intervention on Supply and Trade
Yuyun Ismawati, BaliFokus, Indonesia
http://ipen.org/hgfree/wp-content/uploads/2012/06/
Final-IPEN-Supply-and-Trade-intervention-new.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年7月16日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC4_NGO_Intervention/IPEN/
Supply_and_Trades_jp.html


議長、ありがとうございます。

 水銀の供給と貿易は、選択肢の中で、健康、社会、経済、及び環境を考慮すべきです。さらに、私達は、国際貿易は、多くの国が監視することはできないと述べている違法な貿易を重大な要素として含んでいます。

 私達は、水銀の供給と貿易には検討すべき主要な6点があると考えます。
  1. 一次水銀採鉱はキッパリと禁止されるべきであり、条約の下に許容用途の免除が与えられるべきではありません。禁止期日は条約への署名日とすべきです。

  2. 報告は、付属書Aで述べられているように、水銀供給源の特定;これらの供給源からの水銀の販売、流通、及び使用のを禁止;及び輸出の禁止を含むべきです。

  3. 国家規制当局が指名され、水銀の輸出入に関する管理システムが確立されるべきであり、後発開発途上国及び小島嶼開発途上国のために財政支援による促進が必要かもしれません。

  4. 認可システムが水銀の貿易を規制すべきであり、条約は取引量と取引先を含む年次報告書を事務局に提出することを求めるべきです。

  5. 水銀供給と貿易の重要な関係者に関して、我々はフィリピンの立場を支持したいと思います。水銀貿易業者、仲介業者、そして水銀を含有する製品又は廃棄物を回収又はリサイクルする会社は、締約国により規制されるべきです。事務局により維持され、公に入手可能な登録システムが確立されるべきです。私達がこの提案をする理由は、IPENにより実施された調査によれば、金の買取人は水銀の供給者でもあるので、貧しい地域社会の採鉱者らは金抽出技術について多くの選択肢を与えられていないからです。

  6. ASGM 用途の水銀の輸入又は輸出は禁止されるべきです。もしこの有害物質貿易が許されるなら、それはその国にとって極めて高くつくことになるでしょう。コストには、採鉱者、彼らの家族、地域社会の人々の水銀中毒治療のためヘルスケアの出費;漁業への経済的損失;子どもの知能損傷の経済的コスト;そして新たな汚染サイトの莫大な浄化のためのコストが含まれます。ある人々は、ASGMの水銀貿易を禁止すると不法貿易が増大するといいます。このことは、全く正しくありません。ASGM で使用されている水銀の90%以上は既に不法に取引されているのです。このことから、ASGM 用途の水銀の輸入又は輸出を禁止することは、単純に人の健康と環境への巨大な損害を防止することになるのです。
 水銀の有害貿易の推進者によりなされるひとつの最終的な主張は、数百万の貧困な人々がASGMで生計をたて、そこで用いられる水銀に依存しているのだから、彼等が被害を受けるということです。これは間違った選択です。それは水銀は既に国の中に不法に入り込んでおり、ASGMに新たに必要はないからです。条約は、強固で、適切で、手ごろな価格の水銀を使用しない技術を促進し、採鉱者の生計と彼等の生活の質を改善できるようにするために、彼等がそれらを入手できるようにすべきです。

 最後に、我々はもっと危険をもたらす水銀の有害貿易のために不必要な免除を作り出してはなりません。もし、私達がこの条約を水俣条約と呼びたいのなら、新たな水俣を作り出すようなアプローチを支持することはできません。

議長、ありがとうございました。



化学物質問題市民研究会
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