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2012年6月30日 INC4本会議 IPEN 共同発言
IPEN、カリフォルニア・インディアン環境連合(CIEA)、
島持続可能連合/クック諸島(ISACI)、生物多様性研究所
「健康面」に関する共同発言
アンジェラ・ベリーフィリップ(CIEA、アメリカ)
日本語pdf版

オリジナル:INTERVENTION ON ARTICLE 20BIS HEALTH ASPECTSON BEHALF OF IPEN,CALIFORNIA INDIAN ENVIRONMENTAL ALLIANCE AND ISLAND SUSTAINABILITY ALLIANCE CIS INC
Angela Berry-Philip, CIEA, U.S.
http://ipen.org/hgfree/wp-content/uploads/2012/06/
FINAL-INTERVENTION-ON-ARTICLE-20BIS-HEALTH-ASPECTS-BRI-CIEA-IPEN-ISACI.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2012年7月16日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC4_NGO_Intervention/IPEN/
Health_Aspects_Joint_Intervention_jp.html


議長、ありがとうございます。

 私達は、第20条bisの採用を支持し、WHO、ILO、及び水銀条約締約国の協力が水銀の有害健康影響からのリスクが最も高い人々を守るために相乗効果を作り出すと信じています。現在、私達は食物、文化的な実施、職業及び汚染サイトを通じて曝露しています。

 人間の一般的な消費のための漁獲量の約92%は海洋魚であるといわれています(UNDP et al 2003)。先住民のように漁業を生計にしている人々は、魚やその他の食物、特に海洋生態系に含まれるメチル水銀により、不均衡に影響を受けています。

 水銀の危害からのリスクが最もある人々を記述するときに用いられる二つの用語があります。”リスクのある集団”と”脆弱な集団”です。

  1. ”リスクのある集団”は非常に狭い定義であり、複合及び慢性曝露と同じように、危害の認識の変化を考慮していません。したがって、”リスクのある集団”に焦点を当てる予防的措置、教育、意識向上のような活動は、感受性の高い集団のための保護を除外するでしょう。
  2. 一方、”脆弱な集団”という用語は、人の健康を水銀の危害から守るという条約の目的をより良く反映するもっと広くもっと包含的な用語です。
 先住民は不均衡な影響を経験しており、他の国連規範及び基準の中で異なる人々として認識されています。したがって、私達はどのような脆弱な集団への参照の後にも必ず”先住民”を含めます。例えば、第20条bisの(a)項で、”最も脆弱な集団及び先住民に焦点を当てつつ、リスク管理計画を伴う健康調査を促進すること”とするよう提案します。

 条約の目的を満たすために、私達はまた、魚のような生物相を検証し、水銀濃度を監視しなくてはなりません。これは水銀堆積と魚の水銀濃度の間に単純な直接的関連性がないからです。したがって、これらの資源に依存している漁業者と先住民は、バイオモニタリング・システムの利用と確立に関与させられるべきです。

 さらに、水銀からの危害の新たな科学的理解がバイオモニタリング評価(assessments)と効果的な評価(evaluations)に導入されるべきです。このことは最近、鉛曝露の制限をもっと保護強化するものにしています。水銀についても新たな情報が出現しているので、政府が集団を危害から守ることができるよう同じことがなされるべきです。

 新たな科学的技術の例として、バイオモニタリングは水銀同位元素を識別して水銀汚染源を特定し追跡するのに役立てることができます。このコスト効果のあるアプローチは、汚染源に近くても遠くても特定のサイトの水銀汚染の発生源を決定するのに役立てることができます。これらの関連を理解することは、特に生物学的水銀ホットスポットのような人と環境健康について特別の懸念ある領域を改善するのに特に役立つでしょう。

 結論として、条約は脆弱な集団を特定し、特に先住民について言及し、バイオモニタリングの協力と関与を促進し、戦略が機能していることを確認し、条約実施の効果を挙げるための経験を広く共有するための戦略を策定し実施すべきです。

どうぞ検討をよろしくお願いいたします。


原注:この発言は、米メイン州に拠点を置く生物多様性研究所の代表で主席科学者デービッド・エバーズ博士が行なうことになっていたが、残念ながら彼は第20条bisの議論が行なわれる前に離れなくてはならなかった。



化学物質問題市民研究会
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