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2011年1月 INC2本会議 ZMWGの発言
「第8条 水銀が使用される製造プロセス」

レイチェル・カマンデ(Rachel Kamande from European Environmental Bureau)

オリジナル:Zero Mercury Working Group Article 8 Intervention
Rachel Kamande (European Environmental Bureau in Belgium)
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/
Intervention%20Article%208%20by%20ZMWG%20-%20%20FINAL.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年5月18日
このページへのリンク:
"http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/
INC2_NGO_Intervention_jp/ZMWG/Art_8_Rachel_Kamande.html


 議長、ありがとうございます。
 私は、欧州環境事務局(European Environmental Bureau) のレイチェル・カマンデです。
 ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループとして発言します。

  1. ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループは、第8章が水銀使用の塩素アルカリ製造と塩化ビニル・モノマー(VCM)製造の廃止を適切に目指していると信じます。これら二つの製造プロセスにおける年間の水銀消費量は全体で1,000トン以上になるので、条約の下で優先的に注意が払われることは正当です。

  2. 私たちは、塩素アルカリ製造の定義が、水銀電極プロセスを使用して製造されるナトリウム・メチレートがこの定義で対象となるということを明確にする必要があると信じます。十分に開発された多くの非水銀代替プロセスが利用可能なのだから、このような水銀電極使用もまた廃止されるべきです。

  3. 私たちはまた、VCMのための水銀を使用しない触媒を見つけることが世界の需要削減戦略の中で高い優先度が与えられなくてはならず、また条約は、非水銀代替の開発と設置における法的な遅延に対応するための免除プロセスのある廃止義務を通じて、この技術を前に進めさせるよう設計されなくてはなりません。私たちは、水銀を使用しない触媒は2011年中頃に中国のPVCプラントでパイロット・テストが行なわれることについて関心をもっています。もし、そのパイロット・テストが成功すれば、商業規模の実証テストが2012年までに予測されます。これらのテストが成功するよう希望を持ちましょう。
  4. 私たちは、第8章と Annex D の修正を強化することを提案します。
    • 第8条で求められる世界の水銀需要削減が非締約国からの水銀需要増大によって損なわれないようにするために、プロセスで水銀を使用する機器を締約国が非締約国に輸出することは禁止されなくてはなりません。
  5. 最後に、ANNEX D の禁止プロセスのリストにポリウレタン・エラストマー製造及びその他の触媒ベースのプロセスを加えることを私たちは支持します。欧州委員会に報告したコンサルタントは最近、ポリウレタン製品を作るために年間100トン以上の水銀を消費していると見積もっています。触媒のほとんどは、学校の体育館の床や海底用途のような最終製品中に出てきます。EUコンサルタントは、非水銀代替がプラスチック可塑剤の95%以上に利用できると報告しています。したがって、この水銀使用は可能な限り早急に廃止されるべきであり、したがって Annex D に含まれなくてはなリません。
ご検討くださるようお願い申し上げます。

訳注:参考情報
ZMWG 2011年1月 INC2 ドラフト・エレメント・ペーパーに対するゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)の意見と勧告


化学物質問題市民研究会
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