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2011年1月 INC2本会議 ZMWGの発言
「第5条 水銀または水銀化合物の締約国との国際的な貿易」

デービッド・レンネット(David Lennett, NRDC in the USA)

オリジナル:Zero Mercury Working Group Article 5 Intervention
David Lennett (NRDC in the USA)
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/Intervention
%20Article%205%20by%20ZMWG%20-%20Final.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年5月4日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC2_NGO_Intervention_jp/
ZMWG/Art_5_David_Lennett.html


 議長、ありがとうございます。
 私は、アメリカの NRDC のデービッド・レンネットです。
 ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループとして発言します。

  1. 第5条は、経済的に金属水銀として回収できる水銀と水銀化合物を、締約国はどのような状況の下なら貿易をしてもよいのかについて規定しています。したがって、本条(第5条)と非締約国のための第6条は世界の水銀供給削減措置の要であり、条約を成功させるために強いものにしなくてはなりません。

  2. ZMWGは、政府代表者らが第5条の基本的要素:締約国が使用許可のための例外を得ていなければ、又は輸出が世界の市場からの水銀の隔離をはかる目的で行なわれるのでなければ、水銀貿易は禁止、を支持するよう強く要請します。
    私たちは、この全体的な貿易削減が、将来水銀が製品中及びプロセス中でどのように使用されるのか又はされないのかに関する基本的な変化のための推進力となり、したがって第7条及び8条の下に議論される製品及びピロセスの特定の廃止を強化するであろうと信じています。

  3. 提案されている文言は改善することができる一方で、私たちはまた、水銀を小規模金採鉱へ供給する世界的な貿易を制限する考えを支持します。水銀を入手するのを困難にし、かつ高価にすることは、この分野で大き水銀需要の削減を達成することを狙う多岐にわたる戦略のうちのひとつの必要な部分です。私たちは、この分野におけるをより良い水銀の実施を促進するために市場を利用すべきであり、一方、第9条で議論するように、情報と技術的支援を提供することは、採鉱者が持続可能な転進に向けた道を採択するのに役立ちます。

  4. 私たちはまた、貿易制限を保証するAnnex Bの化合物のリストを支持しますが、Annex B の保管要件は金属水銀だけに適用されるべきなので、このリストは動かす必要があります。リストされた化合物はすでに、EU又は米EPAによって、経済的に回収可能な量で金属水銀を製造することができるものであることが示されています。

  5. ZMWG は、第5条が強化されるべき二つの方法を提案します。第一は、貿易制限が適切に実施されることを確実にするために、締約国は条約の下に認可された貿易だけを行なうことができるよう国内の貿易承認メカニズムを採用することを求めます。国内の貿易承認なしに、取引された水銀が条約の下で許されない用途に転用されないことを確実にすることを含んで、どのように締約国が第5条を遵守することができるのか、私たちは想像することができません。条約中で規定される状況の下にだけ輸出又は輸入を認可できるためには、条約の条件遵守が確保されるまで貿易を禁止するという逆の権限が必要です。

  6. 第二に、INCは、水銀の歯科用途のための国際貿易が歯科アマルガムのパッケージの状態であり、金属水銀又はその他の水銀化合物であってはならないことを検討すべきです。この要求は、ASGMのための金属水銀の輸入は、しばしば歯科用水銀であると間違って正当化されるので、ASGM又は条約の下では許されない使用への水銀の転用を防止するのに役に立つでしょう。この要求はまた、不適切に管理された状況の下に歯科用アマルガムを現地で調合することを避けることにより、歯科従事者と患者を守ることにもなるでしょう。
 どうもありがとうございました。


訳注:参考情報
ZMWG 2011年1月 INC2 ドラフト・エレメント・ペーパーに対するゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)の意見と勧告


化学物質問題市民研究会
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