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2011年1月 INC2本会議 ZMWGの発言
「第4条 環境的に適切な保管」

リチャード・グティエレス(Ban Toxics in Philippines)

オリジナル:Zero Mercury Working Group Intervention Points for Article 4
Richard Guterez (Ban Toxics in Philippines)
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/Intervention
%20Article%204%20by%20ZMWG%20-%20final.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年5月3日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC2_NGO_Intervention_jp/
ZMWG/Art_4_Richard_Guterez.html


 議長、ありがとうございます。
 私は、フィリピンの Ban Toxics のリチャード・グティエレスです。
 ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループとして発言します。

  1. この保管の問題を考えるときに、留意すべき重要な側面がいくつかあります。第一に、そして最も重要なことは、保管しなくてはならない水銀の大部分は、塩素アルカリ製造施設の解体によって、及び現在行なわれている採鉱活動及び天然ガス製造施設からの副産物として生成されるということです。したがって、保管能力を必要に応じて強化し、これらの追加能力のための資金という点に関しては、民間企業が重要な役割を果たすということです。

  2. 第二に、水銀の隔離と保管は何らかの準備と計画が必要ですが、放射性廃棄物のような物質の保管に求められるような技術的に困難であるということではありません。永久処理と長期管理の解決は科学者と政治家によってまだ検討中ではありますが、長期的な解決がもっと明確になるまで、合理的なコストで暫定的に水銀を安全に保管することは可能です。

  3. 第三に、世界と地域の協力があれば、対象となる水銀の量は、ある法的及び政治的枠組みの下では多くの新たな施設を建設する必要はありません。さらに、金属水銀は多くの保管スペースを必要としないことを頭に浮かべることが重要です。この協力には、ある国又は他の国にすでに建設されている保管施設を締約国が利用することを許すということが含まれます。さらに、たとえ暫定的な保管であっても、水銀を保管するために使用することができる既存の施設と能力を特定することが含まれます。これには、すでに医療分野で活動する殺菌圧力がまやその他の医療廃棄物管理会社、日常的な操業の一部として現在水銀を保管している塩素アルカリ製造会社、そして水銀廃棄物処理会社が含まれます。

  4. 第四に、私たちは、条約が発効する前にこの問題に関して大きく前進することができるし、またすべきです。アジアとラテンアメリカにおけるUNEPの地域保管プロジェクトは、この点に関し有用ですが、政府は適切な解決に到達することにもっと高い優先度を置くことが必要です。

  5. 第4条(ドラフト)に関しては、私たちが提案する修正案は、第4条は金属水銀の保管を目指すということを明確にするよう求めます。キャロメル及びその他の化合物は、容易に金属水銀に変換することができるという理由で、(訳注:オリジナルの)Annex B にリストされています。それ(訳注:金属水銀に変換すること)が、まずなされるべきことであり、次に保管されるということです。上述したように、これは主に民間企業の責任であると。私たちは考えています。
 どうもありがとうございました。


訳注:参考情報
ZMWG 2011年1月 INC2 ドラフト・エレメント・ペーパーに対するゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)の意見と勧告


化学物質問題市民研究会
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