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2011年1月 INC2本会議 ZMWGの発言
「第15条 財源とメカニズム」

リコ・ユリピドウ/グラウンドワーク、南アフリカ
(Rico Euripidou from Groundwork in Sauth Africa)

オリジナル:Zero Mercury Working Group Article 15 Intervention
(Rico Euripidou from Groundwork in Sauth Africa)
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/
INTERVENTION%20ARTICLE%2015%20by%20ZMWG%20-%20Final.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年6月3日
このページへのリンク:
"http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC2_NGO_Intervention_jp/
ZMWG/Art_15_Rico_Euripidou.html


 議長、ありがとうございます。私は南アフリカの グラウンドワーク のリコ・ユリピドウです。ゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループを代表して発言します。

  1. 私たちは、エレメント・ペーパーの第15条が、水銀条約の財政的メカニズムの詳細はINCが開発するようにしたことを認識し、それを評価するものです。したがって、私たちもまた、多くの詳細は今後もっと検討される必要があることを認めつつ、概念的なレベルでコメントしていくでしょう。

  2. 私たちは財政的支援制度を次のような特性を持ったものとして求めます。
    • 条約優先度の一貫性と支援提供システムの最大効果を確保するために、条約により管理(統制)されること
    • 業務を遂行するための新たな追加的なリソースを十分に適用することができること
    • 条約の遵守メカニズムによる調整を通じて、遵守を推進し、反抗を抑制する方法で運用すること

  3. 私たちは、モントリオール議定書を支援したものと同様な専用の基金が、これらの基準に最もよく合致する財政メカニズムであると信じます。それは、条約の必要性に具体的に合わせた新たな一貫性のある財源を提供することができます。その統制構造は条約の枠組みの中で決定され、おそらく、それは締約国からの広範な必要をまかない、その運用における透明性をもたらすでしょう。そして最後になりますが重要であることは、締約国はお金の使用を管理するので、基金の支出は条約の優先度を反映するであろうし、条約の必要性の変化に容易に対応することができ、条約遵守を促進するための実施委員会と最適な調整を図ることができるということでしょう。
     私たちは、長い間、専用の基金が設立されていなかったことを十分に認識していますが、私たちは多くの政府が、他の方法による基金の下にいくつかの環境関連協定の期待はずれの結果を見ていると推察し、私たちはこの条約のための財政的支援を作り出すという新たな開拓を行なうことができることを希望しています。

  4. たとえ専用の基金であっても、条約は、この目的を達成するために財政メカニズムの混合が必要でしょう。暫定的な財源は、条約が発効する前に、資金調達行動計画の策定と、水銀使用/放出活動計画の策定が必要です。特に、国際的及び地域的な組織が小規模金採鉱やエネルギー効率のような問題に取り組んでいる分野では、条約に特化した基金を補うための追加的財源を入手することが必要であり、望ましいことです。

  5. 条約に含まれる財政メカニズムがどのようなものであろうと、それらの効果は定期的に評価されなくてはなりません。これら評価には精密さがなくてはなりませんが、そのことが、これらの評価で使用されるべき効果指標が締約国によって開発されるべきであると私たちが提案した理由です。さらに、私たちはその評価が、条約のためのメカニズムを運用している制度的組織がいかにうまく利害関係者の参加を提供しているか、そして彼らの運用が条約実施活動に参加しようとしている人々にどの程度透明であるかということを、含むべきであるということを提案してきました。

  6. 最後に、私たちは、条約の目的を達成するために、たとえ発展途上国であっても民間分野が財政的責任の公平な分担をしなくてはならないと信じます。したがって、パラグラフ1に述べられているように各締約国は、”能力の範囲内で”条約の義務を果たすために努力するので、これらの民間分野のリソースが考慮されなくてはなりません。資金のある公共企業体、化学会社、製品製造者などは、どこにあろうと、限られた条約リソースにアクセスすべきではありません。


訳注:参考情報
ZMWG 2011年1月 INC2 ドラフト・エレメント・ペーパーに対するゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)の意見と勧告


化学物質問題市民研究会
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