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2011年1月 INC2本会議 ZMWGの発言
「第11条 水及び土壌への放出」

マームード・カワジャ
(Mahmood A. Khwaja / Sustainable Development Policy Institute (SDPI), Pakistan)

オリジナル:Zero Mercury Working Group Article 11 Intervention
Mahmood A. Khwaja (Sustainable Development Policy Institute (SDPI), Pakistan)
http://www.zeromercury.org/UNEP_developments/Intervention%20article%2011%20by%20ZMWG%20-%20final.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年5月28日
このページへのリンク:
"http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/
INC2_NGO_Intervention_jp/ZMWG/Art_11_Mahmood_Khwaja.html


     議長、持続可能な開発政策研究所(SDPI)に、ゼロマーキュリーワーキンググループ(ZMWG)を代表して発言することをお許しいただき、ありがとうございます。ZMWGは、世界の45カ国からの90以上の公益・環境NGOsの連合です。

  1. 第11条は、水及び土壌への水銀放出に的を絞ることにより第10条を補完するものです。水及び土壌への放出に目を向けることは二つの理由によって適切です。第一に、ある放出源は主に土壌と水への放出に分類され、したがって、第10条はカバーしていません。第二に、土壌及び水への放出のためのBATは、たとえ同じ産業分野であっても、大気放出に目を向けたBATとは異なるかも知れないということです。したがって、私たちは第11条を条約に含めることを支持しますが、もっと意味あるものにするためにいくつかの提案があります。

  2. いくつかの諸国では、歯科医院が排水処理施設への水銀の最大放出源かも知れず、したがって、範囲を拡大することにより、水汚染源を優先度の高いものにすることは妥当なことです。歯科医院を Annex F に加えることにより、締約国会議は歯科医院のための BAT/BEP ガイドラインを作成することが求められ、このことは恐らく、水銀廃棄物の分離と管理についての適切な管理とともに、アマルガム分離機の設置を含むことになるでしょう。たとえ Annex C (訳注:製造と国際貿易措置の対象となる水銀添加製品)にアマルガムがリストされていても、今後数十年間に歯の詰め物を取り替える間に放出されるであろう数百トンの水銀が、現在、人々の口の中にあるということに留意することは重要です。

  3. しかし、おそらくもっと明瞭化するということ以上に、 Annex F (訳注:水及び土壌への水銀及び水銀化合物放出源 )の放出源リストは、Annexes D (訳注:水銀が使用されている製造プロセス)及び E (訳注:大気放出)にリストされた製造及び焼却プロセスからの廃棄物を受け入れる処分施設を明確に含むべきです。例えば、このことは、石炭火力発電所からの飛灰や水銀含有廃棄物を受け入れる施設を含むでしょう。

  4. 第11条はいくつかの追加的修正が必要です。第一に、第11条は水銀と水銀化合物の両方に適用されるべきです。特に水銀化合物のメチル化の可能性があることを考慮すれば、金属水銀はここで懸念される汚染の一部分だけを占めるものであります。第二に、パラグラフ2で述べられている締約国会議で採択されたBATガイドラインを”考慮する(take into account)”という表現は非常に弱いということです。私たちは、締約国はこれらのガイドライン”に従って措置をとる(take action in conformity)”と求められるべきであると提案します。そうすることで、著しく弱い管理措置の方を選んでガイドラインを無視する又はバイパスすることができないことが明確になります。

    Dr. Mahmood A. Khwaja, SDPI, Islamabad, Pakistan
    www.sdpi.org
    khwaja@sdpi.org

    訳注:参考情報
    ZMWG 2011年1月 INC2 ドラフト・エレメント・ペーパーに対するゼロ・マーキュリー・ワーキング・グループ(ZMWG)の意見と勧告


化学物質問題市民研究会
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