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2011年1月 INC2本会議 IPENの発言
「バーゼル条約」

IPEN アラン・ワトソン

オリジナル:IPEN Intervention
Basel Convention
Alan Watson
http://www.ipen.org/hgfree/documents/IPEN%20interventon%20on%20Waste%20Basel%20Convention.pdf

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2011年7月18日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/mercury/INC2_NGO_Intervention_jp/
IPEN/Basel_Convention_Alan_Watson.html


 議長、ありがとうございます。

 国際POPs廃絶ネットワークは、このインターベンションを行なう機会をいただき感謝いたします。  私たちは、バーゼル条約の役割、重複の回避、及び同条約との密接な協力のための要求提案と関連する意見に対し、簡潔な応答をするとともに、ナイジェリア、ノルウェー及びバーゼル条約のいくつかの限界についての懸念を提起した他の人々に賛成します。最も重要なことは、廃棄物の”低水銀含有量”の重要な定義と確立に触れることです。

 バーゼル条約は、主に国境を越える有害廃棄物の輸出に関連する特別の目的を持った非常に重要な国際的規制文書です。しかし同条約はどのような製品の廃絶又は段階的廃止を取り扱うための権限を持っていません。また、製造と使用が制限されつつある状況において製造と廃棄物の間の複雑な相互作用を処理するためのどのような権限も持っていません。さらにバーゼル条約は、国内での取扱い、収集、輸送又は水銀廃棄物に関連する適切性も持っていません。

 この条約をフォローしてきた人々にとって、この条約の動きが時にはいかに遅いかということが特に懸念であります。1995年の第三回締約国会議で採択された同条約の重要な修正であり、本質的にOECED諸国から非OECD諸国に最終処分及び回収のための有害廃棄物の国境を越える移動を禁止するという、バーゼル禁止令を発効させるための取り組みがバーゼル条約締約国会議で度々、議題となりました。採択されてから15年経過した現在も、この修正案は発効していません。

 エレメント文書は、ストックホルム条約とバーゼル条約の関連を参照していますが、バーゼル条約はストックホルム条約が発効する前からこの問題について取り組んでいたにもかかわらず、低POPsレベルをも確立することができませんでした。これは、ストックホルム条約が定義するように基本的な要求であり、それは本質的にはPOPsが廃絶されなくてはならない濃度を定義しており、従って私たちはバーゼル条約が要求される成果を出すことができなかった失敗は、非常に高い濃度なので実際には全てのPOPs廃棄物を除外することとなる暫定的レベルに依存することにより、ストックホルム条約を骨抜きにしたと見ています。

 さらに、様々な条約の締約国は異なるかも知れず、例えばバーゼル条約の加盟国かもしれないが水銀条約の加盟国ではない国に関連するプロトコール問題を考えると、バーゼル条約を通じて水銀条約の締約国でない国に条約の運用的詳細に関して強力な影響力を及ぼすことができるでしょうか?

 私たちは、各国代表団はこれらの遅れと問題を繰り返すことを回避したいと望むことを要求し、彼等が代替として単純にバーゼル条約を考慮する要求を検討することを提案します。

 バーゼル条約の役割に関するペーパー INC2/16を書き直すことに関連して、スイス、ジャマイカ及びBCの懸念を共有しましょう。



化学物質問題市民研究会
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