グランジャン博士のウェブサイト
Chemical Brain Drain - News 2013年12月30日 脳毒性テストにハチが一刺し< 情報源:Chemical Brain Drain Website - News Sting for brain toxicity testing, 30 December 2013 By Philippe Grandjean, MD http://braindrain.dk/2013/12/sting-for-brain-toxicity-testing/ 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2014年11月7日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kodomo/CBD/Sting_for_brain_toxicity_testing.html これらふたつの農薬は、ミツバチに対する明らかな毒性のために、最近EUで暫定的に禁止された。米・環境保護局で実施された研究もまたこれらの農薬のミツバチへの影響に焦点を当てていたが、アメリカでは現在までのところ何も措置が取られていない。ニューヨークタイムズ紙での声明で、産業側報道担当者はイミダクロプリドは人間には発達神経毒性の可能性はないと主張し、また日本の研究は”ラット細胞培養、すなわち人工的な系での研究を報告したもの”であるという理由でこの研究に疑問を提起した。欧州食品安全機関(EFSA)の専門家らは、この細胞ベースの発見に関して軽んじることなく、この分野での更なる研究を勧告した。実際に、ネオニコチノイドによって標的とされる特定の脳受容体は、人間にとっても極めて重要なものである。 それだけでなく、EFSA の専門家らはまた、細胞ベースのテストを含んで、発達脳毒性テスト(DNT)のための勧告プロトコールを用いて脳の発達に関する有毒影響のさらなる検討を求めている。したがって、EFSA は、農薬認可プロセスの一環として、また多分、他の物質についても、義務的な発達脳毒性テスト(DNT)研究を引き金とする基準を定義することを提案している。この提案は、ネオニコチノイド系農薬及び、多分、脳発達に有害影響を引き起こす他の化学物質の発達脳毒性テスト(DNT)の可能性を精査するための包括的なテスト戦略をもたらすであろう。専門家らは、最初のスクリーニング段階として実験室で細胞を使用し(いわゆる in vitro)、この最初の結果がその物質の脳汚染の可能性についての懸念を生じさせるものなら、次に動物によるテスト(in vivo)に着手するという段階的なアプローチを示唆している。 この最初の取組み−よく議論されたハチの一刺し−は暖かく歓迎されるべきであり、また来たるべき EU の化学物質規則(REACH)の更新に当たって、その検討を鼓舞すべきである。 訳注1 欧州食品安全機関(EFSA)2013年12月17日プレスリリース EFSA 二つのネオニコチノイドと発達神経毒性との潜在的な関係を評価 |