セイフマインド プレスリリース2006年7月5日
エリック・フォンボン博士の自閉症研究は不正確で不完全
セイフマインドは意図的な誤報を正すことを目指す


情報源:SafeMinds Press Release July 5, 2006
Autism Study by Dr. Eric Fombonne is Inaccurate and Incomplete; SafeMinds Aims to Correct Misinformation
http://www.safeminds.org/pressroom/pres_releases/Fombonne-6-30-06.pdf
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/index.html
掲載日:2006年7月17日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_06/06_07/06_07_05_SafeMinds.html


 アメリカ小児科学界の公式ジャーナルである『Pediatrics(小児科学)』2006年7月号に掲載されるケベック研究報告は、ワクチン中の水銀ベースのチメロサールと自閉症の発症は関係がないことは非常に明確であると述べている(訳注1)。マクギル大学健康センターのエリック・フォンボン博士の意見は、彼らのカナダ、ケベック州の学齢児童の調査に基づいている。しかしセイフマインドの分析によれば、その研究手法は不適切であり、多くの理由で懐疑的である。

 この調査は、モントリオール学区の27,749人の学童を調べ、187人の自閉症児を特定した。これらの症例のほとんどの子どもたち(90%以上)は、チメロサール・ワクチンがアメリカと同じくケベック州でも幼児に広く使用されていた年代に生まれている。自閉症児のわずかな一部だけがチメロサール・フリーのDTP 及び Hib ワクチンが投与された時に生まれており、これらの子どもたちは、モントリオールで人口の4分の1以上を占める外国生まれの両親を持つ幼児のために新たに勧告された B 型肝炎ワクチンのチメロサールに暴露していたかもしれない。

 フォンボン博士は、アメリカ、イギリス、及びデンマークでの大規模調査もまた水銀と自閉症の関係を否定していると不当に主張し、”自閉症の広がりはない(no autism epidemic)”と述べている。彼は、水銀のような環境要素がアメリカやその他の諸国における自閉症の増加を引き起こしているかもしれないということを示す多くの科学的証拠を都合よく無視している。

 フォンボン博士の行ってきた行動は自閉症児を持つ家族にとって利益になるものではなかった。彼はチメロサール関連訴訟において様々な製薬会社のために専門家証人として証言してきた。

 チメロサールは、吸入、接種、皮膚を通じて有害な有毒物質である。さらにチメロサール含有ワクチンは、神経に有害な結果をもたらすと知られているレベルにまで体内の水銀レベルを高める。どのような小児科医でも我々の子どもたちに水銀を注射することを正当化するのは無責任である。

 全ての自閉症スペクトラム障害(ASDs)の有病率は過去20年間に166人の子どものうち1人までに上昇している。いくつかの独立系連邦政府機関や尊敬されている科学者と研究者らは、自閉症の発生及び水銀とASDsの間にありそうな生物学的関係を調査するために連邦政府の資金を得ている。多くの研究が小児期のチメロサール含有ワクチン接種と自閉症との間に関連があることを示している。水銀と自閉症の間の関連を否定する結論はなされていない。

 セイフマインド(SafeMinds)連合(Sensible Action For Ending Mercury-Induced Neurological Disorders/水銀誘導神経障害を終わらせるための思慮ある行動)は、ワクチン中のチメロサールを含んで医療品からの水銀暴露による幼児と子どものリスクをを調査し認識を普及するために設立さた非営利団体である。セイフマインドはフォンボン博士のケベック調査のような決定的でない研究に挑戦し、このパズルの欠落を埋めるための研究と教育を推進する。

 セイフマインド及び水銀暴露の有害な影響に関する詳細については下記ウェブサイトを参照下さい。
 http://www.safeminds.org
 http://www.cleanair.org/Air/mercury.html



訳注1
PEDIATRICS(小児科学) 2006年7月号/モントリオールの広汎性発達障害有病率と予防接種との関連 エリック・フォンボン (マクギル大学精神医学部、モントリオール小児科病院/カナダ)ら(アブストラクトの紹介)(当研究会訳)


化学物質問題市民研究会
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