BAN, Greenpeace プレスリリース 2005年2月16日
ノルウェー、国際的船舶廃棄に関し、二面性を非難される 情報源:BAN, Greenpeace Press Release 16 February 2005 NORWAY DENOUNCED FOR "DOUBLE FACE" ON GLOBAL SHIP DUMPING 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2005年4月12日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_05/05_04/05_02_Norway_ship_dumping.html [ロンドン2005年2月16日] インドやバングラデシュなどアジア諸国の浜辺での船舶解体のための、憤慨に堪えない廃船の輸出・廃棄に対する解決を探るために、今週、ロンドンで行われている特別政府機関共同会議(注1)において、ノルウェーは同国で大きな力を持つ造船業界を支援する立場をとっているが、環境団体グリーンピーとバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)によれば、それは国際的司法界及び持続可能な名声と相容れないことである。 (注1): 2005年2月15-17日ロンドンで開催された第1回 船舶解撤 ILO/IMO/BC 合同作業部会 国際海事協会(IMO)のメンバーとして参加しているノルウェー代表団は、アスベスト、PCB、その他有毒物質を積む廃船は国際的に法的拘束力のあるバーゼル条約の下で有害廃棄物の対象と見なすことができると既に結論付けた同条約を引用又は考慮する全ての試みを妨害する立場をとる日本とアメリカの側に加わった。バーゼル条約はまた、発展途上国への有害廃棄物の全ての輸出を禁止する決議を採択しているが、ノルウェーはバーゼル条約の加盟国であるのみならず、EUとともにこの輸出全面禁止(訳注:バーゼル禁止令)にも加わっている。 ”ロンドンの国際海事協会(IMO)本部の会議室でノルウェーがとったバーゼル条約及びバーゼル禁止令の存在否定は、オスロとジュネーブでとった彼らの立場、及び持続可能な発展の概念の発祥の地としての名声に全く反するものである”−とグリーンピース・インターナショナルの政策顧問ケビン・ステアーズは述べ、”これがノルウェーの公式見解を反映したものかどうか信じがたい。ノルウェーは富める国から貧しい国への有害廃棄物の輸出を終わらせようとする世界の取り組みを支援することと、今回の立場をどう折り合わせるのか”と付け加えた。 バングラデシュ、インド、パキスタンの浜辺にある船舶解撤現場では、船内に残るガスや燃料油による爆発や、アスベストやその他の有害物質のためにがんや中皮腫により毎日1人が死んでいると推定されている。 (訳注:当研究会ウェブ掲載記事参照:バングラデシュの船舶解撤ビジネスにおけるアスベスト) ノルウェーの世界の船舶解撤産業に対する環境正義(environmental justice)の立場を無視する今回の態度は、同国の今までの環境と発展に対する貢献、特に発展途上国が必要とするリソースの提供による支援などと著しく矛盾するものである。 詳細についての連絡先:
http://www.greenpeaceweb.org/shipbreak/fund.pdf 船舶解撤及び国際海事協会とバーゼル条約の矛盾の詳細については下記を参照: http://www.ban.org/Library/briefp5.pdf http://www.basel.int/legalmatters/ilo-imo-sbc-wg/1_7_3.doc http://www.ban.org http://www.greenpeaceweb.org/shipbreak/ |