電子廃棄物の爆発的増加(その3)
電子廃棄物と環境健康 情報源:Environmental Health Perspectives Volume 110, Number 4, April 2002 e-Junk Explosion / e-Waste and Environmental Health Charles W. Schmidt https://ehp.niehs.nih.gov/doi/epdf/10.1289/ehp.110-a188 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2002年10月20日 このページへのリンク: https://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_02/02_10/e-junk-3.html 電子廃棄物と環境健康 シリコンバレー有毒物質連合(SVTC)によれば、十分なデータがないことが、電子廃棄物に暴露した場合の健康への影響を理解しにくくしている。 電子廃棄物は、それが分解されて内部の化学物質が環境中に放出された時に最も危険性が高くなる。 鉛と水銀は神経系を侵すが、特に子ども達は非常に低い濃度の暴露であっても知能指数や正常な脳の発達への影響を受ける。回路基板中に存在する有毒金属カドミウムは、EPAにより”人間に対する発がんの可能性”があるとされている。また焼却されたものを吸引すると肺疾患になる。6価クロムもまた回路基板に用いられるが、多量に吸引すると肺および動脈に腫瘍ができる。 電子機器中の金属に加えて、プラスチック中の臭化難燃剤(BFRs)が健康に与える影響について、多くの環境に関わる人々が心配している。臭化難燃剤(BFRs)は残留性有機汚染物質(POPs)として知られる悪党グループの一員であり、特に脂肪と親和性があるので、人間や動物や魚の体内組織に蓄積して世界中に広がっている。 動物実験によれば、これらの化学物質の多くは、甲状腺機能に影響を与え、エストロゲン様のホルモン作用があり、またダイオキシンと同様、最も発がん性が強い。 さらに、環境に関わる人々は、電子廃棄物リサイクル業者たちが電子廃棄物の一部であるプラスチック中の臭化難燃剤(BFRs)を環境問題としてほとんど考慮していないと非難している。「臭化難燃剤(BFRs)がリサイクル時に溶融または燃焼されたり、または焼却処理された後に、それらはいったいどうなってしまうのかということについて研究がなされていない」とワシントン州シアトルを活動拠点とし、廃棄物の輸出問題を監視しているバーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)のジム・パケットは述べた。
(その4に続く) (訳: 安間 武) |