電子廃棄物の爆発的増加(その1)
情報源:Environmental Health Perspectives
Volume 110, Number 4, April 2002
e-Junk Explosion
Charles W. Schmidt
http://ehpnet1.niehs.nih.gov/docs/2002/110-4/focus-abs.html
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2002年10月20日



 あなたの自宅の物置にきっと古いパソコンがしまわれているに違いない。もちろんほこりをかぶり、キーボードは汚れ、もう何年も電源さえ入れたことがない。あなたはそのパソコンを始末したいと思っているが、何処でどのようにすればよいのかわからない。でも安心してよい。悩んでいるのはあなた1人だけではない。
 使い古したパソコンやその他の電気製品の廃棄物はいたる所にあふれ、ある専門家は21世紀最大の有害廃棄物となるであろうと予言している。

 もし、それが大げさだと思うなら次のことを考えてみるとよい。
 テレビやパソコンモニターに使われるブラウン管(CRTs)は、1台当たり約4ポンド(約 1.8キログラム)の鉛を含んでいる。したって、アメリカで2004年までに廃棄されると予想されるパソコンの台数 3億1,500万をかけると、約 12億ポンド(約 57万トン)の鉛が廃棄物として出ることになる。
 パソコンの大部分が使用しているCRTは、連邦政府の毒物規制には該当せず、アメリカ環境保護局(EPA)の危険廃棄物として分類されている。
 回路基板やバッテリーもまた、少量の水銀や 6価クロムに加えて、鉛を含んでいる。電気製品に使用されるプラスチックも、焼却時にダイオキシンを発生する塩ビを含んでいるかもしれない。
 その他の多くのプラスチック製品や回路基板も臭化難燃剤(BFRs)を含んでいるが、それらのあるものは動物や魚の脂肪に生体蓄積し、内分泌かく乱性を疑われている。
 2002年2月にカリフォルニア州健康局から刊行された『科学圏(Chemosphere)』に掲載された最近の研究報告によれば、沿岸産のゴマアザラシの脂肪や、カリフォルニア湾地域の母親の母乳から非常に高濃度の臭化難燃剤(BFRs)が検出された。

 多くの専門家達は、電子廃棄物による環境への深刻な影響がようやく世間に知られるようになったと考えている。
 インテルの共同設立者の 1人であるゴードン・ムーアが「コンピュータの処理能力は 18ヶ月で倍増する」とかつて述べた(”ゴードンの法則”)が、今では、ピカピカのコンピュータを買って家に持ち帰り、セットアップして使い始めたころには、すでに時代遅れで陳腐なものとなっている。
 カリフォルニア州サンノゼを拠点とする”シリコンバレー有毒物質連合(SVTC)によれば、容赦のない技術革新のもとで陳腐なものとなってしまった多くの機器は使われないままに、しまいこまれている。しかし、消費者がコンピュータを3回、4回と買い換えていくうちに、これらの古い遺物は地方自治体の廃棄物処理の流れの中に身を任せることとなる。
 これはコンピュータだけではなく、他の電気製品なども廃棄物問題となっている。DVDプレーヤーや高品位テレビジョン、液晶画面などの出現により、従来のテレビやVHSプレーヤーはごみ埋立地でのガラクタとなり、あるいは焼却炉に負荷をかけ、さらにはリサイクルや廃棄物処理規制が事実上存在しない発展途上国へ輸出されることとなる。
 製造者から卸売り業者への電気製品の売上高は、2002年には 957億ドル(約 11兆5,00億円)を超えると電気製品消費者協会は予測している。この金額には莫大な技術料が含まれているが、それらの技術も疑いなくいつかは陳腐なものとなる。
 問題は、いつそれが起こるのか、その時我々はどのように対処すればよいのかということである。

(その2に続く)

(訳: 安間 武)

Text version of "What's in our PCs?"
我々のPCには何が含まれているのか?


化学物質問題市民研究会
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