国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)
第3回準備会合 ハイレベル宣言 ドラフト 情報源:SAICM/PREPCOM.3/2, 13 July 2005 Strategic Approach to International Chemicals Management (SAICM) Draft high-level declaration 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2005年11月27日 事務局による覚書 1. 国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)の開発のための準備委員会の第2回会合において、 国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ(SAICM)は3つの要素;ハイレベル宣言、包括的方針戦略、及び世界行動計画、から構成されることが提案された。初期の議論を踏まえて、準備委員会の議長は委員会にハイレベル宣言の概要ドラフト(SAICM/PREPCOM.2/4, annex VI)を示した。議長が、この概要ドラフト、その後受領したコメント、及び会合間地域協議会の結果に基づき、第3回準備委員会における委員会による検討用ハイレベル宣言ドラフトを展開するということについて合意がなされた。 2. 事務局は、ここに謹んで、委員会検討用に議長により展開されたハイレベル宣言ドラフトを本覚書の付属書(Annex)に示して配布する。 付属書(Annex) ハイレベル宣言ドラフト 我々、大臣は、2006年2月4日〜6日、ドバイにおける化学物質管理に関する国際会議に参集した民間社会及び民間団体の派遣団及び代表の長として、 化学物質は、持続可能な開発に貢献することができ実際に貢献し、全ての開発レベルの諸国における生活の標準を高め維持することに有益であることを認めつつ、 世界における化学物質の製造、貿易、及び使用が、化学物質管理の増大する負担を発展途上国及び経済移行国に及ぼすという成長パターンを持ちつつ、増加していることを承知しており、 不適切な化学物質の管理が、人の健康と人々が生計のために依存する天然資源に有害影響を与え、それによりさらに貧困の状態を悪化させていることに深く懸念し、 国際的化学物質管理に関する我々の現在及び将来の基礎として、環境と開発に関するリオ宣言(訳注1)、アジェンダ21(訳注2)、バイア宣言(訳注3)、ヨハネスブルグ宣言(訳注4)、及びヨハネスブルグ実施計画(訳注5)に対する我々の公約を明確に示しつつ、 化学物質管理のために国際的に認められた原則とアプローチの上に構築しつつ、 国際的化学物質管理のための戦略的アプローチが、ミレニアム宣言(訳注6)に述べられ国際的に合意された開発目標に向けて著しい貢献をなすということを確信しつつ、 化学物質の安全を推進するために過去になされた顕著な取り組みを承知しつつ、また、化学物質の国際的管理の分野における新たな取り組みとしての戦略的アプローチは、化学物質の安全性に関するこれまでの国際的取り組みに立脚し、適切な化学物質管理を達成するために予防と完全なライフサイクル展望を適用する多様な分野、参加型、そして調整された戦略的アプローチの開発を促進するということを承知しつつ、 全てのレベルで新たなそして追加的な技術的財政的資源を動員する必要性を認めつつ、 発展途上国及び経済移行国がパートナーシップ、技術的支援、及び財政的援助を通じて化学物質の適切な管理のためのキャパシティを強化することの特別な必要性を強調しつつ、 行政及び民間が化学物質の適切な管理を確実にするために重要な役割を果たすということを承認しつつ、 全ての関係者が、化学物質に関する知識と情報、それらの人間の健康に与える影響、及びそれらが環境に及ぼすリスクに対しアクセスすることができることの必要性を強調しつつ、 化学物質が人の健康と人類に及ぼす有害影響について深く憂慮しつつ、そしてその結果、抜本的な変更が化学物質を管理する全ての社会に必要であるということを確信しつつ、 化学物質の安全性を改善し、貧困と戦い、脆弱なグループを守り、人間の安全と生態系の完全性を促進するために、共同の責任とパートナーシップの下に、我々自身に約束しつつ、 以下のように宣言する。
訳注:関連する国際環境会議・宣言 日本語訳及びオリジナルを参考までに示します。 ■1972年 国連人間環境会議UNCHE(ストックホルム) ・国連人間環境会議(ストックホルム会議:1972 年)人間環境宣言(環境省訳) ・Declaration of the United Nations Conference on the Human Environment ■1992年 リオ宣言 ・環境と開発に関するリオ宣言 (環境省訳) ・Rio Declaration on Environment and Development (United Nations Environment Programme) ■1992年 アジェンダ21 ・アジェンダ 21行動計画(日本政府版) ・アジェンダ21行動計画 ・Agenda 21 (United Nations Environment Programme) ・Agenda 21 by Information Habitat: Where Information Lives - http://habitat.igc.org/index.html ■2000年 バイア宣言 (Salvador da Baha, Brazil, 15 - 20 October 2000) ・Bahia Declaration on Chemical Safety ■2002年 持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット) ・持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)外務省 ■2002年 ヨハネスブルグ宣言 ・持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言(仮訳)(外務省) ・Johannesburg Declaration on Sustainable Development ■2002年 ヨハネスブルグ実施計画 ・持続可能な開発に関する世界首脳会議実施計画(和文仮訳)(外務省) ・Johannesburg Plan of Implementation (HTML) ・Plan of Implementation of the World Summit on Sustainable Development (PDF) ■2000年 国連ミレニアム宣言 ・ミレニアム宣言(外務省訳) ・United Nations Millennium Declaration |