ECHA プレスリリース 2009年8月28日
新たな研究が示したREACHの
テスト用動物の数は不正確


情報源:ECHA Press Release, ECHA/PR/09/11, Helsinki, 28 August 2009
New study inaccurate on the number of test animals for REACH
http://echa.europa.eu/doc/press/pr_09_11_animal_testing_20090828.pdf

訳:安間 武 /化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年9月1日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/reach/ECHA/090828_ECHA_Press_test_animals.html


 新たな研究が、REACH の動物テストに与える影響が6倍であるとしたのは過大評価である。真の数値は、新たな化学物質規則(REACH)が準備され協議されていたときに評価され発表されていたものにもっと近い。

何が真実か?

 REACHの協議期間中に、要求されるテストには900万の実験動物が必要であり、それらのテストを実施するためのコストは13億ユーロ(約1兆7,000億円)に達するであろうと見積もられた。今回、Costanza Rovida と Thomas Hartung によって発表された研究は5,400万の哺乳動物と95億ユーロ(約13兆円)のコストがかかると示唆した。

 欧州化学物質庁はその研究をレビューし、当初の動物数の見積もりは現在でも有効であるという結論を得た。新たな研究は下記3点を過大に見積もっている。
  • REACHの下に登録されるであろう物質のの想定数と要求される完全なデータ・セットの数は、ほぼ2倍過大に見積もられているが、それは主に、仮定が妥当ではなく不正確であるからである。

  • 要求されるテストと実験動物の想定数は、過大に見積もられており、現実にありそうな数より約6倍高い。過大見積りは主に、既存の情報の入手可能性と、情報要求の修正による適合の可能性が考慮されておらず、さらに第二の生物種のテスト要求の規則が正しく理解されていないためである。

  • テスト実施のための推定コストは概略、同じ要素だけ過大に評価されている。
 ECHA長官ギールト・ダンセットは、”REACHは人の健康と環境を守るためのものである。その課題は、物質の潜在的な有害性に関する科学的に妥当な情報を得ることであるが、同時に不必要な動物テストを最少にすることである。REACHの基本的な目的のひとつは物質の有害性を評価すための代替方法を促進し、動物テストは最後の手段とすることである。関係する全ての団体はこの問題を真剣に考えるべきであり、ECHAもそのようにする。明らかに、正確な数は、全ての登録が提出され、テスト提案が届いてから分かることであるが、現在、我々が持っている情報及び産業側との討議に基づけば、この研究が示す数は非常に的外れである”。

記者への詳細な情報
(省略)


訳注:EDF リチャード・デニスンによる批判
訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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