健康環境同盟(HEAL) 2023年9月12日
書簡: 健康団体、EU 加盟国に対し、 グリホサートの市場認可の更新を させないことを支持するよう要請 情報源:Health and Environment Alliance (HEAL), 12th September 2023 Letter: Health groups urge EU member states to support the non-renewal of glyphosate's market license https://www.env-health.org/letter-health-groups-urge-eu-member- states-to-support-the-non-renewal-of-glyphosates-market-license// 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2023年10月3日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/ngo/230912_HEAL_ Health_groups_urge_EU_member_states_to_support_the_non-renewal_ of_glyphosates_market_license.html 健康環境同盟(HEAL)、国際環境医師会(ISDEイタリア)、ベルギー独立健康保険基金(Mutualites Libres / Onafhankelijke Ziekenfondsen)は、今月開催される”植物、動物、食品、飼料に関する常任委員会(SCoPAFF)”における加盟国の代表者間の会合に先立ち、欧州各国政府に対し、グリホサートの全面禁止を支持するよう呼びかけている。 独立した科学的証拠が多数あるにもかかわらず、それに反して、欧州食品安全機関 (EFSA) は グリホサートは人間の健康に容認できないリスクをもたらすものではないとする声明を7月に発表した。 一方、当局は業界から提出された更新書類のデータギャップを特定した。 HEALおよび他の健康・環境団体は、グリホサートの使用を拡大するという欧州委員会からの提案の基礎の一部となる EFSA の声明に大きな懸念を表明した。 欧州連合加盟国の代表らは今週の SCoPAFF 会議でこの提案について議論する予定だ。 ”独立した科学的証拠は、グリホサートが私たちと将来の世代の健康に重大な害を及ぼし、国民が継続的に暴露することを容認できないことを示している。 欧州委員会と加盟諸国が健康保護と汚染ゼロへの取り組みに真剣であるならば、前進する唯一の道は、その物質の市場認可を更新しないことだ”と健康環境同盟(HEAL)の健康・化学物質プログラムリーダー、ナターシャ・シンゴッティは言う。 グリホサートは地球上で最も広く使用されている除草剤であり、世界保健機関の国際がん研究機関(IARC)によって”恐らく発がん性がある(probable carcinogen)”として分類されている(訳注:グループ 2A ヒトに対する発がん性がおそらくある (Group 2A Probably carcinogenic to humans)WHO/IARC)。 発がん性の懸念に加えて、独立した科学文献は、グリホサートへの暴露が、腎臓病、パーキンソン病の発症への潜在的寄与、人間の発育および生殖システムへの影響、その他の世代間影響を含む、数多くの深刻な健康状態と関連付けている。 その上、今週発表された新しい独立論文は、グリホサートの遺伝毒性と発がん性の可能性に関するEUの科学的評価の抜け穴を示している。欧州化学庁(ECHA)と欧州食品安全機関(EFSA)は、業界のがん研究で観察された腫瘍の一部の発生はム無関係であると宣言した。 また当局は、グリホサートががんを引き起こす可能性があると認識されているメカニズムである酸化ストレスを引き起こすという独立文献の証拠も却下した。 グリホサートの危険性評価におけるこれらの欠陥が修正されれば、公式の分類提案は異なるものになるであろう。 現在公開されている証拠に基づいて、健康環境同盟(HEAL)と我々のメンバー団体は、グリホサートの健康への長期的な影響を依然として懸念しており、EU 加盟国に対し、できるだけ速やかにこの物質の全面禁止を支持するよう要請している。
訳注:当研究会が紹介したモンサント・グリホサート関連情報 http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_monsanto.html |