IPEN 2016年9月21日
ENDS ニュース:
イギリスは産業側ロビーイストのコメントを
ストックホルム条約専門家会議に提出


情報源:IPEN 21 September 2016
ENDS: UK submits industry lobbyist comments to Stockholm Convention expert committee
http://ipen.org/news/ends-uk-submits-industry-lobbyist-comments
-stockholm-convention-expert-committee


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年9月25日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/POPs/IPEN/
160921_IPEN_UK_submits_industry_lobbyist_comments_POPRC12.html

(ENDS ニュース)
http://www.endseurope.com/article/47076/uk-government-decabde-exemptions...

 今週ローマで、ストックホルム条約 POPs 検討委員会が、難燃剤 DecaBDE を世界的に廃止するためにストックホルム条約にリストすることについて政府への最終勧告を検討している。自動車産業及び航空機産業は、DecaBDE のある用途を免除するために委員会に圧力をかけていた。さらに、イギリス政府は軍用車両及び航空機での使用のために全面的な免除を求めて圧力をかけた[1]

 驚くべきことに、委員会への提出についての IPEN の調査が、イギリス政府は事実上、英・航空防衛安全保障宇宙産業協会(ADS)と同等のコメントを提出したことを明らかにした[2]。例えば、イギリス及び ADS は、”難燃剤の変更を再確認するために必要なコストと時間は大変なものであり、我々は不均衡な影響を我々の産業に課すことになると信じる”と同じ主張をしている。

 IPEN の科学技術顧問、ジョー・ディガンギは、”産業側ロビーイストのコメントを政府コメントとして提出とすることは明確な利益相反であり、英国民に対して失礼であり、政府の信用を完全に損なうものである”と述べた。

 このことが9月20日に ENDs Europe [3]で報道された後、イギリス政府報道官は、政府が産業側ロビーイストのコメントを提出した理由は”事務手続き上の手違い”であると言い張った。翌21日、国連事務局はローマの POPs 検討委員会への参加者にイギリスは彼らの DecaBDE 免除要求を取り下げたと通知した。

 この事実は、産業側ロビーイストが公共政策に及ぼす巨大な影響力を持っていることを示している。”政府は国民に対して、狭い産業側の権益を超えて、市民社会を意思決定に参加させる責任がある”とディガンギは言及した。

 POPs 検討委員会は討議を今週中続け、DecaBDE を条約にリストする最終勧告を9月23日金曜日に行うことが期待される。

原注:
[1] http://chm.pops.int/TheConvention/POPsReviewCommittee/Meetings/
POPRC11/POPRC11Followup/CommentsdecaBDE/tabid/5102/Default.aspx


[2] http://chm.pops.int/TheConvention/POPsReviewCommittee/Meetings/
POPRC11/POPRC11Followup/CommentsdecaBDE/tabid/5102/Default.aspx


[3] http://www.endseurope.com/article/47076/uk-government
-decabde-exemptions-identical-to-industry-submissions



訳注:関連情報
 ・IPEN POPRC12 プレスリリース 2016年9月23日 国連専門家委員会 テフロン化学物質(PFOA)の世界的な禁止を正当化 他の3つの有害化学物質の世界的行動も勧告



化学物質問題市民研究会
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