BAN プレスリリース 2022年9月28日
有害な航空母艦”サンパウロ”号 入港をトルコ当局に拒絶され、ブラジルに向けて帰航中 環境団体及び労働団体は勝利を宣言 情報源:BAN Press Release, September 28, 2022 Toxic Aircraft Carrier "Sao Paolo" Rejected by Turkey Returning to Brazil Environmental and Labour Groups Declare Victory https://myemail.constantcontact.com/Toxic-Ship-Returns- to-Brazil.html?soid=1114999858498&aid=ZvzGqeUk-UI 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2022年10月5日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/shipbreaking/ban_220928_ Toxic_Aircraft_Carrier_Sao_Paolo_Rejected_by_Turkey_Returning_to_Brazil.html 【2022年9月28日、ブリュッセル、ベルギー】有害廃棄物を積んだ空母サンパウロ号は、ブラジルのリオデジャネイロへの帰航の途上にある。輸出を承認したブラジルの機関である IBAMA(ブラジル環境・再生可能天然資源院)は、トルコが 2022年 8月 26日に入港を禁止した後、アスベスト、PCB、有害塗料、及び放射性廃棄物など船内の有害廃棄物の量の適切かつ信頼できる報告が行われるまで、船の呼び戻しを余儀なくされた。
”トルコが有害廃棄物のこの輸送の違法性に関する我々の懸念を真剣に受け止めてくれたことを嬉しく思う”と NGO 船舶解体プラットフォームのニコラ・マリナリス述べた。”トルコ送られ解体されている古い船の多くは、国際廃棄物貿易条約であるバーゼル条約とバルセロナ条約に照らせば、合法的ではないと考えている。”
これまでのところ、適切な評価を行うために船の構造の大部分にアクセスすることが不可能であるにもかかわらず、船の購入者であるソックシッピング&トレーディング・リミテッド(訳注2) から 2 つの疑わしい危険物目録 (IHM) が提出されている。どちらの文書も、アスベストや PCB などの有害物質の量を特定しており、サンパウロ号の姉妹船クレマンソー号で発見された実際の量をはるかに下回っている。後者は同じ設計で建造され、英国でのリサイクル時に数百トンのアスベストと PCB 類が含まれていることが判明した。したがって、サンパウロ号に 9トンのアスベストがあり、PCB はなく、放射性残留物があったという買主の主張は、非常にありそうもないものと見なされている。 最初の勝利が宣言された今、NGO 船舶解体プラットフォームは、バーゼル・アクション・ネットワーク (BAN)、アスベスト禁止フランス、アンリ ペゼラ協会 (労働、健康、環境)、国際アスベスト禁止事務局 (IBAS)、イスタンブールOHS(労働安全衛生)会議、グリーンピース地中海、及びブラジルの ABREA (アスベスト暴露者協会) は、フランス政府の審査の下で新しい独立した危険物目録 (IHM) を作成すること、そして重要なことに、合法的な目的地のみが参加して全く新しい競売を行うことを求めている。 フランスが船をブラジルに売却したとき、売却契約には、フランスの事前の承認なしに船を解体することはできないと明記されていた。現在の状況を考えると、フランスは今、船内の有害物質の量の公平かつ客観的な評価が確実に実施され、アスベスト、PCB、放射性物質、及び有害塗料の除去が不適切な廃棄物管理慣行から労働者と環境の両方を保護することを目的とした国際及びヨーロッパの規則が完全に順守されて実施されるよう IBAMA (ブラジル環境・再生可能天然資源院)を支援すべきである。 最先端の技術を備えたいくつかのヨーロッパの造船所は、船舶のリサイクルを適切に管理することに関心を示している。さらに、ブラジルのある組織は、船を博物館に改造するよう絶え間なくキャンペーンを行ってきた。試みられた国境を越えた移動の違法性と買い手が信頼できない危険物目録 (IHM) の提出を考慮すると、ブラジルは最初からやり直し、新しい競売を開始し、より高価であっても代替の提案を準備することを求められている。 サンパウロ号 は 10月 4日にリオデジャネイロに到着する予定である。市民団体によると、新しい正確な危険物目録 (IHM)、環境に配慮した廃棄物管理計画、新しい競売、及び合法的な輸出の保証がなければ、同号は再びブラジルを離れることを許可されてはならない。 ”我々の古い有害船を管理するという重要な仕事は、国際法に従って、利用可能な最高レベルの注意をもって行われることが不可欠であると、イスタンブールOHS(労働安全衛生)会議のアスリ・オドマンは言う。”トルコが、安くて便利な世界の廃棄物処理場と見なされることを望んでいない。” 訳注1:バルセロナ条約/イズミル議定書
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