BAN プレスリリース 2008年8月1日
米下院 途上国への有害電子廃棄物輸出を
禁止する決議を検討

ワシントン州での協賛を求める

情報源:BAN Press Release August 1, 2008
House of Representatives Considers Resolution
to Ban the Export of Toxic e-Waste to Developing Nations
Call for Co-Sponsors in Washington State
訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2008年8月2日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/080801_House_resolution.html


【2008年8月1日ワシントンD.C.、シアトル、ワシントン】バーゼル・アクション・ネットワーク(BAN)と電子機器引取り連合(Electronics TakeBack Coalition )は、有害物質小委員会委員長ジーン・グリーン(民主−テキサス)が有害電子廃棄物(e-waste)を開発途上国に輸出することを禁止している世界中の他の諸国にアメリカが加わることを求める議会決議(H.Res. 1395)を木曜日(7月31日)に提出したことに拍手喝さいした。この決議は将来の立法の先駆けとなるであろう。

 ”技術の進歩が早いので、有害電子廃棄物の量は米国内でも海外でも増大している”と下院議員ジーン・グリーンは述べた。”多くのアメリカ人は、廃棄された電子機器がしばしば鉛、水銀、その他の有害物質を含むことや、それらが最終的には途上国において非人道的な状況の下で回収が行われているということを知らない”。

 同決議は、古いCRTテレビが8ポンド(約4kg)以上の鉛を含んでおり、もっと新しい液晶テレビは水銀を危険なレベルで含んでいると説明している。これら及びその他の非常に有害な物質は途上国では、安全防護もなしに低賃金の労働者が原始的で危険な方法で電子廃棄物の回収作業を行っており、人々に甚大な健康被害を及ぼしている。実際に、アメリカによって輸出された電子廃棄物からの鉛とまさに同様の鉛が、中国から輸出される子どものおもちゃの宝石の鉛汚染という形で我々の所に戻って来るということを研究が示している。

 2009年1月17日のテレビのディジタル化移行に伴い、数百万台のまだ機能するアナログ・テレビが使用されなくなり、廃棄されると予想されている。これらの使用されなくなったテレビは、すでに毎日海外に輸出されている電子廃棄物の激しい流れの中に、さらに津波を引き起こすと予想されている。

 ”途上国への電子廃棄物の輸出を禁止するこの決議は、アメリカをこのような有害物質貿易を既に非難し禁止している世界の残りの諸国と同列にさせる”と、シアトルからバーゼル・アクション・ネットワーク及び電子機器引取り連合のサラ・ウェスターベルトは述べた。”そのような輸出はハイテクの毒により最も貧しい人々を犠牲にするだけでなく、リサイクルを責任を持って行おうとしている米国内のリサイクル産業の土台を損ねるものである。我々は、ワシントン州の議会代表団が早急にこのすばらしい決議に協賛することを求める”。

 BANは、2002年に”危害の輸出”という報告書とフィルムにより電子廃棄物輸出の惨事を初めて世界に明らかにした。ワシントン州は、2007年に電子廃棄物法を採択しており2009年に発効するが、残念ながらこの法は収集した廃棄物が海外に輸出されないことを保証するものではない。海外貿易をも権限範囲とする将来の連邦政府の立法が大量のアメリカの電子廃棄物が流出する貿易の抜け穴をふさぐために重要であるように見える。

 議会が電子廃棄物輸出の禁止を支持することを示し、米ソニー社もまた有害電子廃棄物の途上国への輸出を禁止することを明確にしてBANと電子機器引取り連合との約束に署名している。他の製造者もまた同様に署名し、国内における無料の引き取りプログラムを提供することによって彼らの製品に対する責任を果すことを開始すべきであるとウェスターベルトは述べた。彼女は、米ソニー社を消費者が古いソニー製品を地域の引き取りセンターに単に持ち込めば、そこで責任を持ってリサイクルする電子機器製造者の一例として挙げた。ソニーは現在、無料での全国引取りプログラムを提供する唯一の主要テレビ製造会社である。

更なる情報:  電子廃棄物の脅威に関する更なる情報についてはナショナル・グラフィックの記事を参照ください。
 中国に送られた電子廃棄物中の鉛がどのようにして中国からアメリカに輸入された子どもの用品の中で使用されているかについての詳細はウォールストリートジャーナルの記事を参照ください。
さらなる廃棄の動向、健康への脅威、及び解決策の提案に関しては、Sarah Westervelt at (206) 652-5751に連絡ください。



化学物質問題市民研究会
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