BAN 有害廃棄物ニュース 2006年2月13日
インド最高裁 クレマンソー号に赤信号

情報源:BAN Toxic Trade News / 13 February 2006
SC shows red flag to Clemenceau
by CNN-IBN (India)
http://www.ban.org/ban_news/060213_red_flag.html

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会
掲載日:2006年2月14日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/basel/BAN/06_02_13_Clemenceau.html



 【2006年2月13日(ニューデリー)】ついに、議論沸騰中の有毒物質積載のフランス戦艦クレマンソー号について判断が下された。インド最高裁は廃船戦艦クレマンソー号は2月17日まで、インド水域に入ることを禁止したと述べた。

 最高裁はまた、この船に反対又は賛成するどのようなデモも記事も禁止するとし、そのようなデモはメディアによるミスリードを招き、それは法廷を侮辱することになると述べた。

 この判断の発表に当り、最高裁は、自身の監視委員会の報告書を却下したが、その報告書はクレマンソー号がインド水域に入ることは許可できるとしていた。

 最高裁は、監視委員会は同船に積載されている有毒廃棄物について決定できる専門家のグループではなかったと述べた。中央は、戦艦の建造と解体に詳しい海軍の専門家からなる新たな委員会を設置するよう命令を出した。
中央は、委員会は4〜5人の造船所で働くメンバーを入れるべきであると述べた。

 ”我々は、この船の建造時(1961年)の仕様がどのようなものであったのかが知りたい”−と判事SH カパディアはこの戦艦がグジャラート州の解体所で解体が許可されるべきかどうかについての公聴会で述べた。

 最高裁は退役海軍士官からなる組織を任命し同船の積載物と同船がどのように建造されたのかを調べるよう求めた。
 ”我々は国防省の見解を知りたい”−ともう1人の判事アリジット・パサヤットは述べた。
 最高裁は次回の17日金曜日の法廷までにその情報が必要であると述べた。

 2月12日(日曜日)にCNN-IBNは、監視委員会のメンバー11人中7人は同船がインドで解体されることに賛成していると報じた。
 同委員会のメンバーは先週、同委員会はグジャラート州のアランで同船を解体することを許すかどうかで意見が割れ、ニューデリーの最高裁には2つの報告書を提出したと打ち明けた。

 フランスは、同船はがんを引き起こすアスベスト保温材45トンを積んでいると述べている。
 しかし、同船を一部解体したフランスの会社はアスベストの残量は1,000トンに達すると述べている。

 活動家らは、役務を終えた多くの廃船が、インド、バングラディシュ、中国、パキスタンに送られ、防護もない労働者らにより解体され、人の健康と環境に重大な脅威を与えていると主張している。

 委員会のあるメンバーは、”ある条件が適切に取られているなら”そのような船が解体されることに反対しないと述べたと同委員会のメンバーである科学者クラウデ・アルバーレは述べた。
 ”7人が賛成で3人が反対、1人は欠席であった。だから両方の意見を反映した二つの報告書が最高裁に送られた”とアルバーレは述べた。
 ”結論が得られず、従って報告書が分かれた”と委員会のメンバーであり州の国家環境研究所の所長であるスクマール・デボッタは述べた。

 しかし、環境活動家らは、アスベスト積載のフランス退役戦艦は環境に対し大きな危険をもたらすと感じている。

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