TopPage  Back


「惑星」と絶対音感

(98・10・13掲載)


まず、ここをクリックして下さい。

click here


 っと、いきなりへたくそな小説もどきを読まされて気分が悪くなった人ごめんなさい。「絶対音感」という本が空前のベストセラーになってしまったおかげで、音楽には全く無縁なメディアまでもが絶対音について語るようになってきました。ただ、マスコミの常で、著者の考えとは全く無関係な騒がれかたをされているのにはいささか辟易とさせられます。なかには絶対音感がないと音楽家にはなれないと本気で信じ込んでいる人もいるそうですね。そこで、私なりに小説仕立てで「絶対音感」の実態にせまってみようと思ったわけです。
 ここに登場する主人公は、別に際立った才能があるというわけではなく、ただ小さい時にヤマハの音楽教室で絶対音の訓練を受けていたことがあるというだけのことなのです。そのため、彼女は音の絶対的な高さが判ることがごく自然なことだと思っています。
 この小説のシチュエーションに戻ってみましょう。カーラジオから聞こえてきたのは「木星」のアンダンテ・マエストーソの例のテーマです。彼女にはこういう風に聞こえているはずです。

 

 一方、米良美一は大嫌いな彼女でも、あれだけヒットした「もののけ姫」のテーマ曲ぐらいは頭に入っています。久石譲が作った曲の最後はこうです。

 つまり、彼女が「似ている」と判断したのは、単に同じメロディーだと思ったのではなく、双方に同じ高さの音が含まれていると認識できたからなのです。
 確かにこうやって楽譜を比べてみれば、この2曲のメロディーが全く同じ音で出来ていることは一目瞭然、何の疑いもなく「似ている」と言い切れます。ところが、私のように絶対音感など持ちあわせていない人にとっては、耳だけでこういう認識作業を行うのはとても困難なことなのです。現に、耳にタコができるほど「惑星」を聴いていたにもかかわらず、これが「もののけ」に似ているなんて思いもしなかったのですから。娘に指摘された時もマジで「どこがぁ」と思ったものです。(あっ!バレてしまった。せっかくここまで引っ張ってきたのに。)


 TopPage  Back

Enquete