店の主は空になった2本目の壜の横に3本目を置くと感嘆したようなそれでいて呆れたようなまなざしをしてオスカルを見た。オスカルは壜を手に取り、ラムをゴブレットに注ぐとそれを持ち上げた。

 「アクア・ヴィタ。」
主の驚いたような顔を見て、オスカルはニヤリと笑った。
 「ラテン語だ。オー・ド・ヴィ(命の水)だよ。」
主はそれを聞くと納得した様子で頷いてから懐かしむような顔をした。
 「俺のジイさんが強い酒をそう呼んでいたよ。ラテン語とはねえ。 」

オスカルはゴブレットの中身を見た。
 「ブランデーやこのラムのような蒸留酒を作り出したのは、中世の錬金術師だ。」
 「確か金を作り出そうとした奴らだろう?」
 「ああ。彼らは金を作り出す為に必死に研究を重ねた。しかしとうとう金は作り出せなかった。」
 「哀れな奴らだな。」
主の言葉にオスカルは笑いながら頷いた。

 「だが化学の進歩には貢献した。火薬に磁器、彼らの成果は数え上げたらきりがない。蒸留酒もそうだ。だが、彼らはそれをただの酒だとは考えなかった。彼らはアクア・ヴィタを作り出したと考えた。」
 「命の水だろう?つまり・・・万能薬とかそういうものだと思い込んだのか。」
オスカルはニヤリと笑った。
 「もっと凄いものさ。不老長寿の秘薬だよ。」
 「不老長寿!それはまた大層な。」
 「つまり、いくら飲もうと問題はない。これはアクア・ヴィタ、不老長寿の秘薬だからな。」
オスカルは楽しげに笑うと乾杯でもするようにゴブレットを高く持ち上げてから口を付けた。それを見て主は苦笑した。

 「何でも飲む為の理由にすりかえちまう。あんた、根っからの酒飲みだな。まったくアンドレとは正反対だ。」
それを聞いてオスカルは少しだけ顔を曇らせた。
 「余り飲まないんだ、アンドレは。わたしと一緒の時は特にそうだ。」
 「あんたぐらい飲むと逆に心配で飲めないかもな。」
 「わたしは酔いつぶれたことなど一度もない。」
オスカルは酒を飲み干してまたゴブレットに酒を注いだ。
 「なのにアンドレときたら、少し飲んだだけで、もううるさい、うるさい。まったく!ガキの頃から心配性で困る。」
オスカルはムスッとした様子でそれだけ言うとまたしてもグイと酒を飲んだ。主は苦笑した。

 「付き合いは長いようだな。」
 「一緒に育った。」
 「へえ、一緒にねえ。」
 「アンドレは兄のようなものだ、少々頼りない兄ではあるがな。特に酒に関しては話にならん。」
オスカルは溜息混じりに言った。
 「あんたと比べたら、誰だって頼りないさ。」
オスカルは主を横目で見た。
 「誰もわたしと同じだけ飲めとは言っていない。そうではなくて・・・」
オスカルは残念そうな顔をすると一口飲んだ。
 「アンドレには酒の美味さが分らない。」

主はオスカルの目の前にある空の壜を手に持った。
 「酔う為に飲むというと言いすぎかもしれないが、酔う雰囲気を楽しみたいから飲むのさ。だがこれはアンドレに限った事じゃない。大方がそんなものさ。」
主は答えた。
 「つまらん。」
オスカルは不服そうに言うと酒を飲んだ。主は壜を片付けながら言った。
 「気持は分るさ。美味い酒を1人で楽しむのも悪くはないが、やはりその美味さを分って共有するのも楽しみだからな。」
 「だろう、だからわたしはアンドレにも・・・」
それから何か思い出したのかオスカルは顔をしかめた。主は怪訝そうにオスカルを見た。

 「少し前、素晴らしい酒が手に入った。」
オスカルは一口酒を飲んだ。
 「モルトだ。スコットランドの北部、西の・・・」
 「アイラの密造酒か!」
主が叫んだ。オスカルは驚いた顔をしたが、すぐに嬉しそうに頷いた。
 「そうだ。それも普通のじゃない、普通のモルトよりとろりとしていてピートの香りがとても強いのだ。それと海の香りだな。これが強烈なのだよ。」
 「好みの分かれるところだなあ。それに強烈に喉にきそうだな。」
 「それは否定しない。だがな、」
 「分ってるさ。アイラ島産モルトの特徴だ。あのグラスに移した途端広がる、海の香りを含んだスモーキーな独特の風味と濃厚な味わいは癖になるからな。」
主の同意を得たので、オスカルは嬉しそうに笑うと思い出しながら続けた。
 「だがその中に甘さが隠れている。これがいい。そして飲み終わったあとの余韻が長く続くあの感覚が・・・忘れられないな。」
 「いいねえ。」
主はうっとりと言った。
 「だろう、いい酒なのだ。」
だが彼女の顔はすぐに曇った。
 「なのにアンドレは一口飲んだ途端・・・」
 「・・・水で割ってくれだろう?」
オスカルは主を見ると呆れ顔をした。

 「ここでも言ったのか!」
 「さっきも言われたばかりさ。」
 「もしかしてラムか?してやったのか!」
 「まさか。さっきも言ったとおり、水割りの酒なんぞ出したら店の信用に関わるからな。」
主は答えた。オスカルはそれを聞いて云々と頷いた。
 「それ以前だ。酒に対する冒涜だぞ。」
 「その通りだ。だが・・・」
オスカルは主を見た。主は少し悲しげな顔をするとアンドレを見た。
 「今日だけはそうしてやればよかったと思ってる。」
それを聞いてオスカルもアンドレに視線を移した。

 「来た時からおかしかったんだ。」
主は顔を曇らせた。
 「何かに追い立てられるようにやって来て、1杯目のあとすぐに2杯目を頼んで、それからまるで水みたいにして立て続けに飲んだ。いつもはこんな飲み方しない。女と何かあったのだろうと想像はついたんだが・・・」

オスカルは驚いて顔を上げた。店の主は気まずげな顔をした。
 「聞いた訳じゃない。ここじゃ女の話など一切しなかったし、それどころか女の話になるといつも話を変えようとするか、無理に笑って誤魔化した。だからまあ。」
主に気遣わしげな表情が浮かんだ。
 「多分、いい恋じゃないんだろう。」
彼はそう言ってアンドレの顔を見た。

オスカルもアンドレを見た。
 「わたしにも・・・言わなかった。」
すぐに表情が沈んだ。
 「そうじゃないな。」
オスカルは呟いた。主はオスカルを見た。オスカルはゴブレットの中身に視線を移した。
 「時々、何か言いたげにした。それなのにわたしは・・・」

ゴブレットを見つめたままのオスカルの口元が歪んだ。
 「聞けたのに聞かなかった。」
オスカルはゴブレットの中身を飲み干した。壜を手に取り酒をゴブレットに注ぐ。彼女がゴブレットを持って口を付けようとした時、オスカルは主の視線に気づいた。彼女は主を見た。

 「相手は同じか?」
主は尋ねた。それを聞いてオスカルはびっくりした様子で主を見つめそれからすぐに苦笑した。

 「それは有り得ない。絶対無い。」
 「そう思わせてたのかもしれないぜ?」
主は遠慮勝ちに返した。オスカルはクスリと笑った。
 「絶対にない。ややこしいから話さないが、それだけは不可能なのだよ。」
オスカルは主の様子を見て苦笑した。

 「言っておくが、わたしには同性愛とかの趣味はないからな。アンドレがわたしに話さなかったのは・・・」
彼女は口篭った、だがすぐに 「報われぬ恋だと言葉にすれば尚更辛い。」 と呟くように答えた。
主はオスカルを見つめた。
 「話したところで何も変わりはしないか。だが、話して楽になるって事もあるぜ?」
彼女はその問いに答えず視線を逸らすとグラスを見た。

 「かもしれないな。」
彼女はぐいと中身を飲み干してから主を見て口元を歪めた。
 「だが、わたしの有様では話せなかったのだろう。わたしは・・・」
オスカルは空のゴブレットを悲しげに見つめた。
 「自分の事で手一杯、親友どころか友人失格だ。」

主は何も言わなかった。彼は棚からグラスと壜を取った。
 「もう踏ん切りつけちまった方がいいって事さ。」
主は壜の蓋を開けながら言った。オスカルは主の顔を見た。主はオスカルのグラスに酒を注いだ。
 「おごりだ。」
主は言った。それから新しく出したゴブレットにも酒を注いだ。彼はそれを持つと一口飲んだ。

 「苦しむのは一時だ。そのうち日々の忙しさに少しずつ埋もれていく。で、気づくと悩んだのが嘘のようで隣には別の女がいて、ああ、これが俺の本当の相手だったのだと分るのさ。」
 「・・・経験談か?」
 「・・・聞いた話だ。俺にはそういう経験がない。」
酒場の主はそっけなく答えるとゴブレットに口を付けた。オスカルはクスリと笑った。

 「恋愛のか?」
オスカルはからかい混じりに尋ねた。主はゴブレットから口を離すと、少しむっとした表情をしてオスカルを見た。
 「俺には思い詰めるほど女に惚れた事がないだけだ。」
 「分っているよ、悪かった。」
オスカルはそう言ってグラスの中身を飲み干した。主は無言のままはオスカルの空のグラスに酒を注いだ。
 「メルシ。」

オスカルは礼を言うと、一口飲んだ。すると主はすぐに酒を足した。オスカルは主を見ると、主は“飲まないのか”という顔をして彼女を見ている。オスカルは苦笑すると3口ほどでそれを飲み干した。主はまた酒を足した。

 「わたしを潰す気か?」
 「潰れた事がないんだろう?たまには潰れてみるのもいい経験だぜ。アンドレのように。」

主はそう言ってアンドレを見た。オスカルは隣で突っ伏すアンドレを見ると苦笑した。それから彼女はゴブレットの中身を一息で飲み干した。主はまた酒を注いだ。オスカルは黙って飲んだ。それが何度か繰り返された。

 「どうやら止んだようだな。」
ずっと無言のままだった主が不意に呟いた。オスカルは窓を見た。彼女の来た時からちらちらと降り続けていた雪は、いつのまにか止んでいた。

 「降り続いて積もらなくて助かった。この時期から雪掻きはしたくないからな。」
 「そうだな。」
オスカルは答えて、酒の注がれたゴブレットを見つめた。

 「諦めたら・・・楽になれると思うか?」
オスカルは唐突に口にした。
 「当たり前だろう。諦められるような相手なんだ。」
オスカルは顔を主に向けた。主は何事もなかったように自分のゴブレットに酒を注いだ。
 「それだけの相手だった。だからそれができる。」
主はそう言って手に持ったゴブレットの酒を飲んだ。オスカルは主から目をそむけると再びゴブレットを見た。

 「それだけの相手・・・か。」
 「そう、それだけの相手。いつか思い出に変わり、懐かしく思い出せる相手だ。」
オスカルはゴブレットを見つめた。
 「そうだったらいいな。」
 「だが、それが出来なかったらアンドレと同じになるぜ。」

オスカルは顔を上げて主を見た。主はゴブレットの中身を飲み干すとアンドレに視線をやった。
 「こいつは諦める気なんてない。報われなくても、どんなに苦しもうとそれでもいいと思ってる。」
オスカルもアンドレを見た。

 「うちへ来るようになって、かれこれ10年になる。よくは分からないが、その頃にはもう、女はいたと思う。多分その前からだ。断言出来る訳じゃないが。」
 「まさか・・・」
オスカルは言いかけたがアンドレの顔を見るとやめた。かわりに彼女は手に持ったゴブレットを見た。

 「昔・・・本当に昔だ。アンドレに結婚を勧めた事があった。」
暫くして彼女は言った。
 「いい娘だったのだよ。本当にいい娘で、アンドレには似合いだと思った。」
オスカルは主に笑って見せた。たがすぐに笑うのを止め目を伏せた。

 「だがアンドレは、ろくに話も聞かず誰とも結婚なぞしない!とすごい剣幕で・・・・何故そこまで頑なに拒むのが理解できなかったが・・・」
オスカルは自嘲するかのように笑うと 「駄目だなわたしは。何も見えていない。」 と言ってゴブレットに口を付けた。

 「どんな女だろう?」 主は呟いた。
 「そうだな、一体誰だろう?」 オスカルも呟いた。
 「そこまで思いこめるんだ、きっとただの女じゃないぜ。」
オスカルは不意に顔を曇らせた。主は気づいてオスカルを見つめた。オスカルは主の視線に気づくと苦笑した。
 「いや、妖婦とか悪女は無しにして欲しいと思ってな。」
オスカルの言葉に主も頷いた。

 「でもまあ、ただ一つ言えるのは絶世の美女だな。それだけは間違いない。」
 「・・・理由は?」
 「どんな女にも微動だにしないだろう?」
 「そうか?こいつ美人には結構弱いぞ。」
 「そりゃ男なら誰だってそうだ。そうではなくて、もっと根本の話だ。ここじゃ酒が入ってるだろう?だから本音が、露骨に分かる時があるんだよ。どんな女でもお呼びじゃないって感じだな。他の女じゃ到底満足できないというような。」
 「そうなのか?」
 「ああ、呆れるくらいさ。」
それから主は心底残念だという表情をして見せた。

 「この前もいい女が露骨に誘ったんだが見向きもしなかった。本当にいい女だったんだぜ?そそられるようなゾクゾクするような女。もったいない。俺ならあんなお誘い、絶対に断れないね。」
その様子にオスカルは苦笑するとゴブレットの中身をぐいと飲み干した。
 「だから、絶世の美女か。」
彼女は遠くを見るようなまなざしで答えた。
 「それか、原因はあんただな。」
それを聞いてオスカルは不思議そうな顔をして主を見た。

 「あんたみたいなのを見慣れてると、並みの美女には動じないだろう?」
 「・・・誉め言葉と受け取るべきか?」
オスカルは苦笑しながら尋ねた。主は深く頷いた。
 「それにさっき女と間違えて抱きついたろう?だからあんたに似てるのかもと・・・そういやあんた、姉妹はいるか?もしいるなら話は違ってくるぜ?」
それを聞いて、オスカルはまたしても苦笑した。

 「姉ならいるがそれはない。先程は酔っていたから顔の判別も付かなかっただけだろう。」
 「それはまあそうだろうが、髪の色と手触りを確かめるようにして口付けしたろう?あの様子からするとなあ。相手はあんたと同じ、見事なブロンドだな。」
主の言葉に、オスカルは不機嫌な様子でグラスの中身を飲み干した。オスカルはゴブレットを置くと小さく息をついた。

 「アンドレが知ったら暫く立ち直れないだろう。選りによってわたしを間違えるとは!」
 「それはまあ・・・そうだろうな。ホントに相手があんたならよかったんだろうが・・・・」
オスカルは驚いた様子で主を見た。
 「もしあんたが女だったらの話だ。」
主は慌てて答えると困ったような顔をした。

 「気を悪くしないんで欲しいんだが・・・実を言うと、扉を開けてあんたが入って来た時、一瞬男装した女かと思ったんだ。いや、すぐに分かったさ、態度や仕草は女のそれじゃない。それに目が違うんだ。女の目付きじゃない。」
オスカルは苦笑すると壜を手に取った。

 「目付き、か。」
 「ああ、どんな嘘も見破られちまうようで恐ろしい。」
オスカルは答えなかった。蓋を開けて中身をゴブレットに注いだ。それから自嘲でもするような表情をした。

 「つまり、わたしのような女なら最低ではないのか?」
 「いや。もし女ならどんな男もイチコロさ。」
 「恐ろしいのにか?」
 「女ならもう一つ射抜くからな。」
 「もう一つ?」
 「ああ。」
 「何を射抜くのだ?」
オスカルは尋ね返した。主は苦笑するとゴブレットに口をつけた。

 「説明するのはちょっとなあ。」
 「もったいぶるような事なのか?」
オスカルは主を睨んだ。
 「いや、そうじゃない。もしかしたら気分を害するかもしれない。」
 「もう十分、害しているが?」
オスカルは答えた。それを聞いて、主は肩をすくめた。
 「そりゃそうだな。だけど怒るなよ。」
主は前置きするとエヘンと咳払いした。

 「もし、あんたが女なら男心を射抜くんだ。だから!そんな顔するなって!!言っただろう!気分を害するかもしれないって!」
 「呆れているのだ!なんだその男心を射抜くというのは!」
 「言葉どおりさ。」
 「訳が分らん!」
主は自分を睨むオスカルを見て、ははは。と笑うと 「謎の多い女は男心をくすぐるだろう? 」 と答えた。

 「つまりわたしが男か女か分からず謎めいているとそういう事か?」
 「いや、そうじゃない。あんたは不思議だよ。男だと分ってるのに、男じゃなくて不意に女に見える時があるんだ。それが何というかゾクゾクッと・・・だから!あんたは男だろう。変な心配はしなくて・・・」

主は急に押し黙り、オスカルも気づいてアンドレを見た。アンドレは身体を起こしていた。オスカルは声をかけようとした。その時、アンドレはオスカルのゴブレットを掴むと中身を全部飲み干した。それから力任せにゴブレットをカウンターに置くとすぐにまたつっぷした。しかしゴブレットから手は離していない。

 「もう一杯。」
アンドレは言った。2人は顔を見合わせた。
 「もう一杯!」
アンドレは主を見た。目が完全にすわっていた。しかし主は驚く風もなく酒場の主らしく慣れた様子でアンドレに答えた。
 「分かった、分かった。ちょっと待ってくれ。」
主は答えるとオスカルに目配せした。オスカルは頷いて立ち上がる。

 「よし、アンドレ。ここには酒はない。今からある所に連れて行くから、立てるか?」
 「勿論、大丈夫だ。」
アンドレは答えた。口調はしっかりしていた。しかし、口調とは裏腹に足元はおぼつかなかった。倒れそうになるのをオスカルが慌てて支える。

 「大丈夫かアンドレ?」
オスカルが声をかけた。するとアンドレは俯いたまま笑った。

 「・・・・パルスヴァル。」
 「どうした?」
 「飲みすぎた。」
 「そうか、そうかもしれないな。歩けるか?」
 「ああ。」
アンドレは手で顔を押さえた。
 「悪いがそちらのドアを開けてくれ。」
主はオスカルに声をかけた。オスカルは扉を開けた。

 「アンドレ、階段を上るからな。」
それから主はオスカルに声をかけた。
 「暗いから気をつけてくれよ。」
 「アンドレ、大丈夫か?」
オスカルが声をかけた。

 「ひどいな。飲みすぎだ。」
アンドレは呟いた。
 「アンドレ、足上げろ。」
アンドレはおぼつかない足取りで言われるままにした。
彼はまた 「飲みすぎだ。」 と呟いた。

アクア・ヴィタ
Aquavitae。ラテン語で「命の水」の意味。フランス語ではオー・ド・ヴィ Eau de Vie。モルトウィスキーやブランデーなどの蒸留酒のことをこのように呼ぶらしいです。
密造酒について
当時の英国では、酒税が異様に高く、この為に全国各地で密造酒作りが盛んに行われたそうです。それまでは色も味も画一的だったウイスキーですが、密造されたものは、その土地土地で蒸留方法・風土など違いにより色も味も匂いも千差万別。これが現在のようなモルトウィスキーになった原因とも言われています。ちなみにアイラ島産のモルトウィスキーはとても個性的で好き嫌いがはっきりと分かれるウィスキーのようです。また当時からモルトと呼ばれていたかは不明です。