7.娯楽

娯楽施設としてはジェッダにはボーリング場が1軒だけありました。ボーリング場では1番端の1レーンが他から見えないように仕切られていて、家族連れ専用になっていました。女性はこのレーンでのみプレーできるのです。

その他の娯楽としては時々、海水浴に行きました。アラブ人は海水浴の習慣が無いので泳ぐのは欧米人だけです。欧米人は基本的に日光浴が好きなので、こんなサウジでも日光浴をしています。女性もビキニ姿で寝転んでいますので、アラブ人の労働者が大勢乗ったおんぼろ車が傍を行ったり来たりして覗いていました。

紅海の海岸は遠浅で、海岸線から100m位は腰までの深さしかありません。そこから急に深くなります。海岸線には珊瑚礁が沢山あるので怪我をしないように運動靴を履いて泳ぎます。潜水すると熱帯魚が沢山泳いでいるのが見えてとても綺麗でした。ホテルなどのプールでは水泳するのは欧米人だけでしたが、男女混浴は厳禁で、時間制で分けていました。




紅海の海岸

ジェッダにはイギリス大使館の敷地の中にゴルフ場がありました。私は行く機会がありませんでしたが、砂漠地帯ですのでグリーンは盛り土したところにコールタールを流して作り、ボールは赤いペンキを塗り、ボールを打つためにはゴルフの練習場で使っているような小さなマットを持って歩きます。

日常の娯楽としてはレンタルビデオが普及していました。日本人向けに日本の会社がビデオテープのレンタルをしていました。会員制で、一月3万円ほどで1週間に4本借りられました。これらは日本で放映された、水戸黄門等のドラマとか、歌謡番組を録画した海賊版でした。私の住んでいた家にはヨーロッパ方式のビデオセットしかありませんでしたので、日本のビデオを見る時はモノクロでしか見えませんでしたが、その代わり、ヨーロッパ製のビデオはちゃんと観賞できました。

アラブ人向けの娯楽施設というものは全くありませんが、週末になるとショッピングセンターに行ったり、レストランに行ったりしていました。また、郊外の砂漠や海岸で、家族そろって敷物に車座に座ってピクニックをしている光景を良く見かけました。
テレビ番組は総てアラビア語で、時々英語のニュースも放送していました。エジプト製のドラマ、アラブ音楽の番組などが多く、お祈りの時間になるとモスクの情景を放送していました。


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