メイヤメイヤ 9

 1998年5月号 

目次
学芸会がありました (近況最新情報)
あとです
ワタシ コロス アナタヲ
引越しへの道 (第3回)
「開けてください」「閉じてください」 〜闘病記復活〜
美しいカイトベイ->

学芸会がありました (近況最新情報)

ST.マルコでは、2年に1回行われる学芸会がありました。そのため、生徒達はその練習にかかりっきりになり、体育の時間も学芸会の練習に変更になりました。

私の方もその間は、学芸会の準備を手伝っていました。

ST.マルコは女性の先生が多いため(女性12名に対して、男性は私を含めて3名)、私の仕事も力仕事が主で大きいダンボールを運んだり、学芸会で使う道具の色を塗ったりしました。

月末に学芸会がありました。会場は生徒の父兄や関係者など約200名ほどが集まりました。折角の機会ということで、マンスーラ(アレクサンドリアからバスで約3時間)からあとげんが、そして、カイロからは恭子先生もわざわざ見学に来てくれました。

学芸会は国歌斉唱で始まり、楽器演奏、ダンス、そして古代エジプトの劇など約2時間あり、生徒達はのびのびと楽しく演じているようでした。

私もとても楽しい時間を過ごすことが出来ました。

4月から体育も普段通りあるのですが、4月は休日が結構あり、またのんびりした月になりそうです。ちなみに、私と、あとげんと、川又さんもその休日を利用して国内旅行に行く予定です。

プールの方はまあぼちぼちといったところでしょうか。アンフーシークラブの初心者クラスの方は、以前は水に入るのも嫌がっていた子供が、最近少しづつ水を怖がらなくなったということが、進歩といえば進歩でしょうか。

他の子供達も、相変わらず私の言うことは聞いてくれませんが、少しづつ上達しているように私の目には映ります。私のアラビア語もそういう感じで上達してくれればいいのですが…

もう一つのスイミングクラブの生徒達も頑張っています。週に最低1回はまだまだ寒い海の中で泳いでいます。彼らをそこまでして駆り立てるものは一体何なのでしょうか?もし、私が生徒だったら間違えなくプールを辞めていると思います。彼らは海の中に入ると「氷みたいだ!」とか大騒ぎするのですが(当たり前です。だってものすごく寒いんですもの…)しばらくすると何事もなかったかのように泳いでいます。やっぱり、精神構造が少し違うとしか思えません。
精神構造が違うといえば、先日映画を見たとき、改めて「彼ら(エジプト人)って一体…」と首をかしげさせれれる出来事があったのですが、このニュースはまた次回で…
 

あとです

やはり、僕たちは珍しいみたいです。観光地だと見慣れた人も多いのでしょうが、僕たちが日頃生活しているところは窓から大音量でアラビア歌謡曲が聞こえる庶民の街。観光国とはいえ、外国人を見ることも少ないのでしょう。よく話しかけられ、どこの国から来たのか聞かれます。コウヘイにしては、バングラディッシュ人に間違えられたり、どう見ても日本人なのに、エジプト人に間違われたり、もしかしたら彼はエジプト人化してきているのかもしれないけど。日本に帰ったら、男の人と腕を組んで歩いてるかも。そうだったら面白いな。

ところで、僕が先日驚いたのは友人がお金儲けを始めたことです。ユースセンターの同僚と音楽隊会の会場に行ってたときの話です。案の定、そこに来ていた子供達が僕に色々質問してたんだけど、あまりにも多かったのです。50人ぐらいいたと思う。そうしたら、いきなり同僚が子供達に向かって「ふふん、日本人だよ。一回話すと50p、握手は25pだよー」と言って、みんな笑って、僕は「えっ?」って思って…。

とにかく、それくらい外国人は興味を注がれるのです。1円も儲からなかったけど。ああ、お金欲しいな。
 

ワタシ コロス アナタヲ

ワタシが体育を教えているST.マルコで、ザーヘル先生というとても明るい男の先生がいます。

ザーヘル先生は敬虔なクリスチャンです。その彼が最近日本語に興味を持ったらしく、暇な時間を見つけては「日本語教えて」と言ってくるようになりました。

そこで、私は「どんな言葉を知りたいの?」と聞くと、彼が知りたい単語は私が聞いたことのないアラビア語です。

私は、結局そのアラビア語が分からず、アラビア語7段のシスターに「ザーヘル先生は何を知りたいって言ってるんですか?」って聞きました。すると、シスターは「ザーヘル先生が知りたいのは「殺す」って単語よ」と教えてくれました。

普通、いきなり「殺す」って単語を覚えるか〜と思いつつ、面白かったので「それは「殺す」だよ」と教えました。

それ以来、彼は頻繁に、しかもすごいアクション付きで「ワタシ コロス アナタヲ」と言ってくれます。でも、それ以外の単語はなかなか覚えてくれません。「殺す」はあんなに早く覚えたというのに…

敬虔なクリスチャンであるザーヘル先生。これ以上変な日本語を知りたがらないで下さいね。
 

引越しへの道 (第3回)

「契約間近…」と前号では書きましたが、実は引っ越しは延期になってしまいました。

4月一臂(いっぴ)から引っ越しは実施予定だったのですが、まだ予算が下りていない状況らしいのです。

聞いた話によりますと、今は従来に比べて新規の予算が下りにくくなっているらしく、許可が出るまで時間がこれまで以上にかかるようになったらしいのです。これもODA削減の煽りなのでしょうか。

申請された予算の流れというのは、まず在外事務所(私の場合エジプト事務所)が必要と認めれば、エジプト事務所が東京の本部に申請して、それが承認されれば予算が認められるというものです。

現在は、東京の連絡待ちらしいのですが、これが時間がかかるのです…。結果が出るのは、早くて5月。遅くなると7月になるらしいのです。

エジプトは夏休みが6月から。そうなると、今住んでいるユースホステルは今以上に収拾のつかない状態になってしまいます。

ああ…1日も早く引越ししたいのですが…

どうなることやら…
 

「開けてください」「閉じてください」  〜闘病記復活〜

去年の暮れ頃から虫歯がひどくなり、最近では左側では一切物を食べれなくなってしまいました。今まで、何とか痛みをごまかしごまかし生活していたのですが、とうとう痛みに耐えれなくなり、歯医者に行く決心をしました。

しかし、決心したのはいいのですが、大切なのは病院選び。概して、開発途上国の歯医者事情というのは信頼がおけるものではありません。それは、衛生状況が良くないことや、虫歯は治療せずにとにかく抜歯してしまう。とかいう理由からです。ですので、私は、歯医者さんだけは慎重に選ぼうと肝に銘じていました。

幸い、アレクサンドリアにはアレキの医療事情に詳しい日本人の方がいらっしゃるので、その人達に相談にのっていただきました。

川又さんは「へぇ〜。喜田君。エジプトで歯医者ですか。勇気がありますね。武勇伝を期待してますよ」といいながらもアドバイスをしてくださいました。

結局皆様のアドバイスの中から一つを決めていくことにしました。

その歯医者は「SMILE DENTAL CENTRE」と、名前自体はかなり胡散臭かったのですが、マフルーシャを紹介してくださった千葉さん一家も利用している信頼のおける歯医者さんということでした。

とはいってもやはり異国(しかもエジプト)で行く歯医者ということで不安一杯でした。が、出て来た先生は感じのいい方で、歯科自体もとても清潔で安心しました。

その先生(ハッサン先生といいます)は、アメリカで医学の勉強をされたということで診察も英語で、また丁寧でした。
さらに、ハッサン先生は日本語も少し知っており、診察中に「開けてください」とか「閉じて」とか言っていました。

結局虫歯は神経を殺して、銀歯ではないのですが何かを詰めています。診察中も痛い思いはほとんどすることがありませんでした。私は、日本でも一回神経を殺したことがあるのですが、その時の**歯科の方がはっきり言って強引でした。

今ではすっかり虫歯も治っていい感じですが、最近右側の方が少し痛くなってきています。このままいけばまたお世話になりそうな予感がします。

ちなみに、歯医者さんは現地の物価水準に比べると高価です(お医者さんの技術レベルに値段も比例するみたいですが…)

私の治療総額は、7回通院して360ギネー(約14400円,一回あたり約2057円)でした。
 
 

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