メイヤメイヤ 8

 1998年4月号 

目次
少し忙しかったです (近況最新情報)
あとです
今月の中東情勢
引越しへの道 (第2回)
アレクサンドリアの街角->

少し忙しかったです (近況最新情報)

今月は、ラマダーンも終わったため、活動の方も仕事が結構あり割と忙しかったです。

ST.マルコは、現在3つのクラスの体育の授業を指導しています。初めの頃はクラスの雰囲気に慣れることで大変でしたが、最近少しは慣れてきたので、そろそろクラスの体育指導の計画も立てなければいけないなと思っています。しかし、まだ生徒の名前も覚えきれていない状態ですので、まずは、生徒達の名前と、彼らが何が出来て、何が出来ないのかの見極めを早くしないといけません。その上で、長期的目標を立てていくつもりです。

一応、今の予定では、一番年齢の上のクラス(12〜15歳くらい)は、ドッチボールやサッカーが出来るようになればいいなと思っています。楽しく体育の授業を受けてもらうためにはまだまだ工夫しないといけないところが山ほどあるので、自分自身勉強を怠らないようにしていきたいです。

プールの方は、アンフーシークラブの初心者クラスの方は、私が指導をはじめた時よりは、少しづつではありますが、進歩の跡が見られます(それが私の指導のおかげかは分かりませんが…)。

このクラスの生徒達の中にはまったく泳げない子供もいるので、練習も初歩段階です。何事も最初が肝心だといいますが、水泳の指導に関してもその通りだと私は思っています。ですので、今は簡単な練習を繰り返し行っています。しかし、現地のコーチの方々は、この基礎練習の重要性がなかなか分かってくれないようなのです。

私の指導を見ていて、現地のコーチの方が「クロールの練習をいれろ」とかいってくるのです。だってまだ、ビート板キックも上手に出来ないというのに…。

この前は、私が指導しているときに、言うことを聞かない私に業を煮やしたのか、他のコーチが割り込んできて勝手に指導をはじめてしまいました。

普段は(それほど)大声を荒げることのない私も、その時ばかりはさすがに憤りを感じ、練習時間終了後、文句を言いました。しかし、そこでの問題が、私の語学力の無さなのです。うまく思っていることを伝えることが出来ないのです。

あまりに悔しかったので、アラビア語よりは少しは話せる英語で文句を言いましたが、私の下手な英語を通訳してくれた人は、さらに英語が出来なかったため、私の真意は結局伝わらずに、歯痒い思いをしました。

しかし、「そこまで干渉してくるのならもう俺はこのクラスでは教えられない」と、いう私の気迫だけは伝わったらしく、それ以来、今のところは練習中は私一人で教えることが出来ています(まあ、いつまで続くことやらって感じですけど…)。

と、問題はまったくなくはないのですが、それなりに活動しています。とにかく、まずは語学力をしっかり身につけたいものです。
 

あとです

僕の憧れている人の一人にルパンがいます。モーリス・ルブラン作の怪盗アルセーヌ・ルパンです。ルパン3世も好きだけど、彼は少し現実離れしていて、原作のルパンの方がより身近に感じられます。なぜ好きなのか。それはただただかっこいいからです。どんなに不可能と思えることも実現してしまう頭のよさと行動力。忠義を重んじ、決してウソはつかない。人生をただ楽しく、思うままに生きている。僕は彼を見ていると、自分までなんでも出来るんじゃないかという怪しい魔力にさえ取り付かれるのです。もし、彼が今現在実在するなら、僕はきっと一味に加えてもらうでしょう(ただし加えてくれるなら)。人生を思うままに暮らせたらどんなにいいでしょう。僕もそういう風に人生を送ってみたいものです。

そのために、僕が最近よく思うこと。それは「お金持ちになること」です。お金が沢山あれば毎日ピアノを弾くことも出来るし、何より朝早く起きなくていいのです。ああ、素晴らしい!!

実は、青年海外協力隊の任期終了後には僕らには約250万円が溜まっているのです。僕はそのうち50万円を元手に競馬で大儲けしようと考えています。メイヤメイヤは皆さんとお酒を飲みにいったり、車を買ったりで、あっという間にお金が失くなるかもしれませんが、僕はそのころウハウハに違いありません。もし、お金が失くなった時にはぜひお知らせください。ルパンは貧しい人たちには優しいのです。広島でお会いできるのが楽しみです。

ここエジプトで生活していて、うまくいかず、壁にぶち当たることも多々ありますが、僕は本の中の彼、ルパンの夢や強い希望にしばしば勇気づけられます。困難は知恵と行動力で乗り越えられると、そんな気がしてくるのです。

お忙しい日々と思いますが、気が向いたときには一度読んでみてください。きっとあなたのハートが盗まれることでしょう。
(新潮文庫 モーリス・ブラウン作 堀口大学訳 ルパン傑作集T〜])

2人とも最近はよく本を読んでいます。メイヤメイヤなんか1週間に3〜4冊ぐらいは読んでる。しかも感情移入して。

ちなみに、エジプトに泥棒はあまりいないみたいです。
 

今月の中東情勢

皆様もご存知だとは思いますが、イラク問題で中東は緊迫した状況になりました。私たち、青年海外協力隊員も、何回かミーティングを行い、非常時の避難先などについて説明を受けました。とはいっても、エジプトは位置的にはアフリカ大陸に存在しているので、よほどのことがない限り非難したりすることはないだろうという話でした。

大変だったのは、本当に中東に住んでいる(シリアやジョルダンなど)隊員達でしょう。聞いた話によると、シリア、ジョルダン隊はクリントンの「戦争宣言」が出た時点で、ロンドンかパリか日本に緊急脱出する予定だったらしいです(少し羨ましかったりしました)。

今までは、フセインの話などがニュースで流れても自分達には関係ないことだと思っていましたが、今は中東情勢から目が離せません。

とりあえず、国連事務総長との話し合いの結果、戦争は起こらないと聞き一安心です。

しかし、何が起こっても不思議じゃないのがこの中東。日頃からニュースなどで情報をきちんと得ておこうと改めて思いました。
 

引越しへの道 (第2回)

来るべく4月の引越しに向けて、今月も2軒ほど新たな物件を見学させていただきました。

2軒ともいいところでした。そのうち1軒はトイレも2つあって、今の私の住んでいる家の10倍ぐらいの広さでした。でも、貧乏生活がしっかり板についてしまった私は、その家を見て「広いからお掃除大変そうだな」とか「広いと寂しくなるだろうな」と思ってしまって「住みたい!」とは、強く思えませんでした。こういうことを「怪我の功名」というのでしょうか。

やはり、前回見学させていただいたマフルーシャにしようと思います。現時点ではまだ予算の具体的な話は確定はしていないらしいのですが、どうやら希望通りの額がおりそうな雰囲気らしいです。そして、遅くても、4月中には待望の引っ越しも出来そうです。すべては伝聞形式の話になるのが残念ですが、まあ大丈夫でしょう。

そのマフルーシャも1人で住むには広すぎる部屋で、ベッドルームも2つあります。私が今まで見学させてもらったマフルーシャはすべてベッドルームも2つあり、ゆったりとしたところばかりで、一人暮らしには広いところばかりです。
この1人には広すぎる部屋には実は理由があるのですが、皆様はその理由がお分かりになりますか?ヒントはエジプト人の暮らしに関係しています。少し考えてみてください。

分かりましたか?

答えは単純なのですが、エジプトでは一人暮らしをする人がほとんどいないのです。エジプト人は基本的に家族一緒に生活しています。そして、子供達は結婚するまでは親元を離れません。結婚するときに貯めていたお金(エジプトでは結婚するためには多額の資金が必要なのです)でシャッカを買うため、一人暮らしを経験しません。

そのため、エジプトでは一人暮らし用のいわゆるワンルームマンションは借り手がいないため目にすることがないのです。

ですから、私が一人暮らしをしようとして家を探しても、必然的に大きなところになってしまう訳なのです。

エジプトは血縁関係、家族の繋がりを大切にするというのもうなずける気がします。

私の引越しをするであろうマフルーシャもそのため、結構広い部屋になるというわけなのです。分かっていただけたでしょうか?

今は、引越ししたときの自分への“引越しお祝い”を考えている最中です。今のところ、もし無事引っ越せたらエジプト産ビールを買い、部屋で1人祝杯をあげる予定です(もしくはあとげんと)。

次号では、契約間近のレポートをお送りする予定です。お楽しみに…
 

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