イスローさんのアレクサンドリア一人旅

9月26日 ここが我が家だモハメッド家
大量のお土産にホロッと来る 

 12時頃ユーセフマグディが来るって言ってたけど、結局1時頃なぜかターリクが訪ねてきた。ターリクは私の妹のプリクラを見せたらとても気に入って、「妹と結婚して日本に行く」と言い張る。そんな勝手な話って…。(写真の左がターリク、中がヤバーニヤ、右がマグディ)

 4時頃やっとユーセフとマグディが来た。今日はカイロに行くと言っていたので荷物のパッキングもして待っていたがどうやら仕事が出来たようで、私はとりあえず今日はモハメッドの家に泊まることになったらしい。その後カイトベイに行き、そのとなりの水族館みたいなところに行った。これが水族館と呼んでも詐欺罪に当たらないのだろうか。ただ普通の水槽に魚が入っているだけなのだ。私たちが入場するとサービスなのか大音量で音楽をかけてくれる。また、この音楽が場の雰囲気にあまりにも不似合いで笑ってしまう。

 その後、ユーセフがマンシェイヤのマーケットを案内してくれた。人一人がやっと通れるような路地の両側に店がぎっしり。宝石から衣類までいろんな店が並んでいる。お腹が空いたのでシャーイとサンドイッチを食べる。またまた、ピクルスを食べて満足。さらにマグディの店に行くと、アエイシの中に餃子の具が入ったような食べ物があって、また「食え食え」攻撃にあって参った。

 食べ終わったらマグディとターリクが大きな袋を目の前に出してきた。「何?」って言うと「まあ、見てよ」と言うので見てみると中にはお土産がたくさん入っていた。たくさんのパピルス、置物、アクセサリー、ペン、トランプ、小物入れなどなど、エジプトらしいものばかりだった。思えば私は全く買い物に行ってなかったので、それを察してか「これはオレとターリクからプレゼント。帰ったら家族や友達にお土産としてあげてね」と言っていた。これにはビックリしてちょっとホロッと来た。ユーセフがマーケットを案内してくれてる間にこっそり買いに行ってくれたんだもんね。

 今日も店は人の往来が盛んだ。誰か来る度に近所の喫茶店に「おーい、シャーイ3つ!」とか言って注文する。そうすると店員が銀色のトレーにのせて持ってきてしばらくすると回収に来る。店の椅子が足りなくなると喫茶店のを借りてきたり、喫茶店の存在というものがここの生活とは切り離せないものとなっているようだ。

 シャーイとは紅茶なのだが、こちらでは紅茶と言えばリプトンと決まっているらしく、街の街灯には「リプトン」の黄色い看板が至る所ぶら下がっている。ホノルルでマグディが紅茶を注文する時決まって「リプトンね」と言っていたのを「なるほど…」と思い出した。日本では紅茶と言えばいろんな葉の種類を楽しんだり、いろんなメーカーのものを試したりするけど、ここではリプトン以外の普及率は極めて低いのではないだろうか。しかも、陶器のカップではなく厚手のグラスに熱い紅茶を入れて飲む。そして、メチャ甘!!

 そして、シャーイときたらハシーシ。違法なのにこれほど公然と吸われているのには驚く。みんなハシーシを吸うためにビンやペットボトルなどを工夫していろんな器具を作る。モハメッドが新しい器具を作って「ザキ(賢い)だろ?」と言ってニヤッと笑う。ファルーに至ってはハシーシをそのまま食べている。大丈夫かい??

 夜9時頃モハメッドの家に行くと、今日は私が泊まるということで子供達が大喜びしていた。夕食はチキンの丸焼きとパスタだった。この前と同様チキンも手でつかんでちぎって食べる。ハナーンは料理が上手で何を食べてもおいしい。その後はまたもジュースやシャーイ、果物の猛攻撃を受け動けないほどお腹いっぱいになった。

 アフマドが帰ってきて「日本の映画」のビデオをを借りてきてくれた。確かに内容は日本の戦時中のストーリーなんだけど、出演者は香港人で、アフレコが英語で、字幕がアラビア語。しかもカンフーとかやってる訳の分からない映画で、ある意味とても笑える。

 みんなこれが日本だと思わないでね。案の定「カンフーできるか?」って聞かれたし。

 ジャッキー・チェンやブルース・リーはやっぱり日本人だと信じられている。

 この家にはプレイステーションがあって、モハメッドが楽しそうにサッカーゲームに興じている。他にもテレビ、ステレオ、私もまだ持ってないDVDもあり全て日本製。「全部日本製だよ。すごく高いけど日本のが一番だ」と言っていた。

 この夜、モハメッドの弟が遊びに来た。彼は英語を話すのだが、なにかモハメッドが私に頼みたいことがあるのでそれを通訳しに来たらしかった。その頼み事とは、自分はアメリカに行きたいのだが、エジプト人がアメリカに行くためにはビザの取得が難しい。ついては、私のアメリカ人の友達に頼んでアメリカ大使館に招聘状を書いてもらいたい、という内容であった。

 例えばアメリカ人が「古いエジプト人の友人に会いたいのでぜひアメリカのビザを発給してあげて欲しい」というような手紙を書いてくれれば行くことが出来るんだと言っていた。でも、会ったこともない人を友達だと偽ってそんな手紙を書けなんて頼めないし、もしモハメッドについていろいろ質問を受けて答えられなかったらその友人にとっても迷惑が掛かるでしょ、と言ったけど強引にパスポートのコピーを渡され「ここに名前とか生年月日とか書いてあるから」って。でもとても私にはそんなこと出来ません! 「マグディはグリーンカードも持ってるんだから頼んでみたら?」って言ったけど、マグディには言いたくないみたいだった。アメリカでグリーンカードも持っていて、またエジプトでも輸入をして稼いでいるマグディはみんなの憧れらしく、モハメッドも彼のようになりたいと夢を描いているのだろう。「自分の力でアメリカに行ってマグディを驚かせたいんだ」とも言っていた。

 眠くなったので洗面所でお化粧を落としてコンタクトの消毒をしたのだが、なにしろ何をするにも子供達が付いてくる。当然この時も興味津々の目で私の行動をじっと見ては「何それ?」って質問責めに。2時過ぎに就寝。

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