イスローさんのアレクサンドリア一人旅

9月20日 ゆったりとしたエジプトの時間の流れ
アザーンを聞きながら眠りにつく 

 時差の影響で6時に目が覚める。このアパート、景色は最高なんだけど目の前が大通りで車がひっきりなしに通り、しかもエジプト人はクラクションを鳴らしまくるのでうるさくてしょうがない。窓を閉めればいいのかと思いきや、なにせ建物が古いので窓がきちんと閉まらない。どんなに疲れていても道路に面した部屋では眠ることは不可能だ。(すぐに慣れるよ。:経験者、大家)

 シャワーを浴びることにした。お湯の蛇口はあるけどお湯は出ない。しょうがないので水シャワーを浴びる。夏だからいいけど冬はどうすんの?しかも、シャワーカーテンがないので水がジャージャー外に出て、横にあるトイレも水浸し。

 シャワーを浴びた後はタイルの上の水掃除と便座の水拭きがセットになって付いてくる。

 エジプトのバスルームってどこもこんな感じなんだろうか?

 トイレだって変わっている。ウオシュレットみたいな管がニョキッと出ていて、横に付いている蛇口をひねると水がピューっと出る。お湯ではない。ただこの管は日本のと違って出たり引っ込んだりするのではなくいつも出っぱなしの固定式なので、ときどきう○こがくっついてたりする。でも、郷に入らば…ということで試してみる。出てくる水は問題ないんだろうかという不安が頭をよぎるが、ここはエジプト式に「マフィーシュ・ムシケラ」(問題ない)ということにしておく。このあと日本のウオシュレットは温風が出てきて乾燥という段取りになっているが、そんなものがついているはずもなく、紙すらない。洗った後みなさんはどうしているのだろうという疑問が浮上。まあ、ドライな気候なのでそのままでもO.Kと言われればそれまでで…。

 ところで今日はどうなるんだろう? お腹空いたので外に買い物に行こうかとも思ったがその間にマグディが来ると困るし…。まあ、のんびりしよう。エジプトなんだし。

 午後2時頃、バルコニーで本を読んでたら食料を携えてマグディが来た。「昨日はごめんね。ミーティングが遅くなっちゃって。きっともう疲れて寝てると思って寄らなかったよ」って、あのねー…。「電話ぐらいしてよ」って言ったら、「だってここの電話番号知らなかったから。今日オーナーに聞いておくよ。」はい、是非そうしてください。(あのー、エジプトの人に段取りを期待するのは、、、:大家)

 一緒に食事をしてマグディは店に出掛けて行った。「7時に来るよ」と言い残して…。

 9時頃チャイムが鳴った。やっぱりね、と思いつつドアを開けるとマグディの友達のターリクが立っていた。なんでもマグディのお母さんが病気で、今病院に連れて行ってるから先に僕とご飯を食べに行こうといってマクドナルドへ出掛けた。エジプトに来て最初の夕食がマクドナルドか…。フィレオフィッシュを注文する。魚の味がちょっと日本とは違う。(エジプトでは家族がよく病気になります。ウソだと思うとホントです。でも、重症かどうかの基準はかなり違うと思われます。:大家)

 屋外のテーブルで食べたのだが、誰かがテーブルに食べ物を残したまま立ち去ると、どこからともなく男の子が現れてその残り物を持っていく。初めてそんな光景を目の当たりにして何とも言えない気持ちになった。いま、こうやってお腹一杯食べられることを謙虚に感謝しなければいけない。

 それからいったんアパートに戻ってシャーイを飲んでるとマグディが現れた。「外に何か飲みに行こう」と言うので出掛ける。しかし既に11時を回っているというのに外の賑やかさは何だ? そういえば以前ホノルルでマグディが言ってた。「アレクサンドリアでは一晩中お店が開いている。いつでも外で飲んだり食べたりできる。だから寝るのはいつも朝の6時頃だよ」って。どうもそれはホントのようだ。

 カフェに行くと偶然マグディの友達が2人いて同じテーブルについた。2人はステラというエジプト産のビールを飲んでいた。私もそれを注文してみた。日本のビールと比べるとコクに欠けるがおいしかった。マグディはイスラム教徒なので絶対お酒は飲まない。今日もノンアルコールビールを飲んでいた。「神を畏れているので」飲まないそうだ。じゃあ、後の2人は…?(それよりハシシはいいのか??:大家)

 友達の一人はアブダッラーといい、ビルをいくつか持っていて大金持ちらしい。奥さんも2人いて車はプジョーに乗っている。もう一人は雑誌の編集長をしており、他に自分で店も持っているということだ。結局4時くらいまで楽しく飲んでしゃべって帰った。少しでもアラビア語が話せるとみんな「上手だねー」といって喜んでくれる。また、みんな日本に対しとても良い印象を持っており、特に日本人女性は殊の外好まれるようだ。すぐに「姉妹や友達を紹介してくれ」なんて言われたりする。でも、予想以上に盛り上がった話題は「日本では死ぬと火葬になる」という事だった。

 こちらでは土葬なので珍しいのは分かるが、これを初めて聞いた人の反応はおもしろい。

 ビックリして吹き出すように笑うか、「ナヌッ!?」という顔をして「焼かれるのか…」と呟いたり。これ以後「日本人と結婚して日本に行きたい」などと誰かが言おうものならみんなから「死んだら焼かれるんだぞ」といってからかわれるようになる。

 しかしこちらの生活時間帯は相当ずれている。昼起きて食べるのが朝食。5時頃食べるのが昼食。夕食は9時過ぎ。だいたい午前4時位までが通常の活動時間のようだ。

 朝の礼拝への呼びかけ「アザーン」はちょうどベッドに入る頃聞こえてくる。

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