ブータン難民キャンプ・ルポ

UNHCRの研修で現地に行くことができました


ベルダンギ・キャンプでの保健・衛生活動

 9月22日、ベルダンギ・キャンプへ行く。ここは8つあるキャンプのうち3つが隣接しているもっとも大きく、また整備されたキャンプである。周囲は林や水田に囲まれた平地にあり、もとは放牧地であったため今も牛、水牛、山羊が我がもの顔で草をはんでいる。

 難民の住む小屋は土を盛り上げ、竹の柱を立て、壁と天井を竹で編んで作る極めて簡素なものだ。小屋床屋の間隔は狭くかなりの密集状態である。もちろん電気はなく、燃料は配給される灯油を使うことになっているが、供給は不足しているようだ。

 SCFの活動内容は大きく分けて治療としての医療と、予防としての衛生管理の2つである。医療はさらに一般を対象としたものと、母子を対象にしたものにわけられる。

 患者がまず訪れるのは、最寄りの BHU (Basic Health Unit) と呼ばれる簡易診療所である。ここには1名の Health Assistant と呼ばれる医療助手がいて1日70人から100人の診療をしている。病気はほとんどが感染症、またはビタミン欠乏症もしばしば見られた。BHU で治療が困難と判断されると患者は各キャンプに1カ所ずつ設置されている Health Centre にまわされる。ここには医者もいて5床ほどの入院施設も備えていて、重症例の治療が行われている。外科的処置を必要とするときは、キャンプの外にあるAMDA の病院か公立病院へと移送される。

 母子の健康管理には特に注意がはらわれており、妊婦、乳幼児の定期的な健康調査と補助給食の配布、予防接種、家族計画が行われている。

 衛生活動では難民の女性を中心にしたボランティアが毎日担当家屋を一軒一軒まわってチェックし、啓蒙活動をしている。

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