ネパール

2001.2.1-2.5
カトマンズ

午後7時成田発、シンガポールに深夜着き、空港で1泊した後、翌日午前11:30にカトマンズに着いた。 やはり、関空からの直行便と比べると、時間がかかる。
空港から市内はタクシーのただ乗りでいくこととした。 というのは、ホテルへの送迎タクシーが沢山待っているのだが、ホテルに泊まるかどうかは、部屋を見てから決めると言って、 ホテルまで行き、部屋が気に入らないからと言って出てくればいいのである。
実際は、タメル地区の比較的高いホテルに行くようにいって、途中で旅行代理店(もちろんべらぼうに高いツアーを言ってくる店) に寄るように言い、そこで、ツアーアレンジを頼むふりをして、案の定高い値段に決裂してその店を出てきて無事解放された。
まあ、こんな面倒なことをしなくても、タクシー代なんてネパールでは数十円なのではあるんだけどね。

時間がない中、ネパールのメインはやはりヒマラヤであるから、カトマンズはさっさと通過しポカラに行くこととした。
しかし、全く首都を見ないのもなんだから、16時発のポカラ行き最終便で行くこととして、 それまでカトマンズ観光をすることとした。近くの安そうな旅行代理店に入り、ポカラ行きの最終便を予約(これは67$の統一料金)。 その店のオーナーに市内観光を頼んだ。

まず、ダルバール広場に行った。ここはカトマンズの中心と言うべき場所であり,多くの歴史的寺院や宮殿が集まっている。 まず、奇妙な像であるカーラバウラヴを見た。これはヒンドゥ教のシバ神の化身だそうである。
そこから、ダルバールスクエア方向に行くと、ひときわ高くそびえるシヴァ寺院がある。 ダルバールスクエアには女神クマリの化身とされる少女が住むクマリの館がある。 ここには幼女が代々その主として住み初潮を迎えると交代するという。
スクエアの南には、一本の大木から作られ、カトマンズの語源となったと言われるカスタマンダブ寺院があった。

その後、ダルバールスクエアを後にして、スワヤンブナートという仏教寺院に行った。 ここは小高い丘の上にある古い寺院であり、ガイドによると4千年前に出来たと言う伝説があるとのことである。
ここからはカトマンズ市内が一望できる。なかなかの眺めである。
カトマンズでも最古の寺院だそうであり、別名モンキーテンプルという。 ガイドはもっぱらモンキーテンプルといっていたので、こちらの方が通りがよさそうである。

スワヤンブナートはカトマンズの西の端。空港や次の目的地パシュパティナートは東端になる。 直線距離はさほどではないのだが、なんとカトマンズ市内の中心はとんでもない渋滞であった。
幸いバイクの後ろに乗って移動していたため、まだ良かったが、カトマンズの道路事情はメチャメチャであった。 何車線あるのか解らない状態で、路肩走行もなんでもありである。排気ガスもひどく、市内の移動は大変である。
結局小一時間かかりパシュパティナートに到着した。

パシュパティナートは,ネパール最大のヒンドゥ教寺院。 インドで言えばバラナシのような場所である。火葬場があり、火葬された灰は聖なる川ガンジスの支流であるバグマティ川に流される。 寺院の中はヒンドゥー教の信者でないと入れないのだが、あやしげな行者がヨガのようなポーズをしてしたりと、一風変わった場所である。
ここから空港は200mくらいであり。あっという間に空港着。 行程4時間、全ての移動とガイド料で1000Rp(1US$=75Rp)というのは、後から考えると結構高く、 完全にぼられているが、仕事自体はきちんとやってくれたあたりが、インドとは違うところかもしれない。

その後、20人くらいの定員のプロペラ機でポカラに向かった。
このフライトは、言ってみればヒマラヤのシーニックフライトにもなっていて、それを考えればこの値段もうなずける。 時間もバスで6時間のところを30分で着くので、短期旅行のときは便利である。
カトマンズからポカラに向かうときは右側の席をとるのがポイントである。機内からの撮影でも、結構いい写真がとれる。 また、カトマンズ―ポカラ線は国内の小さな航空会社が沢山あって絶えずフライトがある。 大抵の便はく席があるので、直接空港に行けば、予約なしでも乗ることはできる。
逆に言えば、飛行機の予約をして、その時間で縛られるよりも、予約がない方が良いかもしれない。
プロペラ機であるので、初めは乗り心地を心配したが、さほど問題なく、無事30分でポカラに到着した。

ポカラ


カトマンズの標高は1400mであるのに対し、ポカラの標高は800m。 ヒマラヤの入り口の町であり、イメージ的にはかなり高い位置にあるように思うが、実はそんなに標高は高くない。
ネパール自体、ヒマラヤのイメージがあり、2月なんていうとかなり寒いのではないかと思ってしまうが、 実は日本より暖かくて、昼間は半そでで十分、
実際Tシャツの人も沢山いる。朝晩は冷え込むものの、日本のように木枯らしが吹くこともないので、 コートは要るものの、意外と寒くない。

空港に到着して、群がってきたタクシーを拾ってホテルへ行った(100Rp)。
パラマウントホテルという1泊500Rpのホテルに泊まる。部屋はホットシャワーが出て、結構きれいである。 ネパールの物価はインド並みであるので、安宿は50Rp位からある。それらに比べれば高級ともいえる宿である。 宿のレストランの食事は一食100Rpくらいだが、地元の人たちが食べる店では2-30Rpで十分食べれる。
まあ、この値段でケチってもしょうがないので、逆に安価な高級感を楽しむことにした。

ポカラでつかえる時間は、翌日と翌々日の昼まで。従って、あらかじめ全てアレンジすることにした。
そこのホテルでガイドを雇うことにして、翌早朝、サランコットに登り、サンライズをみて、朝食。 その後ポカラしない観光をして、午後にダンプスに登り、山頂で1泊。翌朝はダンプスでサンライズ。
その後下山して、ポカラに戻り、みやげ物などを買ってカトマンズに戻る、という日程となった。

その夜は近くのレストランに行き、ネパールダンスを見ながら食事。ネパール料理はやはりカリーであり、 かなりスパイシーである。味自体はスリランカやインドで食べたのと区別はつかなかった。 ネパールダンスはコサックダンスのようなちょっと変わった踊りで、ストーリー性を持つ踊りである。 テーマは恋愛ものが多く、分りやすく面白い。まあ、そんなにすごいものでもないけどね。
その日は、翌朝の登山を考えて早めに就寝した。

サランコット


早朝5:30に起床と言う予定だったが、雇ったガイドが起きない。私は自力で起きて、ドライバーも来たのだが、 クラクションを何度鳴らしてもおきない。そもそもサランコットにいくのにガイドなど要らないし、
サンライズの見なければ意味がないので、時間も勿体ないし、結局ガイドを置いていくことにした。 車でポカラから小一時間。かなり山の上まで登って行き、そこから登山開始。行程は30分程度である。 サンライズは6:30頃であり、ヒマラヤの山々が朝焼けに染まるのは7時過ぎであった。
山頂は1500mなので、さほど高い位置ではないが、山頂からはアンナプルナの山々がくっきりと見える。 この時期、若干もやがかかったように見えるのだが,そのもやから、太陽が昇ってきて、 周囲の山々のシルエットとなんともいえない美しい光景が広がっていた。
これだけでも、ネパールに来た価値があったと十分いえるものであった。 山頂付近には現地の人の集落があり、まさに山岳民族であるネパール人の生活が営まれていた。 ただし、子供達が観光客ずれしていて、お菓子や金を要求してきたことは残念であった。



市内観光



ホテルに帰って、早朝のガイドのサボタージュを厳しく追求をした。こういうのは、黙っていると調子に乗り、 日本人がなめられるもとになるので、徹底的に文句をいってやった。

さすがに相当恐縮していたが、失敗したのはすでに前金で金を払ってしまっていたこと。 やはり、こういったこともあるので、ガイド料は初め半分位渡して、終わった後に残りの半分を渡すというようにしないといけない。
昔はこの辺もっとシビアだったのだが、最近金に物を言わせて旅行をするようなことが多かったためか、大分甘くなっていた。 ちょっと反省。
しかし、立場上優位にたつことが出来たのはその後のいろいろな場面での交渉に有利に働いた。

朝食を取り、市内観光に出発。まず湖をレイクサイドからダムサイドまでボートにのって移動。 途中湖内の小島に登り、ヒマラヤを眺める。朝の登山の影響が残っており、すでに筋肉痛であった。
その後再びボートに戻る。のんびりとしたボートの移動はネパールの雰囲気にマッチしていてお勧めである。

ダムサイドでタクシーに乗り、Devis fallと言う滝に行った。観光地であり、滝壷は深いが、さほどすごい滝でもない。 その後、市内にある古く有名なヒンドゥ教寺院へいく。ティカをつけた地元の人々が多数お参りに来ていた。 建物自体はさほどすごいものではない。

そして、オールドタウンへ行く。 ここは昔のポカラの中心地でレンガつくりの古い独特な家々が並ぶ。 しばらく、ここで散策。当然のことであるが、ここからもヒマラヤが見える。 ポカラではどこからでもヒマラヤが見えるのだが、古い家並みとの対比も雰囲気があってなかなか良い。
次に、マヘンドラグッファと言う洞窟に行く。ポカラには自然洞窟がいくつかあり、 鍾乳洞となっているこの洞窟は水晶などの鉱物もある。近くにはもう一つBat caveと呼ばれるコウモリのいる洞窟にも入った。 中には写真のように沢山のコウモリがいる写真をとっても飛び立つことはない。 この洞窟は中で迷路のようになっており、狭いところがある。 出口はようやく人一人が通れる狭い穴であり、這い上がって出てきた。なかなか面白い。
その後,セティーガンダキと言う水路にいき、チベット村に行って、ポカラ市内観光は終了した。



ダンプス



ダンプスはアンナプルナトレッキングの入り口であり、ここから延々山々を巡って、アンナプルナのベースキャンプまで行ける。 もちろん8000m級の山に登頂するのは、トレッキングでは無理だが、 5000mくらいの場所にはトレッキングでも行けるようになっっている。
ダンプスの登山口のところで昼食を食べ、その後少し休憩した後、ダンプスに登り始めた。 標準時間は1時間半。登り始めて、ついつい追い込んでしまう。
いい加減なガイドがどの程度のものか試す意味でも、休憩もあまり取らずガンガン登っていった。 前半は前で引っ張って登っていくが、後半やはり日頃の運動不足がたたって、遅れがちになる。結局一時間で登ったものの、 ガイドはさすがにプロであり、途中少し息を上がらせたのがせいぜいで、勝負には残念ながら負けた。
あとで聞いたら、ここいらの山は何十回も登っているらしく、5000m級の山にも慣れているらしいから、 1800m程度の山を登るのは分けないことだったらしい。
山頂の宿にチェックインし、少し山頂から尾根を縦走。 アンナプルナ縦走の入り口まで行き引き返す。
山頂からヒマラヤのサンセットを見る。 残念ながら午後からはすこしか曇っており、もやもかかっていて、今ひとつであった。
夕食では、水牛の肉のカリーと餃子、ネパールの酒をのんで食を堪能した。


翌朝は6:00起床。うっすら明るくなっていた。サンライズポイントという小高い丘が近くにあり、 そこに行ってサンライズを見た。昨日のサランコットより、大きく見えるヒマラヤの山々が、昨日同様、朝日に色づいていく。 神秘的な瞬間である。再び感動する。ネパールは二日間ともに朝は天気にめぐまれラッキーであった。
サンライズを十分堪能したのち、下山となる。下山はほとんど小走りで25分ほどで降りた。 ここでもガイドと戦ったのだが、やはり着いていくのが精一杯であった。

その後ポカラにタクシーで戻り、ツアーは終了。 みやげ物屋に行き、アンモナイトの化石やら水晶やらのみやげ物を買って、空港に行く。ポカラはこれで終了。 ポカラのフライトは10時発。しかし、空港には9時に到着し、9時半のフライトがあったので、 少しでも早くカトマンズに戻ろうとして、フライトのキャンセルをしようとした。
すると、航空会社が違うので、キャンセルをあの手この手で阻止しようとする。 しまいには、うちの飛行機は新型だから20分で着く。そっちの飛行機は35分かかる。 だから着くのは15分しか違わないので、キャンセルするのはもったいないなどと、見え見えの嘘をつく。 あまりにも、その言い訳が面白かったので、キャンセルは断念し、素直に10時発で帰ることにした。
結局出発は30分遅れ、フライトもカトマンズの着陸をやり直したりして40分くらいかかり、 つくやいなや国際線に乗り換えなければならず、案の定のはめに陥ったのは言うまでもない。
その後は、カトマンズ、シンガポールと経由して成田へ帰った。 いつものことながら、シンガポール航空のサービスは良く快適であった。