ニューヨーク

2002.12.28-2003-1.1

今回、年末の航空券は取得が難しく、いろいろ手を尽くしたが、 結局28日発のPEXのニューヨーク行きがようやく17万で取れたのみであった。 格安の航空券なら4-5万で出ている昨今、とんでもない値段である。
まあ、年末の場合、格安でも値段は跳ね上がるので、PEX運賃もそれほど格安券と値段の差が出ないという事情もある。 また、PEXの場合、直前までキャンセル料が安く設定されており、他のチケットとかけもちでも待てるという点も利点である。

私は今まで相当渡航しているが、それでも、ニューヨークは行っていなかったので、今回はそのまま行くことにした。
行きの成田は、ピークの割には列も短く、出発の日取りも分散している様であった。 経営破たんしたユナイテッド航空ではあったが、問題なく飛行機は飛んでいた。
しかし降機の際のアナウンスで、「また機上でお逢いしますことを」云々 という文言は無かった。 もうあうことは無いと思っているのかどうか分からないが、さすがに正直というか、なんというか、複雑である。



第1日


例によってホテルの予約は無く入国したのだが、今回はメジャーどころであることもあり、事前にインターネットである程度探してみた。 そして、その時点で主だったホテルは満室であり、インターネットで予約できる安宿も満室である ことを確認していた。といっても、通常、実際行ってみると空いている可能性はあるのだが、 今回はやはり厳しいだろうなと予想していた。

まず、空港の予約カウンターでホテルの予約を試みたが、ここで予約できるマンハッタンのホテルは すべて満室で、空港近くのホテルしか空いていないとのこと。 これはもちろん、市内に行けば状況は違っただろうが、空港到着時点ですでに夕方であり、 これから暗い中を宿探しをするのは面倒だし、どうせ、今晩はなにをするわけでもないので、 そのまま空港近くのホリデイインに泊まることにした。 一泊125ドルなので結構な散財ではあったが、ニューヨークの物価は高いので仕方が無い。 昔だったら、ありえないことなのだが、時間をかけて安宿を探すのにも飽きてきたことも理由の一つである。 最近の基本は時間を金で買うということである。
早速チェックイン。 結構いいホテルなだけあり、インターネットは無料で使い放題であった。 ここで翌日のホテルを調べると、やはりマンハッタンの中心にあるホテルにもいくつか空室があるようだ。 そこで、リストをプリントアウトして持って行くことにした。
この日はそのまま就寝。まだニューヨークに来た実感は無い。


第2日



朝起きて、すぐにチェックアウトし、送迎バスで空港に行き、そこからシャトルバスで地下鉄の駅に行く。 そこからマンハッタンに地下鉄で行った。
地下鉄のチケットは一回乗りで1.5ドル。無制限の一日券が4ドル。 マンハッタン内での移動を考えるとこの4ドルの一日券はお得であった。
ちなみに、ニューヨークの地下鉄は、以前は危険で、汚くて、危ないという評判だったが、 現在では昼間の移動ならば、全く問題ないし、落書きもない。 タクシーなんかで料金交渉でもめるより、地下鉄のほうが安くて楽である。


前日の検索で、マンハッタンのミッドタウンにあるガーシュインホテルに空室があることを確認していたので、 まず、そこに行くこととした。 住所は27st&5ave。マンハッタンの住所はこのようにstとaveによって大体の位置が分かるので、 土地勘の無いものには分かりやすい。
そしてチェックイン。 マンハッタンの中心なだけあって、前日のホリデイインと同程度の料金で、部屋は小さかった。 でも、利便性を考えれば仕方が無い。

現地滞在は正味二日なので、この日はすぐに市内観光に行くこととした。 ちなみに、このガーシュインホテルからは、エンパイアステートビルが目と鼻の先である。 ということで、早速行ってみた。
年末は、現地の人間(もちろんニューヨーカーではなく、アメリカの田舎人)にとってもホリデイであり、 そこここに、カメラを手にした白人がおり、案の定エンパイアステートビルも長蛇の列であった。 これがいつもと比べて多いのか少ないのかは不明だが、行列の嫌いな私の耐えられるものではなく、 ビルに登るのはやめて、そのままLower Manhattanの観光バスに乗ることにした。


Lower Manhattanの観光コースは、グリニッチ、ソーホー、チャイナタウン、ワールドファイナンシャルセンター、 バッテリーパーク、ウォールストリート、などであるが、何しろ寒いので、なかなか降りれず、 気がついたらバッテリーパークにいた。

バッテリーパークは自由の女神行きのフェリーの出る場所だが、ここも残念ながらフェリーに乗るのに長蛇の列となっていた。 ということで、当然のように、並ぶのはやめて少し離れたところにあるスタテン島行きのフェリーに乗ることとした。

このスタテン島行きフェリーは、通常の交通手段として無料でマンハッタンとスタテン島を結んでいるのだが、 途中に自由の女神の近くを通るので、観光手段として、観光客にも知られている方法である。 なんといっても無料というのがおいしい。 およそ30分置きに出て、片道25分程度なので、一時間もあれば往復行って帰る事が出来る。 ということで、速攻で行くこととした。
待合所には、地元の人間と、明らかに観光客と思われる人たちがいたが、フェリーは大きいので、余裕で乗船できた。 そして、出発してすぐに、自由の女神に接近。往復二回、写真のような感じで十分近くで見ることができた。





Ground Zero



スタテン島フェリーから戻って、そのままLower Manhattanの観光に今度は歩いていった。 そして、初めに行ったのが、Ground Zeroである。

ここは、9.11で崩壊した世界貿易センタービルの倒壊現場であり、現在はほぼ更地になっている。
写真のように、いまだにメッセージ板などもあり、観光客も多く、ちょっとした名所になっている。

周囲の建物の壁には、いまだに倒壊の跡も見られて、生々しい。
しかし、実際に建っていたときのことを知らないので、アメリカ人が思うほどの衝撃は無いし、彼らの思う衝撃も理解できない。

逆にアラブフリークの私としては、テロしたほうの気持ちの方が分かるかもしれない。

















Ground Zeroから、歩いてすぐのところに、トリニティ教会があった(写真左)。ぶらぶら歩きついでに、立ち寄った感じだが、 ニューヨークで最古の教会だそうだが、そういった教会はヨーロッパでは掃いて捨てるほどあるので、 それほどのものでもなかった。
そのすぐ近くには、ウォール街がある(写真右)。 ウォール街には、いまだクリスマスの飾り付けがあり、フェデラルホールの前には大きなクリスマスツリーが飾ってあった。




Times Square


その後、ウォール街から地下鉄に乗って、Times Squareに行った。
Times Squareは言って見れば新宿を大きくしたようなもので、単なる都会である。
今回はニューヨークの地理を把握するというのも目的の一つだから、とりあえず、歩き回ることにした。 (把握してなにするわけでも無いけど。)
ということで、42stのTimes Squareからブロードウェイを北上して、ミュージカルの劇場を一通り、見て回った。
このあたりは、一昔前は、非常に治安の悪いエリアだったそうだが、現在では、かなり良くなったようで、 人通りも絶えない。
ここ最近ディズニーのミュージカル作品がヒット作となっていることもあり、劇場も増えているようだ。

ミュージカルには全く興味がなかったが、ブロードウェイを語るのに、見たことが無いのは、説得力が無いので、 見てもいいかなと思ってみた。


ブロードウェイから、少し歩いていくと、ロックフェラーセンターに着いた。 ここの中庭には、有名なクリスマスツリーがある。 ここも、ある意味、観光の名所であるので、人は多く、大変なものであった。 そして、都会の真ん中であるにもかかわらず、スケートリンクがあるという妙なシチュエーションである。

基本的にニューヨークは寒い。 日本で東京や大阪のイメージで考えるからおかしいので、札幌が大都会になったと思えばいい感じだ。
日本で若者が、町中で寒くも無いのに、よくスキー帽子みたいなニット帽をかぶっているが、 ニューヨーカーにはそういった格好をしているものが多い。
もしかして、この辺から影響を受けているのかもしれないと思われるが、実際ニューヨークは寒いので、ファッションというより、 実用に基づいているように思われる。 そして、実際、ニューヨークでは、ニット帽をかぶっているのは、若者ばかりでない。
もし、彼らが日本で単にニューヨーカーのまねをしているとすれば、ちょっと滑稽である。 まあ、今年は寒いから実用的かも知れないが。



帰りの地下鉄構内では、ストリートミュージシャンがパフォーマンスをしていた。 ニューヨークでは、そこここでストリートミュージシャンが演奏しているが、 これが、非常にうまい。
おそらく貧しい黒人と思われるのだが、写真のようにバケツ二つで、しかも足で音質を変えながら すさまじいスティックさばきで、見事なドラムを披露していた。
これはもうこれで、十分金が取れそうなパフォーマンスだと思ったが、当たり前のように、ストリートでやっているのには驚いた。

二日目はこれで終了し、エンパイヤステートビルの夜景を見ながらホテルに帰った。






第3日


この日は、本来は、マンハッタンの北のほうを散策するはずだった。 そして、セントラルパークからメトロポリタン美術館に行くはずだったのだが、残念なことにこの日は月曜日。 メトロポリタン美術館が休みだったので、予定が狂ってしまった。
他の美術館に行く気にもならず、 さすがに、セントラルパークだけでは、時間が持たないので、ハーレムにでも行こうかと思ったが、 前日のTimes Squareでちょっと刺激されたこともあり、ミュージカルのチケットが取れるかどうか試してみることにしてみた。

ミュージカルのチケットはいろんな方法で入手できるそうだが、当日に手に入れるには、売れ残りのチケットを割引で売る TKTSという割り引き券売り場に並ぶのが良いらしい。
TKTSはTimes Squareにあり(写真右)、午後2時からのチケットは10時から売り出す。 9時半頃には、Times Squareについていたが、列はそれほどでもなかったので、朝食を食べたり、床屋に行ったりしながら時間をつぶし、 10時にまた戻ってみた。
すると、その時点で、自由の女神も、エンパイアステートビルも並ぶのを拒否した私でも、 これなら待てそうだと思える程度の列だったので、待ってみることにする。
そして、30分程度で順番が来た。買えるチケットは電光掲示板に掲示されている。 この日の午後は、42nd Street、Les Miserables、The Phantom of the Opera、 とRadio city music hallのChristmas Spectacularが売り出されており、 なにが良いかは全く分からなかったので、とりあえず、ロングランしているThe Phantom of the Opera(オペラ座の怪人)にすることにした。 半額チケットなので、オーケストラ席(一階席)が50ドルで、手数料込みで、53ドル。 意外と簡単に手に入ってしまった感じである。





Central Park






ということで、午後にやることは決まったので、それまでの間、予定通りセントラルパークに行った。 セントラルパークには、Times Squareから地下鉄で一駅。57stで降りて、歩いて行った。
良くテレビで見るセントラルパークは、休日に日光浴をする光景だが、今は冬。 町中にも雪が残る状況では、さすがにセントラルパークは一面雪化粧であった。
イメージとは違ったが、雪のセントラルパークもそれはそれで絵にはなった。
少し散歩をしたが、計算外だったのは、寒くて寒くて仕方がなかったこと。 季節がちょっと悪かったようだ。

そのなかでも、リスは元気良く走り回っていた。(写真右)


オペラ座の怪人



オペラ座の怪人は今までミュージカルに全く興味の無かった私でも知っている名前だったので、 話のネタには丁度良いかと思って選んでみた。

もともと、ミュージカルなんてのは主に女性が行くものなのかと思っていたが、実際劇場に来ているのは、男女半々位であり、 年齢層もまちまちで若い人達ばかりでもなかった。

開演前に決して上演中に写真を撮ってはならないときつく言われたので、残念ながら上演中の写真はないが、 今にして思えば、フラッシュとモニターのライトをオフにすれば、撮ることは可能だったと思った。
まあ、画像としては、写真もあるし、ビデオもあるだろうから、撮ったからどうってことは無いが、劇場に行くのは 生の雰囲気を感じるのが重要だろうし、実際、劇場ならではの迫力を感じることはできた。
写真右は、一幕終了時点で落ちてきたシャンデリアであるが、なかなか演出も大掛かりで、ロングランしているだけのことはあった。

内容は、開演前にパンフレットを買って読んだ(これは日本語訳もある)から、大体分かったが、 どうも中には結構何度も見に来ている人たちがいるようで、次に来ることが分かって構えているような雰囲気があった。
約2時間半の公演であるが、夜の部もあるので、どうやらこの昼間の公演は役者が少し変わっているらしい。 特に主役のクリスティーヌは、若手が起用されていたのだが、確かに、脇役のカルロッタのほうが歌が声量があったりして、 そうかなと思わせるところはあったのだが、そんなことはたいしたことではなく十分楽しめた。

昼の部なので、公演終了時点で4時半であった。 TKTSで、夜8時の部のチケット販売は3時からであり、 昼の部を見終わった後に列に並んでも夜の部のチケットを手に入れることは可能である。
実際、その日TKTSに公演後行ってみたが、列は午前中私が並んだ列の二倍くらいであり、一時間くらい待つ覚悟があれば、 何らかのチケットは手に入りそうだった。しかも、夜の部のほうがチケットの種類は多い。
従って、もし、ミュージカルが目的でニューヨークに行く人なら、この時期、ひたすらTktsに並べば、 予約なしでも一日2公演は見れると思われた。
私にとっては、一時間の行列は限界を超えていたのと、それほど、ミュージカルに情熱が無かったので、さっさとあきらめた。

この時間で、ニューヨークはもう暗くなり、すでに夜景となっている。 ライトアップされたエンパイヤステートビルもなかなかである。
ちなみに、このライトアップのパターンも季節で変わるとのこと。そういった楽しみもあるようだ。

今回、アメリカ出国は31日であり、Times Squareのカウントダウンは見れず、何しに行くんだと言う人もいるが、 まあ、それなりに楽しめた。 機内での年越しもたまには良いだろう。
当然のことながら、帰りの機内はガラガラで楽ちんだった。