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幕が閉まって、場面転換。
極楽一座の人たちが登場。
歌「極楽花火」
舞台には、3段になった白いセット以外何もない状態。
幕が上がって、極楽一座の人たちが最上段へ。
歌の途中。
お蝶さんと正吾さんが別方向からやってきて、中央で出会う。
正吾さんから話があると、川じまいの花火の日に待ち合わせをする二人。
浮かれながら帰っていくお蝶さん。
歌の後半は、お蝶さんのとこのお客さん男性4人と、団子屋さん、甘酒屋さんが舞台登場。
歌詞に合わせて芝居したり、踊ったり。
歌が終わると、舞台からは誰もいなくなり、
舞台にはお蝶さん、銀次・お沙貴さん、日向の旦那の家のセット。
花火の音がしている。
おつるちゃんが家の中で、お蝶さんの支度が終わるのを待っている。
おつる「お師匠さん、正吾さまとの待ち合わせの時間に間に合わないですよ!」
花火の様子を見に、外に出るおつるちゃん。
このまま待ってたら、花火が終わってしまう。
おつる「先に行きますよ!」
舞台、右側から明らかに不審な二人組が登場。室井軍兵衛と半六。
余所見をしていて、半六とぶつかったおつるちゃん、
おつる「何処見て歩いてんだ!」
何だと、と絡まれて、御免なさい一応謝るが、後ろ姿に「バーカ」といって退場。
(千秋楽、変な顔とかいってたような?)
半六が追いかけようとすると、室井が「大人気ない」と止める。
行くぞ、と声をかけて、銀次・お沙貴夫婦の家へ。
お蝶さん、ようやく支度が終わって舞台に出てくる。両手に袋を提げている。
おつるちゃんにどちらが良いか、聞くつもりだったがいない。
お沙貴さんに決めてもらおう、と家を出ようとしたとき、
二人にさらわれそうになっているお沙貴と出くわしてしまう。
お蝶「お沙貴さん!」
目撃されたので、お蝶さんも捕まえようとする二人。
半六がお蝶さんに近づくが、両手に持った袋で顔を攻撃。
ひるんだ半六。室井に、大丈夫だといって、もう一度立ち向かうが、また袋攻撃にあう。
室井、「大人気ない」と半六をとめて、代わりにお蝶さんの前へ。
室井「あっ!」
客席のほうを指差し、そちらに気を取られたお蝶さんのお腹をなぐって気絶させる。
お蝶「大人気ない・・・」
二人を連れて、室井と半六退場。
お沙貴さんの草履と、お蝶さんの袋が一つ落ちているところに、おつるちゃんが戻ってくる。
せっかく戻ってきたのに、お蝶さんが居ないのに気づいて、文句を言うが、
袋が落ちているのに気づく。
おかしい、と思って歩いていると、お沙貴さんの草履を踏む。
さっきの怪しい男たちを思い出し、慌てて駆け出して退場。
幕が下りる。
幕の前、正吾さんと日向の旦那が登場。
日向の旦那、刀を差して、一本下駄でゆっくりと歩く。
正吾「一本下駄!」
日向「やはり刀には、一本下駄が似合う」
正吾「日向の旦那は誰を待っているんですか?」
日向の旦那、銀次の今夜の居場所が判らなければ、守ることも出来ない。
銀次の弟分で、下っ引きをしている末吉という男に事情を話して、
探ってもらっている、と答える。
末吉、登場。
居場所を教えてもらって、そこへ向かおうとしたところに、おつるちゃんが現れる。
おつる「正吾さま、日向の旦那!」
おつる「お沙貴さんとお師匠さんがかどわかしに!」
正吾「お沙貴さんと、お蝶さんが!」
おつるちゃんを置いて、走り出す正吾さん。
おつる「先に行ったって判らないって!」
慌てて後をおうおつるちゃん。
日向の旦那、末吉に「急ぎ参ろう」
末吉、早足で舞台を横切って退場。
日向の旦那、ゆっくりゆっくりと進む。
日向「末吉、急ぎ参るぞ」
(何日だかに、「待ってくれ」と声をかけたこともあったような?)
幕が開く。
舞台には、3段になった白いセット以外何もない状態。
遠州屋とおしづ、銀次がいる。
すぐに追っ手がくる、路銀にするようにと紙に包んだお金をさしだすおしづ。
礼をいって受け取る銀次。その場から去ろうとする。
遠州屋「銀次さん、ちょっと待ってください。何か忘れてはいませんか?」
遠州屋「覚書ですよ」
渡さないと断る銀次。
合図すると、室井と半六がお沙貴さんとお蝶さんを連れてくる。
お沙貴さん、それは大事なものだから、渡しては駄目だという。
室井にお腹を蹴られる。
お蝶「銀次さん、お蝶さんには赤ちゃんが!」
銀次「何だって!」
嫁と子供の命が惜しければ、覚書を差し出せと脅される銀次。
覚書を、持っていた提灯に近づけ、渡すぐらいならば燃やすという銀次。
止めてというお沙貴さんに、頭の中に入っているから大丈夫、という。
そんなことをしたら、どうなるか判ってるのか、という遠州屋。
半六が余所見をしている隙に、お蝶さんが室井に体当たり。
お沙貴さんのところへ。
何をする、と半六が二人に遅い掛かろうとした瞬間、何かが飛んでくる音。
すると、半六の手には、小刀(?)が3本刺さっている。
(飛ばしているわけじゃなくて、半六さんが自分で刺してると丸判りなので、
笑いが起こるポイント)
隙をついて、銀次も女性二人のところへ。
舞台左側、一番上の段からから、一本下駄でゆっくりと日向の旦那、登場。
遠州屋が声をかけて、手下があと二人出てくる。
正吾さんと、おつるちゃんが登場。
手にしていた手ぬぐいを振り回して、敵を遠ざける。
日向の旦那が正吾さんに脇差を投げ、これで皆を守ってくれ、と頼む。
正吾さん、おつるちゃん、お蝶さん、お沙貴さん、銀次、末吉が退場。
敵に囲まれて一人残った日向の旦那、ゆっくりと下駄を脱ぐ。
刀を抜く構えをして、態勢を低くして。
・・・下駄を抱えて、舞台右側から逃げ出す日向の旦那。
敵の皆さん、後を追う。
誰も居なくなった舞台に、おしずが戻ってくる。手には懐刀(?)。
そこに、戻ってくるお蝶さん。他の人とはぐれたらしい。
正吾さんの手ぬぐいに気づいて拾う。
おしずと、おしずが持っている刀に気づくお蝶さん。
切りかかってきた刀をひらりとよけて、手ぬぐいで構える。
手ぬぐいで刀と渡り合うお蝶さん。
正吾「お蝶さん!」
お蝶「怖かったぁ」
今までの戦いがなかったように、正吾さんの背中に隠れる。
不利になったので、逃げるおしず。
正吾さんとお蝶さん、舞台右から退場。
一番上の段、ござのようなものを巻いた状態の末吉とおつるちゃんが登場。
隠れているらしい。
裸足の日向の旦那も一番上の段から登場。
敵の皆さん、一番下の段に揃っている。
すると、いつもの音楽と模様のついた光がぐるぐると回って、
蘭丸「父上〜」
日向「蘭丸、今はそなたと話をしている時間はない!」
蘭丸「私も戦いまする!」
日向「病弱の身で何を言う」
蘭丸「武士の魂は健在にござる!」
末吉があっと声をあげ、ござを倒すと、その影から男の姿のおつるちゃんが登場。
日向「蘭丸の魂が乗り移ったか」
刀を抜いて、下の段へと降りる蘭丸(おつるちゃん)
日向「蘭丸、ぬかる出ないぞ!」
日向さん、末吉、舞台から退場。
蘭丸の殺陣。
(殺陣の動きはとても文章では書けないので省略)
最後に決めポーズして、拍手があって、ステージから退場。
敵のみなさんが追おうとすると、中華風の剣劇みたいな音楽が鳴り出す。
再び日向の旦那登場。
敵の方を見ながら、最上段で首をゆっくりと回す。
敵の中央へ降りる日向の旦那。振り下ろされた刀をよけて、抜いた刀を突きつける。
日向の旦那の殺陣。
(殺陣の動きはとても文章では書けないので省略)
一人ずつ、最後には斬り付けて、トドメをさす。
左側に遠州屋とおしず、末吉と銀次。右側に正吾さんとお蝶さん、お沙貴さんがいる。
血を拭き取る仕草をして、残った遠州屋に刀をつきつける日向の旦那。
末吉が紐を取り出し、遠州屋とおしずをしばる。
末吉「子分ども、ひったてぃ!」
日向「いつから子分など出来たのだ?」
末吉「さきほど、調達いたしました」
日向「それは良かった」
出てきたのは極楽一座の若い男の人が二人。
遠州屋とおしずをつれて退場。
銀次「日向の旦那、この度は大変ご迷惑をおかけしました」
逃げるつもりでいた自分が情けない。罪を償います、という銀次。
何も言わない日向の旦那。
末吉にも迷惑をかけたな、と両手を前に出す。
末吉「銀兄ぃ」
お沙貴「あんたぁ!」
日向「・・・銀次、お前が戻ってくるのを皆で待っているぞ」
銀次を連れて、退場する末吉。後を追うお沙貴。
そこへ、ふらふらとおつるちゃんが戻ってくる。
無事だったんですね、とお蝶さんにいうおつるちゃん。
ありがとう、とお礼をいうお蝶さん。
おつる「ありがとう???」
蘭丸に乗り移られていたときのことは覚えていないおつるちゃん。
おつる「怖かったぁ!」
お蝶さんの膝にすがりつく。
日向の旦那が、借りていた刀を正吾さんに差し出すと、
逆に、自分が持っていた脇差を逆に日向の旦那に差し出す正吾さん。
正吾「旦那が持っていた方が良さそうだ」
日向「いや、質にいれる恐れがある」
正吾「それでも良いや」
もう自分にはいらないものだと、日向の旦那に刀を渡す正吾さん。
受け取ったら、もう返さないとばかりに早足で正吾さんの傍を離れる日向の旦那。
いそいそと身に着ける。
正吾「お蝶さん、話があるんです」
お蝶さん、慌てて立ち上がる。膝から落とされるおつるちゃん。
正吾「上方へ修行に行くことになりました」
驚くお蝶さん。
親方の知り合いが向こうに居て、修行をさせてもらうことになった、という正吾さん。
お蝶「それは、いつ?」
正吾「来月早々」
お蝶「それはまた急な」
江戸に心残りが出来ないうちに、出発するという正吾さん。
正吾「今も後ろ髪が引かれるような想いです」
お蝶さん、背筋をしゃんとして、
「何を言っているんですか、正吾様。何を後ろ髪を引かれることがあります」
立派な彫師になってください、というお蝶さん。
正吾「お蝶さん、必ず帰ってくるよ、立派な彫師になって」
舞台上、日向の旦那とお蝶さんの二人だけ。
日向「良かったのでござるか。正吾殿はお蝶殿に一緒についてきて欲しかったのでは?」
お蝶「私みたいな、おっちょこちょいがついていったら邪魔になります」
お蝶「それに、私には私の耳かきを楽しみにしてくれている人たちがいますから」
日向「そうであったな。しかし、つらいなぁ」
お蝶「つらいことなんかありません。でも、何故だか涙が出るんです」
両手を合わせて祈るようにしながら、
お蝶「正吾様っ」
幕が下りる。
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