記憶整理 その7

第二幕、対決が終わるとこまで行きました。次で終わりです。
一気に全部書いてしまうのが勿体なくなったので、一区切り。
日向の旦那の殺陣は、本当に格好良かったなぁ、と思い出していたら、
また舞台を見たくなってしまいました

幕が閉まって、場面転換。

極楽一座の人たちが登場。
歌「極楽花火」

舞台には、3段になった白いセット以外何もない状態。
幕が上がって、極楽一座の人たちが最上段へ。


歌の途中。

お蝶さんと正吾さんが別方向からやってきて、中央で出会う。
正吾さんから話があると、川じまいの花火の日に待ち合わせをする二人。
浮かれながら帰っていくお蝶さん。

歌の後半は、お蝶さんのとこのお客さん男性4人と、団子屋さん、甘酒屋さんが舞台登場。
歌詞に合わせて芝居したり、踊ったり。

歌が終わると、舞台からは誰もいなくなり、
舞台にはお蝶さん、銀次・お沙貴さん、日向の旦那の家のセット。


花火の音がしている。
おつるちゃんが家の中で、お蝶さんの支度が終わるのを待っている。
おつる「お師匠さん、正吾さまとの待ち合わせの時間に間に合わないですよ!」

花火の様子を見に、外に出るおつるちゃん。
このまま待ってたら、花火が終わってしまう。
おつる「先に行きますよ!」

舞台、右側から明らかに不審な二人組が登場。室井軍兵衛と半六。

余所見をしていて、半六とぶつかったおつるちゃん、
おつる「何処見て歩いてんだ!」
何だと、と絡まれて、御免なさい一応謝るが、後ろ姿に「バーカ」といって退場。
(千秋楽、変な顔とかいってたような?)
半六が追いかけようとすると、室井が「大人気ない」と止める。
行くぞ、と声をかけて、銀次・お沙貴夫婦の家へ。

お蝶さん、ようやく支度が終わって舞台に出てくる。両手に袋を提げている。
おつるちゃんにどちらが良いか、聞くつもりだったがいない。
お沙貴さんに決めてもらおう、と家を出ようとしたとき、
二人にさらわれそうになっているお沙貴と出くわしてしまう。

お蝶「お沙貴さん!」
目撃されたので、お蝶さんも捕まえようとする二人。
半六がお蝶さんに近づくが、両手に持った袋で顔を攻撃。
ひるんだ半六。室井に、大丈夫だといって、もう一度立ち向かうが、また袋攻撃にあう。
室井、「大人気ない」と半六をとめて、代わりにお蝶さんの前へ。

室井「あっ!」
客席のほうを指差し、そちらに気を取られたお蝶さんのお腹をなぐって気絶させる。
お蝶「大人気ない・・・」
二人を連れて、室井と半六退場。

お沙貴さんの草履と、お蝶さんの袋が一つ落ちているところに、おつるちゃんが戻ってくる。

せっかく戻ってきたのに、お蝶さんが居ないのに気づいて、文句を言うが、
袋が落ちているのに気づく。
おかしい、と思って歩いていると、お沙貴さんの草履を踏む。
さっきの怪しい男たちを思い出し、慌てて駆け出して退場。

幕が下りる。


幕の前、正吾さんと日向の旦那が登場。
日向の旦那、刀を差して、一本下駄でゆっくりと歩く。

正吾「一本下駄!」
日向「やはり刀には、一本下駄が似合う」
正吾「日向の旦那は誰を待っているんですか?」

日向の旦那、銀次の今夜の居場所が判らなければ、守ることも出来ない。
銀次の弟分で、下っ引きをしている末吉という男に事情を話して、
探ってもらっている、と答える。

末吉、登場。
居場所を教えてもらって、そこへ向かおうとしたところに、おつるちゃんが現れる。
おつる「正吾さま、日向の旦那!」

おつる「お沙貴さんとお師匠さんがかどわかしに!」
正吾「お沙貴さんと、お蝶さんが!」
おつるちゃんを置いて、走り出す正吾さん。
おつる「先に行ったって判らないって!」
慌てて後をおうおつるちゃん。

日向の旦那、末吉に「急ぎ参ろう」
末吉、早足で舞台を横切って退場。
日向の旦那、ゆっくりゆっくりと進む。
日向「末吉、急ぎ参るぞ」
(何日だかに、「待ってくれ」と声をかけたこともあったような?)


幕が開く。

舞台には、3段になった白いセット以外何もない状態。

遠州屋とおしづ、銀次がいる。

すぐに追っ手がくる、路銀にするようにと紙に包んだお金をさしだすおしづ。
礼をいって受け取る銀次。その場から去ろうとする。

遠州屋「銀次さん、ちょっと待ってください。何か忘れてはいませんか?」
遠州屋「覚書ですよ」
渡さないと断る銀次。
合図すると、室井と半六がお沙貴さんとお蝶さんを連れてくる。
お沙貴さん、それは大事なものだから、渡しては駄目だという。
室井にお腹を蹴られる。

お蝶「銀次さん、お蝶さんには赤ちゃんが!」
銀次「何だって!」
嫁と子供の命が惜しければ、覚書を差し出せと脅される銀次。

覚書を、持っていた提灯に近づけ、渡すぐらいならば燃やすという銀次。
止めてというお沙貴さんに、頭の中に入っているから大丈夫、という。
そんなことをしたら、どうなるか判ってるのか、という遠州屋。

半六が余所見をしている隙に、お蝶さんが室井に体当たり。
お沙貴さんのところへ。

何をする、と半六が二人に遅い掛かろうとした瞬間、何かが飛んでくる音。
すると、半六の手には、小刀(?)が3本刺さっている。
(飛ばしているわけじゃなくて、半六さんが自分で刺してると丸判りなので、
笑いが起こるポイント)
隙をついて、銀次も女性二人のところへ。

舞台左側、一番上の段からから、一本下駄でゆっくりと日向の旦那、登場。
遠州屋が声をかけて、手下があと二人出てくる。

正吾さんと、おつるちゃんが登場。
手にしていた手ぬぐいを振り回して、敵を遠ざける。

日向の旦那が正吾さんに脇差を投げ、これで皆を守ってくれ、と頼む。
正吾さん、おつるちゃん、お蝶さん、お沙貴さん、銀次、末吉が退場。

敵に囲まれて一人残った日向の旦那、ゆっくりと下駄を脱ぐ。
刀を抜く構えをして、態勢を低くして。

・・・下駄を抱えて、舞台右側から逃げ出す日向の旦那。
敵の皆さん、後を追う。


誰も居なくなった舞台に、おしずが戻ってくる。手には懐刀(?)。
そこに、戻ってくるお蝶さん。他の人とはぐれたらしい。
正吾さんの手ぬぐいに気づいて拾う。

おしずと、おしずが持っている刀に気づくお蝶さん。
切りかかってきた刀をひらりとよけて、手ぬぐいで構える。
手ぬぐいで刀と渡り合うお蝶さん。

正吾「お蝶さん!」
お蝶「怖かったぁ」

今までの戦いがなかったように、正吾さんの背中に隠れる。
不利になったので、逃げるおしず。
正吾さんとお蝶さん、舞台右から退場。


一番上の段、ござのようなものを巻いた状態の末吉とおつるちゃんが登場。
隠れているらしい。

裸足の日向の旦那も一番上の段から登場。
敵の皆さん、一番下の段に揃っている。
すると、いつもの音楽と模様のついた光がぐるぐると回って、

蘭丸「父上〜」
日向「蘭丸、今はそなたと話をしている時間はない!」
蘭丸「私も戦いまする!」
日向「病弱の身で何を言う」
蘭丸「武士の魂は健在にござる!」

末吉があっと声をあげ、ござを倒すと、その影から男の姿のおつるちゃんが登場。
日向「蘭丸の魂が乗り移ったか」
刀を抜いて、下の段へと降りる蘭丸(おつるちゃん)
日向「蘭丸、ぬかる出ないぞ!」
日向さん、末吉、舞台から退場。

蘭丸の殺陣。
(殺陣の動きはとても文章では書けないので省略)

最後に決めポーズして、拍手があって、ステージから退場。


敵のみなさんが追おうとすると、中華風の剣劇みたいな音楽が鳴り出す。
再び日向の旦那登場。

敵の方を見ながら、最上段で首をゆっくりと回す。

敵の中央へ降りる日向の旦那。振り下ろされた刀をよけて、抜いた刀を突きつける。

日向の旦那の殺陣。
(殺陣の動きはとても文章では書けないので省略)

一人ずつ、最後には斬り付けて、トドメをさす。

左側に遠州屋とおしず、末吉と銀次。右側に正吾さんとお蝶さん、お沙貴さんがいる。
血を拭き取る仕草をして、残った遠州屋に刀をつきつける日向の旦那。
末吉が紐を取り出し、遠州屋とおしずをしばる。

末吉「子分ども、ひったてぃ!」
日向「いつから子分など出来たのだ?」
末吉「さきほど、調達いたしました」
日向「それは良かった」
出てきたのは極楽一座の若い男の人が二人。
遠州屋とおしずをつれて退場。

銀次「日向の旦那、この度は大変ご迷惑をおかけしました」
逃げるつもりでいた自分が情けない。罪を償います、という銀次。
何も言わない日向の旦那。
末吉にも迷惑をかけたな、と両手を前に出す。
末吉「銀兄ぃ」
お沙貴「あんたぁ!」

日向「・・・銀次、お前が戻ってくるのを皆で待っているぞ」

銀次を連れて、退場する末吉。後を追うお沙貴。

そこへ、ふらふらとおつるちゃんが戻ってくる。
無事だったんですね、とお蝶さんにいうおつるちゃん。
ありがとう、とお礼をいうお蝶さん。
おつる「ありがとう???」
蘭丸に乗り移られていたときのことは覚えていないおつるちゃん。
おつる「怖かったぁ!」
お蝶さんの膝にすがりつく。

日向の旦那が、借りていた刀を正吾さんに差し出すと、
逆に、自分が持っていた脇差を逆に日向の旦那に差し出す正吾さん。

正吾「旦那が持っていた方が良さそうだ」
日向「いや、質にいれる恐れがある」
正吾「それでも良いや」

もう自分にはいらないものだと、日向の旦那に刀を渡す正吾さん。
受け取ったら、もう返さないとばかりに早足で正吾さんの傍を離れる日向の旦那。
いそいそと身に着ける。

正吾「お蝶さん、話があるんです」
お蝶さん、慌てて立ち上がる。膝から落とされるおつるちゃん。

正吾「上方へ修行に行くことになりました」
驚くお蝶さん。
親方の知り合いが向こうに居て、修行をさせてもらうことになった、という正吾さん。

お蝶「それは、いつ?」
正吾「来月早々」
お蝶「それはまた急な」
江戸に心残りが出来ないうちに、出発するという正吾さん。
正吾「今も後ろ髪が引かれるような想いです」

お蝶さん、背筋をしゃんとして、
「何を言っているんですか、正吾様。何を後ろ髪を引かれることがあります」

立派な彫師になってください、というお蝶さん。
正吾「お蝶さん、必ず帰ってくるよ、立派な彫師になって」

舞台上、日向の旦那とお蝶さんの二人だけ。

日向「良かったのでござるか。正吾殿はお蝶殿に一緒についてきて欲しかったのでは?」
お蝶「私みたいな、おっちょこちょいがついていったら邪魔になります」

お蝶「それに、私には私の耳かきを楽しみにしてくれている人たちがいますから」
日向「そうであったな。しかし、つらいなぁ」

お蝶「つらいことなんかありません。でも、何故だか涙が出るんです」

両手を合わせて祈るようにしながら、
お蝶「正吾様っ」

幕が下りる。


その8へ

その6へ

戻る