【交通事故の基礎知識】
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基礎知識 1 総論編
賠償額には,3種類あり
損害の調べ方-赤本が便利
過失割合の決め方
相手方が100%悪い場合
弁護士費用特約
基礎知識 2 物損編
修理費用の賠償
改造費用も賠償して貰えるか
代車の使用
基礎知識 3 人損編
交通事故も健康保険が使える
傷害(入通院慰謝料)
基礎知識 4 人損編
むちうちと後遺症
交通事故の基礎知識 2 物損編
修理代は全額貰えるか改造車の賠償
車に必要不可欠な改造費用は勿論のこと,近時は趣味による改造についても,相当額の改造費用の賠償が認められるようになって来ました。改造に関する費用は,民法416条の「通常生ずべき損害」に該当するというわけです。
その算定方法は,事故車両である改造車と同一の車種・年式・同程度の使用状態・走行距離の改造車を中古車市場価格をベースにし,それに改造価格を上乗せして,相当額を認定します。ただ改造車両と同等の車両を中古車市場から抽出するのは難しいでしょうから,企業会計の減価償却方法である定率法や定額法によって決めると言われています。
代車の必要性・期間・車種
かっては,営業車については原則認められるが,自家用車の場合は認められないという解説が多かったのですが,近時は,自家用車についても,ケースバイケースで認められるようになって来ました。以下自家用車について検討します。
(1)通勤・通学に利用 その必要性が高い場合,例えば病人や児童あるいは老人の送迎にいつも使っていた,会社に着いてから仕事にも使っていたような場合です。このような場合は代車の必要性が肯定されるでしょう。
(2)レジャーや趣味に使用 通勤等と比べると否定される場合が多いでしょう。赤本の解説では,具体的にレジャーやレース参加が予定されていた場合などは,認められるのではないかとされています(赤本2006年度下巻82頁)。
(3)代替交通機関がある場合 代替交通機関があっても,それが今までと比べて不便になる場合は認められる可能性があります。この点を前記赤本は,「バスや電車等の交通機関では不十分だとは言えない場合はダメだが,それ以外は認められる」と少しわかりにくい説明をしています。
(4) 期間 1週間から2週間程度の修理期間あるいは買替期間とされています。ただ部品調達や特殊な修理の必要から長期間認められる場合があります。
(5)代車のグレード 裁判例では,外車で1日1万5000円から2万5000円程度,国産車なら5000円から1万5000円というものが多いです。ロールスロイスなどの高級外車であっても,国産高級車の代車料(1万5000円から2万5000円)で足りるとしています。