阿弥陀如来坐像 平安時代
村指定文化財 平成7年6月1日指定
木造 像高104.5cm
大楽寺所有
恵心僧都の作と伝えられているが、名のある大仏師が同行して制作されたと思われる。
平安時代後期の典型的な定朝様式の作品です。本尊は定印を結ぶ阿弥陀如来坐像で、
寄木造漆箔(シツパク)であります。東部を前後に割矧ぎ(ワリハギ)割首(ワリクビ)としています。
体部は前後二材製とし、両腕を矧ぎつけています。全体に内刳り(ウチグリ)が丁重になされていて、
肉髻(ニクケイ)は高く盛り上がっています。肉髻、地髪部の螺髪(ラハホツ)を均等に彫りだして、
髪際(ハッサイ)線を直線的に現します。眉から鼻稜にかけての線は強調され、目は伏し目がちで彫眼(チョウガン)とします。
体部の衣文は偏袒右肩(ヘンタンウケン)で、吉祥座を組んだ足から裾前にかけて流れるように垂らしており、
襞(ヒダ)は強調されて明瞭な線を描いております。ふくよかな表情体躯は素晴らしいものであり
国宝に指定されても遜色ないと思われます。
現在国宝指定の阿弥陀如来像は茨城町鳥羽田の円福寺所蔵の阿弥陀如来坐像です
(中尊84,3Cm)。健保五年(1217)作となっております。たくさんの阿弥陀如来像も
県の文化財指定になっていますが、ほどんとが鎌倉時代の作で平安時代に制作された
阿弥陀如来像は大楽寺以外に見あたりませんでした。
(もし知っている人はご連絡ください。調査漏れがあるかも知れません。) |