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 環境問題は、私たちのこれまでの環境に対するいろいろな活動の仕方、すなわち「方法」の狭間に生じたしわ寄せのようなものです。ですからこれまでの「方法論」を突き詰めていっても、やがてそれは限界にいき当たってしまうでしょう。
 今こそ私たちひとりひとりが自分の問題として、改めてこの問題に対する「方法論の方法論」を検討していかなければなりません。それができるかどうかに、私たちの運命がかかっているといっても、過言ではないのです。

 単にその場しのぎで問題を解くのではなく、自分のあり方に深く関わっていくこと。そしてその問題のための世界を自分自身で記述し、表現していくこと。そのときこそ、初めて目の前に立ちはだかる得体の知れなかった問題という固まりが溶けていき、やがて私たちの目の前は晴れ渡っていくのです。そして、私たちにはそこから次の一歩を踏み出す道が見え、体には先へ進むためのエネルギーがわいてくるのです。

 私たちには力があるのです。ひとりひとりが自分の「方法論」を生み出すことのできる、ユニークな存在なのです。


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