神保町 昼食ニュース

2000年9月号


  開店: 丼なんじゃ
  初訪問: マプラー

2000年8月29日記  

冷し中華の季節

「元祖」から新メニューまで

 たまにはちゃんと「昼食」ニュースを,というわけで,夏は残り少ないが,今年の神保町冷し中華の概況である。

 お盆明けのある日,久しぶりですずらん通りの「揚子江菜館」で冷し五目ソバを食べた。冷し中華の元祖はこの揚子江菜館だという説があり,1月ぐらい前の『週刊朝日』のラーメン探訪の欄にもそのように紹介されていた。たれは独特の甘いもので,辛子や酢との併用が前提のようだ。税込1470円という値段だから普通のラーメン屋のように気軽ではないが,1シーズンに1度は食べたくなる。

 今年,ちょっと変わっているなと思ったのが,「天鴻餃子房」各店の今年の新メニュー「鶏冷しラーメン」である。普通の冷し中華のような汁かけスタイルではなく,ラーメンをそのまま冷したような感じで,塩味のスープの中に麺と鶏肉,ネギが沈んでいる。

57番地の更地(18日)
(以下,写真をクリックすると大きい写真へジャンプ)
店舗案内の掲示(7月31日)
 
がれきの風景(上10日,下25日)
 こういう「ラーメンスタイル」の冷しそばを前からやっているのが喜多方ラーメンの「小坊師」(錦華通り)で,これを「和風冷しラーメン」と称し,これと別に「中華風冷しラーメン」もやっている。先日久しぶりに行ってみたら,今年は「今期限定」として「冷しとろろラーメン」「冷しざるラーメン」があった。「ざるラーメン」はまったく和風のつけ汁に太めの中華そば,小皿にネギとチャーシューが添えてあり,「和風冷し」をつけ汁スタイルにしたものである。

 同じ喜多方ラーメンでも,「藏太鼓」(神保町1-9;地下鉄A7出口そば)の冷しそばは,汁かけ式で和風のしょうゆ味である。「ネギ」「チャーシュー」など数種類あるが,「きのこ冷しそば」がさっぱりしていてよかった。
 錦町1丁目,東京電機大学玄関向かいの「神田一〇洞」では「青じそ冷しラーメン」というのをやっていた。限りなく和風に近い冷し中華である。

なお広がる夏空

 神保町1丁目の「再開発」地域は,取り壊しがますます進んで,東端の千代田通りから反対側の白山通りの向こうにある小学館や集英社のビルがよく見えるようになった。
 ただ,少しずつ建物が残っていたり,仮設店舗ができたりで,すっきりと更地になったところは少なく,本欄6月号の酔客の言のように野球のできる場所はできそうにない。中では57番地のブロックがきれいさっぱり何もない更地になっている。

 7月31日に,再開発地域と隣接地域の「店舗案内」の掲示が数か所に出た。要するに「現役」の店の案内図だが,奇妙なことに,もうすぐ取り壊し・移転のはずの店まで書いてある。工事関係者用なのかもしれない。

 「出雲そば」の新しいビルが,再開発地域のすぐ北(1-31)に完成し,すでに看板が掲げてある。28日に,「現店舗は9月14日まで,新店舗は29日から営業」という掲示が出た。



◆ 開 店

 7月25日,マクドナルドの脇から錦華通りを北へ少し行った左側に「丼なんじゃ」という店が開店した(神保町1-48)。鉄火丼を中心とした丼ものの店である。まぐろの大衆化と共に近ごろこの手の店は多く,この近辺でも小川町方面には何軒かあるが,神保町1丁目付近では初めてだと思う。看板に「銀座そばてつの姉妹店です」と書いてあった。
 「づけ丼」(560円)を食べてみたら,質・量ともにまあまあだが,真ん中に具を集中させた盛り方が,メニューの写真とはだいぶ違う。丼にプラスするメニューとしては「ミニ冷やし鶏そぼろうどん」があり,内容はなかなか充実していた。

◆ 初 訪 問

 「丼なんじゃ」からもう少し北へ行った左側,神保町も終わりかけたあたりに,飲食店が数軒かたまった狭い路地があるが,その中の「ライスカレー まんてん」の先に「マプラー」というタイ料理の店があるのを見つけた。
 タイ料理といえば,神保町には,岩波ホールのビルの地下に「ムアン・タイ・なべ」,そのすぐ裏に「メナムのほとり」など,このジャンルでは比較的歴史のある店があるが,ここは路地裏の庶民的な店の間に溶け込んでいる。私の行った日は年齢層のバラエティに富んだ客が集まっていた。
 Cランチは,トムヤンクム,炒め物,生春巻のセットで,880円はお買い得。


 →「神保町1丁目南地区再開発」問題 ミニ・リンク集


previous
to lunch sampoto lunch mokujito cover