大腸内視鏡検査について
  わが国で大腸がんは増加傾向にあり、毎年約6万人が罹患し、21世紀中に胃がんを抜くと予測されています。大腸がんにならないためには大腸ポリープの状態で発見し切除すること、またがんであっても早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。大腸内視鏡検査は診断と治療を同時に出来ます。便潜血反応陽性や便秘、血便だけでなく腹部症状のある方は是非受けるようしましょう。。

1)検査には腸をきれいにするための前処置が必要となります。検査当日は食事をせず朝2リットルの下剤を約2時間かけて飲んで頂きます。(下剤は自宅で飲むこともクリニックで飲むこともできます。)

2)心臓病、脳血管障害などで薬を服用している方は、事前に申し出て下さい。特に血液を固まりにくくする薬(抗凝固剤)を服用されているとポリープの切除ができないことがあります。
3)内視鏡が挿入されると、お腹が張ったり、腸が伸展されると痛みを生じることがあります。痛みの程度は個人差がありますが、腹部手術の既往のある方、痩せた女性で内臓が骨盤内に下垂している方などは痛みが強い場合があります。検査に対して不安のある方は鎮静剤の使用も可能です。鎮静剤を使用すると痛みはあまり感じなく検査終了します。
4)ポリープを認めた場合、その場で切除することも可能です。切除方法はポリープの形態により異なります。ポリープの切除を行った場合、検査終了後、諸注意(自宅安静、食事、飲酒、運動、入浴などについて)がありますので、よく聞いて下さい。
a)ワイヤーをポリープの茎にかけ焼き切る方法(スネアーポリペクトミー法) b)ポリープの下に生理食塩水を注入し、ポリープを持ち上げてワイヤーで縛り焼き切る方法(内視鏡的粘膜切除術)
5)大腸内視鏡検査および内視鏡的ポリープ摘除術に伴う偶発症としては、腸穿孔(腸が破れる)と出血があります。腸穿孔は1/2,000-5,000件の割合で起こるとされています。腸穿孔が起こった場合は外科手術、出血の場合は内視鏡的止血術が行われます。
日本消化器内視鏡学会へのリンク