note 2015/06/05

ある外交官の証言
くも2015年も折り返し地点の6月となってしまいました。例年と異なり今年は年央から国論を二分する大きな問題が起きつつあります。巷では連日「集団的自衛権行使容認」、「安全保障関連法制」、「積極的平和主義」、「先制攻撃容認」等々、勇ましい言葉が氾濫して早います。昨日も憲法審査会で3人の憲法学者全員が政府の集団的自衛権行使容認を憲法違反と批判しました。このような国論を二分する問題や論争が起きる原因は一体全体奈辺にあるのかと自分なりに考えてみると、今年4月新聞に掲載された「ある外交官の証言」に辿り着きます。それは2015/04/19朝日新聞特別編集委員星浩氏が「日曜に想う」で紹介している、今年亡くなった元外交官栗山尚一さんの証言です。

先の集団的自衛権行使容認から先制攻撃容認までの言葉に共通するキーワードは「米国」であることが分かります。これらはいずれも米国の要請に応えようとすることに起因していることに繋がります。その「米国」は、自国の確信的利益のためなら国連決議に反してでも「先制攻撃を容認」している国です。また現に何度もそれを繰り返し実行してきた国です。では何故そのようなことになってしまうのか。とりわけそのわけの一端が栗山尚一さんの証言にあると私には思えてならないのです。以下記事から一部を引用します。「国でも個人の関係でもそうだが、相手が自分と比べてあらゆる面で一段上だと、とても付き合いにくい。頭でも体力でも、お金でも。だからフランスは文化の面で米国と対抗する。ドイツも1対1ではとても米国にかなわないけれど、EU(欧州連合)という形を作って、それで米国と付き合うという選択をした。しかし、米国の忠実な同盟国としてやってきた日本には、不幸にして欧州のような枠組みがない。裸で米国と1対1で付き合わなければならない。そこで恐怖心に駆られる。」

かつて元外交官の故岡崎久彦氏がTVなどで盛んに「アングロサクソンについて行けば日本は百年安泰」と豪語していたのを思い出します。どうやら時の外務官僚や与党政治家には「対米従属」からの脱却は至難の業のようなのです。基地問題のように現在に至っても不平等で不条理な事実が存在する限り「対米従属」を簡単に容認、看過することはできません。「対米従属」から逃れるためには米国に一目置かれる存在にならなければならない、そのためには欧州連合のような米国に対抗できる日本独自の外交を一刻も早く築き上げる必要があると確信しています。私達は戦後70年にあたりこの問題から避けて通れないことは明らかであり、今こそ識者の識見に真摯に耳を傾け、じっくり考えてみる時だと思います。